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2007年10月24日 (水)

マンション管理人の労働時間

さて、先週金曜日に、最高裁がマンション管理人の労働時間についての初めての判決を下していました。これはオークビルサービス大林ファシリティーズ事件(注)ですね。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20071019154143.pdf

>マンションの住み込み管理員が所定労働時間外に従事していた断続的な業務の開始時刻から終了時刻までの時間が,管理員室の隣の居室における不活動時間を含め,すべて労働基準法上の労働時間に当たるとされた事例

なんですが、具体的な判示は次のようになっています。

>前記事実関係等によれば,本件会社は,被上告人らに対し,所定労働時間外においても,管理員室の照明の点消灯,ごみ置場の扉の開閉,テナント部分の冷暖房装置の運転の開始及び停止等の断続的な業務に従事すべき旨を指示し,被上告人らは,上記指示に従い,各指示業務に従事していたというのである。また,本件会社は,被上告人らに対し,午前7時から午後10時まで管理員室の照明を点灯しておくよう指示していたところ,本件マニュアルには,被上告人らは,所定労働時間外においても,住民や外来者から宅配物の受渡し等の要望が出される都度,これに随時対応すべき旨が記載されていたというのであるから,午前7時から午後10時までの時間は,住民等が管理員による対応を期待し,被上告人らとしても,住民等からの要望に随時対応できるようにするため,事実上待機せざるを得ない状態に置かれていたものというべきである。さらに,本件会社は,被上告人らから管理日報等の提出を受けるなどして定期的に業務の報告を受け,適宜業務についての指示をしていたというのであるから,被上告人らが所定労働時間外においても住民等からの要望に対応していた事実を認識していたものといわざるを得ず,このことをも併せ考慮すると,住民等からの要望への対応について本件会社による黙示の指示があったものというべきである。
そうすると,平日の午前7時から午後10時までの時間(正午から午後1時までの休憩時間を除く。)については,被上告人らは,管理員室の隣の居室における不活動時間も含めて,本件会社の指揮命令下に置かれていたものであり,上記時間は,労基法上の労働時間に当たるというべきである。したがって,被上告人らが平日は午前7時から午前9時まで及び午後6時から午後10時まで時間外労働に従事した旨の原審の判断は,正当として是認することができる。

>また,前記事実関係等によれば,平日においては,後述する土曜日の場合とは異なり,1人体制で執務するようにとの本件会社からの指示はなく,実際にも,被上告人らは,所定労働時間外も含め,2人で指示業務に従事したというのである。そうすると,被上告人らが2人で時間外労働に従事した旨の原審の判断についても是認することができる。

夫婦住み込みのマンション管理人というビジネスモデルにかなりの影響を与える判決ではありましょう。

(注)原審のときの会社名で書いてしまいましたが、同社は2005年5月に東洋ビルサービスと合併して大林ファシリティーズに改名しておりました。

http://www.obayashi.co.jp/news/newsrelease/news200505/news20050512.html

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