パートタイム公務員の不払い残業は差別!
欧州司法裁判所が12月6日に興味深い判決を下していました。
訴えていたのはドイツはベルリン州に勤務するパートタイム公務員(教員)のウルシュラ・ボスさん。州の公務員法では、公務の必要あるときは、例外的に、所定労働時間を超えて、報酬を受けることなく、勤務しなければなりません。要は、公務員はサービス残業せいということですが、それ自体はEU法上何の問題もありません。EU指令は物理的労働時間を規制しているだけですから。
ところが、これがパートタイム公務員にも適用されると問題が生じます。パートタイム公務員の所定労働時間を超えてはいるけれども、フルタイム公務員の所定労働時間内である時間の勤務については、フルタイム公務員はちゃんと支払われるけれども、パートタイム公務員の場合は支払われないと云うことになってしまうからです。
これは差別だ!
と、彼女は訴えたわけですね。パート差別であり、女性に対する間接差別だ、と。
その通りじゃ、と欧州司法裁判所は認めました。同じ時間について、一方には払って他方には払わないというのはいかん、と。
これは大変面白い。
このロジックを逆のシチュエーションに使うと、例えば、パートタイム労働者に対してはその所定労働時間を超えるところから割増賃金を支払うという制度は、このパート所定とフルタイム所定の間の時間については、フルタイムを差別していると云うことになるんではないでしょうか。
いろいろなケースが想定されて、しばらく楽しめそうです。
« 学界展望 | トップページ | 教員採用、社会人2割に・教育再生会議 »
コメント