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2007年10月16日 (火)

医師の派遣緩和へ ときた

先月、このブログで

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/09/post_d627.html

>この通達の発出に合わせて労働者派遣法施行令を改正したという事実はないようです。

>この通達は労働者派遣法違反の行為をそそのかしていると理解するしかないのですが、そういうことなのでしょうか。

と疑問を呈しておいたのですが、今頃になって労働政策審議会の了解を得て改正するようです。朝日新聞によると、

http://www.asahi.com/life/update/1016/TKY200710160003.html

>厚生労働省は15日、医師の派遣規制を大幅に緩和し、都道府県が医師不足対策に必要と認めた病院への派遣を解禁する方針を決めた。医療関連の労働者派遣は原則禁止で、現在は他の病院に一時的に赴任する場合でも一度退職してから再就職する必要がある。規制緩和後は、公的な仲介があれば派遣を認め、医師不足の病院に赴任しやすい環境をつくる。同日の労働政策審議会の部会で了承された。年内にも実施する。

>労働者派遣制度は、建設、警備、港湾運送、医療関連の4業務で派遣を禁じている。医療関連は「派遣労働者を受けるとチーム医療に支障をきたす」との理由だ。

>しかし、医師不足が深刻なため、昨年4月、へき地の医療機関への派遣や、医師の産休や育休を埋める派遣を解禁した。だが、地方都市の拠点病院などでも医師不足に悩んでおり、さらに規制を緩和することにした。

んだそうですが、まさに、医師の労働は労働問題ではなくって医療問題だという医政局の発想にこそ諸悪の根源があり、それゆえ他の業務がドンドン規制緩和されていた中で敢えて医療関係だけ(それまで認められていたものも含めて)禁止しようとし、逆に他の業務で派遣の弊害がドンドン出てきて規制を強化しなくちゃいけないなという話になりつつある中で規制を緩和するというトンチンカンな動きを生み出してくるわけです。

まあ、職業安定局は医政局に振り回されるだけで何の主体性も発揮できていないようですし、おかしな制度設計を一度してしまうとなかなかその罠から抜け出しにくくなるということでしょうか。

記事によると、

>規制緩和後は、医師派遣の可否は、医療関係者や自治体首長らでつくる各都道府県の医療対策協議会が判断する。厚労省が6月に始めた緊急医師派遣システムにより、国の仲介で医師が赴任する場合も、都道府県の承認を得て派遣の形で赴任することが可能になる。ただし派遣元は医療機関に限定し、人材派遣会社の参入は認めない方針だ。

そうですが、その理由はどう説明するのでしょうか。港湾運送は派遣事業が一般的に禁止され、港湾運送事業者のみが常用労働者を派遣し合うことを認めていて、今回の制度と一見似ていますが、そうなるに至った理由は以前にこのブログでも書いたようなこの業界をめぐるいささか特別な経緯があるわけで、まさかお医者さんの世界も同じだなんて訳じゃないですよね。

実をいうと、この記事の最後にも書いてあるように、

>これまでは大学医学部が医師派遣機能を担ってきたが、大学病院が医師不足になり、地域の病院から医師を引き揚げる動きが相次いでいる。厚労省は来年度から、国や都道府県の仲介で派遣に応じた病院に補助金も出す方針で、医師派遣の仲介機能を都道府県が担えるよう、制度と補助金の両面で誘導していく。

という事情があるわけです。この大学医局のやっていた事実上の派遣行為は、厳格に解釈すると限りなく労働者供給事業に近い実態であったわけですが(だって、医局のボス教授は、若い医師たちに対してまさに「実力的な支配関係」を振るっていたんでしょうから)、そこは無料の職業紹介であるという理解のもとでやってきたわけですが、まあ一部に弊害もあったようですが概ね医師の適正配置に貢献してきていたと言えるのでしょう。

それがうまくいかなくなってきて、それに代わるべき労働力再配分システムが必要になってきたというのが大きな状況なのだとすれば、やはり抜本的に制度の在り方を考え直すべき時期ではないかと思われます。

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