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2007年11月19日 (月)

最賃と家族の生計費

衆議院の議事録に11月2日の厚生労働委員会のがアップされていますが、その中で、民主党の最賃法改正案の「家族の生計費」について与党側から質問がされています。

http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm

>○井上(信)委員 ちょっと時間もございませんので、続きまして、最低賃金法の一部を改正する法案につきまして質問をさせていただきたいと思います。

 最近の我が国の働く人々を取り巻く状況を見ますと、パートタイム労働者、派遣労働者などを含めて、非正規雇用が増大する中で、就業形態の多様化が進展をしております。働き方のいかんにかかわらず、働く人々が安心、納得して働くことのできる環境づくりはますます重要だと考えております。

 格差社会ということが言われておりますけれども、ネットカフェ難民の増加など、働いても、自分の住む場所があるという普通の生活さえできない人々が生まれているというのは、我が国の大きな問題だと考えております。特に賃金は、労働条件の中でも最も基本的な事項であり、働く人々の安心、納得のためには、セーフティーネットとしての最低賃金制度は極めて重要なものと考えております。

 そのような経済環境のもと、最低賃金制度については、賃金の低廉な労働者の労働条件の下支えとして十全に機能するよう整備することが重要な課題となっております。このため、最低賃金制度について、社会経済情勢の変化に対応し、必要な見直しを行うということは大変重要なことだと思っております。ですから、政府と民主党がそれぞれ最低賃金法の一部を改正する法案を提出したということは、極めて意義のあることだと思っております。

 特に、政府案におきましては、第九条第三項で、「労働者の生計費を考慮するに当たつては、生活保護に係る施策との整合性に配慮するものとする。」としております。最低賃金が生活保護費よりも低いというのはおかしいと考えますし、働くよりも生活保護を受ける方がいいというモラルハザードを起こす危険もあり、早急に是正すべきであります。

 しかし、他方で、民主党案を見ますと、働く人たちにとりまして本当にためになる法案なのかにつきまして、強い疑念を感じるところであります。労働者の賃金など、条件のハードルを上げれば上げるほど企業は新規雇用を手控えること、想像にかたくありません。これが真に労働者にとりまして望ましい状況だとは到底考えられません。また、企業経営者の立場に立ってみましても、一段と厳しい経営環境で企業経営を強いられてしまい、それによって企業が倒産してしまったら働いている労働者は路頭に迷うことになり、元も子もない状況に陥ってしまいます。現在のグローバル経済の中でも日本企業の国際競争力もそがれることになってしまいます。

 そういう意味で、民主党案が本当に国民の利益になる法案なのかにつきまして大変疑念を感じますし、この法律案が実現可能だとは残念ながら到底考えることができません。

 そして、個別の論点でありますけれども、最低賃金の考慮要素として、民主党案によりますと第三条、労働者及びその家族の生計費のみが取り上げられております。なぜ家族の生計費まで基準としているのでしょうか。一体どんな家族を想定しているのか。家族の世帯構成というものは千差万別であって、一律に最低基準を設定することにはなじまないというふうに思います。仮に何らかのモデル世帯を想定して家族の生計費まで考慮した水準に最低賃金が決定された場合には、例えば家族のいない若者などの単身者に対する水準としては高くなり過ぎてしまいますけれども、その辺のところをどのように考えておられるのか。

 とにかく、労働者及びその家族の生計費のみを考慮要素として考えていることについて、御説明をいただきたいと思います。

細川議員 最低賃金のもとで働いても、手元に残る賃金がなぜ生活保護よりも低い現状にあるのか。なぜこれがこれまで放置されてきたのか。ワーキングプアといった深刻な社会問題が起こっているにもかかわらず、最低賃金が上がるのはこれまで一円とか二円の攻防が全国で繰り広げられてまいりました。私どもは、こういうところに素朴な疑問を感じているところでございます。

 現行の最低賃金法に基づいて決定される最低賃金額は、労働者の生計費に加え、類似の労働者の賃金、通常の事業の支払い能力も考慮するとされておりますが、これを考慮することによって、特に労働者の生計費の高い都市部におきましては、生計費を下回る最低賃金額の設定を許容するような、そういう状況にも至っておりまして、労働者の最低限度の生活水準を保障するものではないということは否定できないところでございます。これでは、労働者が結婚をして、子供を育てようとしても到底できるものではない

 そこで、民主党案では、最低賃金額の決定をする際の考慮基準として、労働者及びその家族の生計費というものを基本とすることといたしました。そこで、労働者が安心して結婚をし、子供を育てることができるということを前提といたしておりますので、労働者一人当たりに子供一人ということを想定いたしまして、このような家族の食料費、住居費、光熱水道費、被服費、保健医療費、交通・通信、教養娯楽、その他交際費等を合わせた結果、全国最低賃金は八百円、それから地域最低賃金は千円を目指すというような、そういう結論に至っているところでございます。

茂木委員長 独身者が高くなり過ぎちゃうんじゃないの

細川議員 独身者でも、その独身者が結婚をするということができないようでは、それはだめな社会じゃないでしょうか。やはり、独身者が働いて、その得た賃金で結婚する、そして将来は子供を産めるような、そんな賃金でないと、日本というのはかえっておかしい社会だというふうに思います

井上(信)委員 独身者の方々に子供を産んでもらうということは大変大切なことだと私も思っております。しかし、これは最低賃金の話でありますから、本当に最後のセーフティーネットだという最低賃金の趣旨を全く誤解していると言わざるを得ないと思います。・・・・・

実は大変本質的な議論をしているわけでありまして、年功制というのは、、まさに、独身者(であろうと思われる年代層)には独り分の安月給を払い、既婚者で子供を抱えている者(であろうと思われる年代層)には家族を養えるだけのけっこう高めの給料を払うという仕組みであったわけです。

その部分を、企業の賃金体系によって対応するのか、それとも公的な社会手当でもって対応するのか、という問題がこの裏側にあるわけですね。八代先生の調査会で喋った話ともつながってくるわけです。

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