労働契約法、改正最賃法成立
というわけで、守屋夫妻が逮捕された日に、ようやく標記法案が成立の運びになりました。
http://www.asahi.com/politics/update/1128/TKY200711280184.html
なったんですが、「改正最低賃金法が成立 ワーキングプア解消狙う」という見出しはいささか言い過ぎ。「労働者が健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう、生活保護に係る施策との整合性に配慮する」といっても、生活保護の方は家族がたくさんいれば増えていくし、いろいろと付加的な扶助も付くわけで、そこは交換の正義と配分の正義という「二つの正義」のぶつかるところなわけで。
この点について、昨日の連合総研20周年記念シンポジウムでは、2ラウンド目の発言のところで喋りました。雇用保険制度と最低賃金制度から生活保護制度の在り方について見直し論を提起するとともに、日本の社会保障システムにおいて今まで欠落していた領域である社会政策としての教育政策や住宅政策に触れてみたのです。パネリストに主に生活保障について論じる人がいなくなってしまったこともあって、私が労働方面から越境攻撃して論じてみたのですが、さていかがなものだったのでしょうか。
労働契約法については、「会社やりたい放題法案」などといういささかデマゴギー的な風説を流布する向きもあったようですが、まあ、確かに、現在の判例法理がどうなっているかということを抜きにして、言葉の表面だけ捉えたような議論を展開するとそういう風になってしまうわけですが、逆に、まさに現行判例法理の枠内から一歩も出ないものになってしまったところに問題点があるわけであって、この就業規則法制を集団的労使関係法の考え方の上に再構築していく作業こそがこれから求められているわけなんですけれどもね。
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