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2007年12月14日 (金)

医師 増える過労死 「当直」違法状態

読売の記事。よくまとまっており、問題点を正確に摘示しています。

http://job.yomiuri.co.jp/news/jo_ne_07121303.cfm

>病院で勤務する医師の過労死や過労自殺が目立っている。過労死弁護団全国連絡会議によると、今年に入って、労災や損害賠償が認められたケースはすでに6人。背景には、長時間の時間外勤務に加え、当直勤務で仮眠もままならないという労働実態がある。「違法状態の勤務が黙認されている」として、見直しを求める動きも出始めた。(小林篤子)

当直の実態
 「宿直が月10回。過労が原因でうつ病になり、通院中」(40代の産婦人科医)、「月9回の宿直で、翌日もしばしば通常勤務。宿直手当も少ない」(20代の麻酔科医)――。過労死弁護団が先月実施した電話相談に、全国から66件(うち医師・看護師12件)の深刻な相談が寄せられた。

 勤務医の多くが最も負担に感じているのは、当直勤務だ。当直とは、夜間の宿直や休日の日直を指す。労働基準法などでは、「原則として診療を行わず、病室の定時巡回など軽度短時間の業務をする」ことを前提に、宿直は週1回、日直は月1回を限度に労働基準監督署が許可する仕組みになっており、許可を受けた病院は、時間外手当などの割増賃金の支払いが免除される。

 突発的に緊急の診療行為を行った時は、割増賃金を払わなければならない。救急医療が頻繁に行われるような場合は本来、「当直」として扱うべきではなく、交代制の導入などが求められることになる。

 実態はどうか。厚生労働省が2004年にまとめた、全国約600医療機関を対象に実施した当直勤務に関する指導監督結果によると、「緊急の診療に対して時間外手当が支払われていない」など、何らかの法違反があった医療機関は72%に上った。「夜間休日の業務負担が昼間と変わらないことが常態化している」「当直回数が基準を超えている」などの理由で、指導文書を受けた病院も41%。多くの病院で、入院患者の診察や処置、救急外来患者の対応により、医師が夜間や休日も頻繁に呼び出され、事実上の「サービス残業」になっている実態が浮き彫りになった形だ。だが、医師不足から根本的な改善策が見つけられないのが実情だ。

時間外手当訴訟
 こうした中、当直勤務の労働性を、正面から問う初の訴訟に、医療関係者の注目が集まっている。

 「当直の実態は終夜勤務だ。時間外労働として正当に評価してほしい」。県立奈良病院の産婦人科医2人は昨年12月、04、05年の2年分の未払い時間外手当などが2人で合計約9200万円に上るとして、病院側に支払いを求める訴訟を奈良地裁に起こした。

 原告代理人の藤本卓司弁護士によると、同病院では、医師の当直手当は1回2万円。救急患者が搬送された場合などに病院に呼び出される自宅待機(宅直)には手当が支払われない。医師2人は、当直が2年間で155日と158日、宅直が120日と126日に上っており、未払いになっている時間外手当などを計9233万円と算出した。

 「原告の希望は、手当支給より、労働環境が改善されること」と藤本弁護士は言う。判決は来夏にも出される見通しだが、訴えが認められれば、勤務医の労働条件に大きな一石を投じることになる。

見直しの動き
 病院側にも過重労働を見直す動きが出始めている。

 神戸市は今年4月、宿直勤務の翌日を原則休日とする制度の試行を始めた。翌日も勤務した場合は、時間外勤務として手当を支給する。宿直当日も、実働時間に応じて時間外勤務手当を支払うことにし、今年度予算に1億7400万円を計上した。ただ、医師を増員した訳ではないため、実際には翌日出勤率は90・8%(5月)と高いままだ。担当者は「待遇を改善して、何とか今いる医師に残ってもらいたいが、根本的には医師を増員しないと無理」と悩みを打ち明ける。

 神奈川県の藤沢市民病院は、2002年5月から小児科、昨年12月から救急部門で、「夜勤シフト制」を導入した。小児科では、医師13人のうち2人が夜間救急を担当。1日おきに夜の救急外来を診るため、17時間勤務した後は31時間休める。シフト制の導入に伴い、7人だった小児科医を倍増させた。このほか、近隣の開業医と協力し、当直勤務のローテーションに加わってもらうなどの工夫をする病院も出始めている。

労働環境見直せ
 ある大学の産婦人科医局では昨年、過労で30歳代の医師3人がうつ病を発症し、現場を去った。残された人の負担はさらに増え、中堅医師は、「『過労死だけは避けようね』と励まし合っているが、先が見えない」と嘆く。過労自殺した小児科医の妻で、東京地裁で今年3月に労災認定を勝ち取った中原のり子さんは、「医師が自分の健康も守れずに、どうして患者の健康を考えられるのか」と訴える。医療の質と安全のためにも、医師の労働環境を考え直さなければならない。

関連する条文を引用しておきます。

労働基準法

第四十一条  この章、第六章及び第六章の二で定める労働時間、休憩及び休日に関する規定は、次の各号の一に該当する労働者については適用しない。
 (略)
 (略)
 監視又は断続的労働に従事する者で、使用者が行政官庁の許可を受けたもの

労働基準法施行規則

第二十三条  使用者は、宿直又は日直の勤務で断続的な業務について、様式第十号によつて、所轄労働基準監督署長の許可を受けた場合は、これに従事する労働者を、法第三十二条の規定にかかわらず、使用することができる。

次は今年の4月に監督課がまとめた「医師の宿日直勤務と労働基準法」という資料です。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/04/s0425-6a.html

 概要
 宿日直勤務者については、労働基準監督署長の許可を得た場合には、労働基準法上の労働時間、休憩、休日に関する規定は適用が除外される。
 主な適用除外規定
(1)  労働時間(労働基準法第32条)
  1週40時間、1日8時間
  (時間外・休日労働を行う場合であっても36協定の締結・届出は不要)
(2)  休憩(労働基準法第34条)
  労働時間  6時間超→少なくとも45分
 8時間超→少なくとも1時間
(3)  休日(労働基準法第35条)
  1週1日又は4週4日
(4)  時間外・休日労働の割増賃金(労働基準法第37条)
  法定時間外労働   25%以上
  法定休日労働   35%以上

 一般的許可基準
(1)  勤務の態様
常態としてほとんど労働する必要のない勤務
原則として、通常の労働の継続は許可しない
(2)  宿日直手当
1日又は1回につき、宿日直勤務を行う者に支払われる賃金の1日平均額の1/3以上
(3)  宿日直の回数
宿直については週1回、日直については月1回を限度
(4)  その他
宿直については、相当の睡眠設備の設置

 医師、看護師等の宿直の許可基準(一般的基準の取扱い細目)
(1)  通常の勤務時間の拘束から完全に解放された後のものであること。
(2)  夜間に従事する業務は、一般の宿直業務以外に、病院の定時巡回、異常事態の報告、少数の要注意患者の定時検脈、検温等、特殊の措置を必要としない軽度の、又は短時間の業務に限ること。
(応急患者の診療又は入院、患者の死亡、出産等があり、昼間と同態様の労働に従事することが常態であるようなものは許可しない。)
(3)  夜間に十分睡眠がとりうること。
(4)  許可を得て宿直を行う場合に、(2)のカッコ内のような労働が稀にあっても許可を取り消さないが、その時間については労働基準法第33条、第36条による時間外労働の手続を行い、同法第37条の割増賃金を支払うこと。

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コメント

わかりやすい内容のブログありがとうございました。
病院管理者としても、医師の一人としても、大変重要な問題だと認識しています。
精力的に改善していかなければならないですね。

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