ワーキングプア・ネットカフェ難民…貧困拡大 見えぬ実態
昨日の読売の記事です。この問題についてよくまとまっています。
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/kyousei/security/20071107-OYT8T00205.htm
>貧困対策が遅れている第一の理由は、貧困状態にある層を把握する手段がないことだ。欧米諸国では、独自の貧困基準を設けている。例えば、欧州連合(EU)は、その国の平均的な所得の60%以下を貧困ラインとして設定し、随時公表。貧困対策の基礎資料にしている。しかし、日本は明確な貧困基準が設定されていない。
駒村教授は「具体的なデータをもとに、人生のどの段階で貧困に陥りやすいのか、何が貧困の原因になるのかを調べ、対策を講じるべきだ」と話す。
貧困対策として我が国では生活保護制度があるが、その限界を指摘する声も根強い。生活保護は、働ける現役層への適用が厳しい。実際には、リストラなどで離職したり、転職を繰り返したりして、生活苦に陥るケースも少なくないが、働けることを理由に、生活保護が適用されないケースが目立つからだ。
省ごとの縦割り対策への批判も多い。例えば、福祉事務所とハローワークなどとの連携は十分ではなく、非効率だ。一体的な体制が整っていれば、生活保護の受給や職業紹介など、その人の状況に合わせた適切な支援が可能になる。
>貧困対策の最大の課題は、生活保護世帯の外側に存在する、保護ぎりぎりの層への支援が欠如していることだ。岩田正美・日本女子大教授(社会福祉学)は「貧困の背景には、本来の社会的なネットワークからはずれてしまう社会的な排除がある。目に見えない貧困層を支援するには、きめ細かい対策を講じ、排除防止を目指すべきだ」と論じる。
社会的排除とは、企業、学校、家族などとのつながりが薄く、社会から孤立しがちな状態を指し、欧州では貧困対策の根本問題として位置付けられている。日本で新たな貧困層としてクローズアップされている、ワーキングプアの若者の場合、低収入で、企業などの住宅補助もないため、アパートも借りられないケースも。社会保険にも未加入で、最悪の場合、医療機関での受診もできない。
最後のところでは、EUの社会的排除対策の動きを紹介しています。
この辺について、より詳しい話は、
http://homepage3.nifty.com/hamachan/exclusion.html
で書いております。
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