幕下以下は労働者か?
労働法学会のあとの懇親会で力士の労働者性についてくっちゃべっているうちに気になったのが幕下以下の力士って法的に何なんだろうってこと。十両以上にならないと給料が出ないというのはよく知られていますが、そうすると幕下以下は労働者じゃないってことか。いわば研修生という扱い?
そこで、財団法人日本相撲協会寄付行為をひもといてみますと、
http://www.geocities.jp/mmts_sumo/kihu.htm
>第三十五条
>この法人には、力士をおく。 ・・・・・・力士は、有給とする。
おや、力士はみんな有給なんですか。
そこで、財団法人日本相撲協会寄付行為施行細則を見てみましょう。
http://www.geocities.jp/mmts_sumo/saisoku.htm
>第五十六条
>幕下以下の力士は、力士養成員とし、師匠である年寄が養成にあたるものとする。
>養成費は、当分次の通り支出する。(平成六年一月一日改正)
>力士養成員一人につき 一ヶ月 六五、〇〇〇円
「力士養成員」というのですから研修生というような位置づけなんでしょうね。給与については、
>第七十七条
>カ士の給与は、月給制とし、当分次の通り定める。(平成一一年度)
>区分 基 本 給 手当 計
>横綱 一、六二〇、〇〇〇 九八六、〇〇〇 二、七三七、〇〇〇
>大関 一、三五〇、〇〇〇 八一九、〇〇〇 二、二七八、〇〇〇
>三役 一、〇一〇、〇〇〇 五五四、〇〇〇 一、六四三、〇〇〇
>幕内 八二〇、〇〇〇 三八九、〇〇〇 一、二七〇、〇〇〇
>十枚目 六八〇、〇〇〇 二七七、〇〇〇 九五七、〇〇〇
>但し、各本場所の開催月より、各本場所の番附の階級により支給する。
と規定されていますので、幕下以下は有給ではないですね。十両までが労働者だということになりそうです。
ただし、
>第九十三条
>力士養成員には、本場所相撲の成績により、幕下以下奨励金を支給することができる。幕下以下奨励金の金額は、当分次表による。(昭和六十一年一月場所改正)
>区 分 幕 下 三 段 目 序二段以下
> 勝 星 二、五〇〇円 二、〇〇〇円 一、五〇〇円
> 勝越星 六、〇〇〇円 四、五〇〇円 三、五〇〇円
という規定があり、勝てば少額のお金は貰えるようですが、とても給与とは言えないでしょう。
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はじめまして
2ヶ月に1回「場所手当」という物が出ます。
序の口7万円、序二段8万円、三段目10万円、幕下15万円です。
ケガや病気などのため、初日から最終日(千秋楽)まで全日程にわたって休場した場所も全額もらえます。
毎日常に食べ放題の食事と、衣類のすべて(フォーマルな服も、普段着も、ジャージ類も、ねまきも、下着も、履き物もすべて)、住む場所、相撲に必要なさまざまな物、トレーニングに必要なさまざまな物、これらが完全無料支給されますので、
場所手当の方は、全額を自分の趣味につぎ込んだり、全額を親へ送金する事なども可能です。
ごはんを毎日、どんぶり20杯ぐらい食べる力士も普通にいますし(体重が少なすぎる力士はむしろそのくらい「食べなさい」と言われますし。)
他のおかずも食べ放題なので、それだけでかなりの金額がかかっています。
そのへんも含めて考えると、普通の若いサラリーマンより多くのお金がかかっています。
プロスポーツ選手なのに、幕内力士の100分の1以下の人気しかない、集客能力が極めて乏しい幕下以下の力士たちなので、現状はむしろ優遇しすぎと言えるかもしれません。
投稿: 相撲ファン | 2007年11月18日 (日) 10時01分