フォト
2023年2月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28        
無料ブログはココログ

« 労働市場改革専門調査会議事録 | トップページ | ハケンの来歴 by 大月隆寛 »

2007年12月 6日 (木)

雇用政策研究会報告書案

モリタク先生も入った厚生労働省の雇用政策研究会報告書の案がアップされています。

http://www-bm.mhlw.go.jp/shingi/2007/11/dl/s1128-15a.pdf

先ず現状認識は、

>いわゆる就職氷河期に当たり正社員となれず、フリーターにとどまっている若者(年長フリーター(25歳~34歳))は改善の動きが鈍い。また、ニート8についても改善の動きが鈍く、これらフリーターやニートについては、正社員となることを希望しても就職が難しい状況にある。さらに、恒常的に1日単位の雇用契約で働く日雇派遣労働者9については、雇用の不安定さや職業能力の蓄積不足といった点が懸念される。 これらの若者の中には、自己啓発もままならず、雇用や将来の見通しについて不安を感じる者もおり、また正社員と比べて結婚することが困難といった状況がみられる。 こうした状況を背景として、若年層の間には所得格差の拡大や格差の固定化、さらには非婚化による少子化の加速が懸念されている。

>人件費の変動費化を目的とした派遣労働者などの外部人材を活用する企業が増加するなど、企業の雇用管理の変化がみられる。一方、こうした外部人材の中には、日雇派遣労働者などのうち、特に雇用が不安定な者もおり、また教育訓練機会の差から職業キャリア形成にも差が生じるなどの懸念が指摘されている。

>正社員においては、企業が中核的人材を絞り込んだ結果、週60時間以上の長時間労働者の割合が高水準となっており、特に30代男性の21.7%が長時間労働となっている。長時間労働により、健康を損なう者が出るとともに、肉体的、精神的な疲労によって労働者の生産性にも影響を及ぼすおそれがある。また、男性の家事・育児時間が長時間労働等により短くなることによって、女性の負担を高めている。 また、同一企業内でも雇用形態により、能力開発機会を享受できる者とできない者が分かれており、さらに正社員間でも能力開発機会の多寡や質が異なっており、将来の人的資本に差が生じる懸念が指摘される。

>学校教育は教養教育など様々な目的を有しているものの、産業界からは、学校教育が産業界のニーズに合致していないとの指摘がある。また、在学中のキャリア教育が十分でなく、職業能力が形成されていない者や適職選択が行えない者、また職業意識が十分に醸成されていない者が存在している。さらに、就職してからの自己啓発について時間的余裕がない者が多い。

等々と、まあよく言われていることが要領よくまとめられています。

あるべき雇用・労働社会の姿としては、

>(1)安定の確保とキャリア形成 労働者の生活の安定や技能蓄積などの観点から雇用の安定が引き続き重要であるとともに、労働者が、自らのキャリアをより開発・向上することができるよう、職業能力開発などのキャリア形成支援や外部労働市場の整備などを行い、これらを通じて職業キャリアの発展と能力発揮が可能となる。

(2)多様性と自律性の尊重 性別・年齢・障害の有無を問わず、労働者が、生涯を通じ、個人の価値観に基づき、人生の各段階に応じ、主体的に多様な働き方を選択できるようにすることにより、自らの能力を十分発揮できるようになる。そして、企業は多様な人材の能力を最大限に活用できるようになる。

(3)公正の確保 多様な働き方が可能となっていく中で、それぞれの労働者の労働条件が、働き方にかかわりなく、公正で働き方に中立な仕組みや制度のもと、豊かな活力ある経済社会にふさわしい公正なものとして決定される。

あれっ?これって、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/08/post_b4e1.html

で紹介した

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/08/dl/s0809-3a.pdf(雇用労働政策の基軸・方向性に関する研究会の報告書「上質な市場社会に向けて-公正、安定、多様性」)

じゃないですか?ちょっと順序が違うけど。

その次の「あるべき雇用・労働社会の実現に向けた検討課題」が結構面白い論点を提示していて、

>(消費者に対するサービスの在り方の見直し) 消費者ニーズの多様化、高度化を背景に、年中無休の24時間営業など、消費者からみれば便利で多様なサービスが提供されているが、雇用面からみれば、過剰に労働力が投入されているといった側面もある。今後の労働力人口減少を見据えると、貴重な労働力の有効活用を図ることが必要であり、企業側はさらなるIT化や機械化の推進によって労働力の節約に努める必要がある。さらに、企業活動の背景にある消費者ニーズについては、消費者は利便性のみを追求するだけでなく、サービスを提供する企業の労働者の働き方にも配慮するなど、社会全体で個々の消費行動の在り方について検討する必要がある。

(ステイクホールダー間の付加価値の配分や企業の社会的責任の在り方) バブル崩壊以降の過剰雇用の解消の過程において、マクロの労働分配率は低下傾向で推移している中、労働者への付加価値(利益)の配分の在り方について議論がなされている。そもそもマクロの労働分配率の水準については、産業構成あるいは企業規模・従業員構成等で異なるものであり、その水準の高低を一慨に評価することはできないと言える。他方で、企業内の利益配分の在り方については、企業の持続的な発展や労働者の長期的なキャリア形成による人的資本の蓄積、企業価値の向上なども考慮しつつ、労使の相互信頼に基づいた配分決定がなされることが基本であるが、労働者は消費者として国内消費需要を支えるものであるため、労働者の暮らしの側面を圧迫することがないよう、生活にも配慮した分配の在り方について検討することも必要である。また、労働者は生活者として地域社会を担っていることに配慮し、企業の社会的な責任の一環として、長時間労働等により地域社会を支える労働者の地域活動などの生活面を阻害しないよう、労働者の活用の在り方を検討することが必要である。

なかなか慎重な言い回しではありますが、「生活にも配慮した分配の在り方」と云う言葉が入っております。

このあとは各論になります。

>1.雇用施策の基本的な方向性

① 今後生まれる子どもが、労働市場への参加が可能となるまで(2030年頃まで)における就業率の向上

② 雇用・生活の安定と職業キャリア形成による生産性の向上

③ 多様性を尊重する「仕事と生活の調和が可能な働き方」への見直し

2.今後重点的に展開していく具体的な施策の方向性

(1)誰もが意欲と能力に応じて働くことのできる社会の実現(就業率の向上)

① 若者の雇用・生活の安定と働く意欲・能力の向上

② 女性の意欲・能力を活かしたキャリアの継続と再就職・起業の実現

③ いくつになっても働ける社会の実現

④ 障害者等様々な事情・困難を克服し、就職を目指す人たちへの支援

⑤ 地域における雇用創出の推進

⑥ すべての人々の就業意欲を活かす労働力需給調整機能等の強化

(2)働く人すべての職業キャリア形成の促進(生産性の向上・競争力の確保)

① 職業キャリアを支援するインフラの充実

② 職業生涯を通じたキャリア支援

③ 競争力の向上を担う高度な人材の確保・育成

④ 専門的・技術的分野の外国人の就業促進と外国人の就業環境の改善

⑤ 中小企業や福祉・介護分野の人材確保対策

(3)仕事と生活の調和が可能な働き方ができる社会の実現

① 仕事と生活の調和の実現に向けた企業の取組の促進・支援と労働者に対する意識啓発

② 労働者が多様な働き方を主体的に選択できるような労働環境の整備

と、労働政策のメニューが並びます。

« 労働市場改革専門調査会議事録 | トップページ | ハケンの来歴 by 大月隆寛 »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 雇用政策研究会報告書案:

« 労働市場改革専門調査会議事録 | トップページ | ハケンの来歴 by 大月隆寛 »