だから最初からそう書いてあるって
朝日が「生活保護、都市部減額し地方増額 一律引き下げは見送り」という記事を書いています。
http://www.asahi.com/life/update/1212/TKY200712120468.html
>生活保護の支給基準の見直しを検討している厚生労働省は12日、保護世帯の食費や光熱費などにあてる日常生活費(生活扶助)について、08年度から都市部の基準額を引き下げる一方、比較的低い地方はかさ上げする方針を固めた。現行基準の地域間の支給格差は、実際にかかる生活費の差よりも大きすぎると判断した。生活扶助の予算額(国と地方で07年度約8400億円)は維持したうえで、配分を変え、格差是正を図る。
だから、このブログで示しているように、それは検討会報告書に最初から書いてあるんですよ。よく読めばね。
>生活保護基準については、厚労省の検討会が先月末、低所得者の生活費よりも現行の支給基準は高いとする報告書をまとめたことを受け、舛添厚労相は引き下げの検討を表明していた。だが、与党内から「弱者切り捨てと批判をされかねない」などと慎重論が広がったため、来年度からの一律の引き下げは見送る。
というのは、なんていうか、報告書をろくすっぽ読まずに、脊髄反射と延髄反射でいってる記事のような。
>生活保護の中心となる生活扶助は現在、物価の違いなどを反映させ、全国を市町村ごとに6段階に分けて設定。最も高い東京23区や大阪市といった大都市部(高齢夫婦世帯で月12万1940円)に比べて、最も低い地方は22.5%低くなっている。この格差を、消費実態に合わせて10%程度にまで縮小させたい考えだ。支給額が下がる地域については、段階的に数年間かけて引き下げるなどの激変緩和措置を検討する。
>また、検討会の報告書で、4人以上の多人数世帯の方が単身世帯に比べ、支給額の計算上有利になっていると指摘された点についても、見直しを検討する。
実際にどういう数字になるかはこれからですが、先週のエントリーで書いたように、
http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/12/post_c29a.html
>ここから導き出されるであろう結論は、都会地の生活扶助基準額は生活扶助相当支出額に比べて過度に高すぎるから引き下げるべきである、一方田舎の生活扶助基準額は生活扶助相当支出額に比べて低すぎるから引き上げるべきであるというものになるように思われます。
ということから、最低賃金についても、
>都会地でも若年単身者の生活扶助基準額は、多人数世帯や高齢者よりも低いので、必ずしも引き下げられず、最低賃金への影響もあまりなさそうです。
これに対して、田舎では生活扶助基準額がかなり引き上げられそうですので、これは最低賃金を引き上げるドライブになる可能性があります。14頁のグラフからすると、これは結構大きなものになるかも知れません。
という予測が正しくなるように思われます。
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