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2007年10月28日 (日)

職工事情の紹介

私は労働法政策の授業では最初に『職工事情』全3冊を持って行って、こういう状況の中から労働政策というのは生み出されてきたのだよ、と説明するんですが、まあ、じゃあ全部読んでみようかという人はそういません。ていうか、そんな悠長なことしてる暇ありませんよね。

たまたま、うえしんさんの「考えるための書評集」というブログで、最近この本が取り上げられていたので、ちょうど手頃な長さの解説でもあり、リンクを張っておきます。

http://ueshin.blog60.fc2.com/blog-entry-866.html

http://ueshin.blog60.fc2.com/blog-entry-868.html

http://ueshin.blog60.fc2.com/blog-entry-873.html

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コメント

「考えるための書評集」のうえしんです。
リンクありがとうございます。

この『職工事情』は三分冊あり、学生の方はそう読みたいと思いたくなる本ではありませんね(笑)。

でも学生の方は職業社会のことを実地にほとんど知らないから、職業のことを知っておくうえで貴重な参考資料になると思うんですが、なにぶん明治のころの文章ですから、古文みたいに読みにくい。

まあ、とりあえずは下巻だけをぱらっと読んでみるのをおすすめします。下巻では新聞を騒がせた工女虐待や逃走の事件がリアルに語られています。早朝から夜遅くまでの――寝ている時間以外の長時間の労働酷使についても語られています。このような無法地帯を規制するために法律や人権は介入する必要があったのですね。

学生の時には職業社会のことをほとんど知りえないわけですから、フリーターやニートになる前にこの社会とはどのようなものであるのか知っておくうえでこの本は読んでおいたほうがいいのではないかと思いますが、長いし、文章も古い。

でも学生を終了して世の中がわからず漂い始めた私としては、このような職業本は読んでおけばよかったと思うのもたしかです。学生の方は『カラマーゾフの兄弟』に挑戦するようなつもりで(もっと役に立つと思いますが)、読んでみてはいかがでしょうか(笑)。

今の学生にとって少しでも取っつきやすいとなると、うえしんさんが少し前にご紹介されていた『日本残酷物語』

http://ueshin.blog60.fc2.com/blog-entry-842.html

あたりが面白いかも知れませんね。

なんにせよ、昔(高度成長期くらいまで)はけっこうこういう労働の実態本が出ていたように思いますが、その後は細々という感じです。皮肉な話ですが、社会の平等化が一定程度達成されたため、そういう問題への関心が急激に下がってしまい、感度が失われてしまったようです。諸悪の根源は役人で、市場原理に任せれば労働者は幸福になるはずだという空気が瀰漫して、労働規制などというのは時代遅れの馬鹿げたものだと、労働者自身が思わせられるようになったということでしょう。「聖域なき構造改革」への熱狂騒ぎの下部構造は、悲惨な過去の上に成り立つ労働者の既得権をその子供たちが破壊しようとするアイロニーなんでしょうね。ここ数年でワーキングプアの実態ということで一気に空気が変わったようですが。

この3冊は以前から気になっているのですが、なかなか着手できないところ、手ごろな長さの解説でありがたく読ませていただきました。

ただし、サラリーマン生活20年超、転職経験なし、現在、人事部の管理職という立場から一言、「この本だけ読んで、“職業社会の実地は酷いところ”という直線的な思考に陥らないでね」とは申し上げたい。
読書で学んで頂きたいのは(特に学生さん)、「多様性」ということでして、「労働」といっても、古代の「奴隷制」に原点を見出すこともできれば、他方で「働くことによる自己実現」といった捉え方もあり、一つの見方に凝り固まると、かえって「物事の本質を見失いがち」ということは是非お伝えしたいところです。
こんな大作を読み通しちゃうようなまじめな若者だと、純粋であるがゆえに、ついついモノローグ的な思考に入ってしまうのを懸念しています。
もちろん、いわずもがな、資本主義の暴力的側面を隠蔽するつもりはありませんので。

派遣の待遇(時給など)がいいと誤解する人は少ない訳で…
時間的拘束は少ないと思うけど。そうでない場合は、問題?

>この本だけ読んで、“職業社会の実地は酷いところ”という直線的な思考に陥らないでね

それはもちろんそうでしょう。
そもそも労働契約は、一方では古代ローマの奴隷制から発生した労働の賃貸借契約に由来し、他方ではゲルマンの主君の家臣の間の忠勤契約に由来するわけで、欧米でも日本でも両方の側面があります。

ただ、明治時代のような急激な改革期には、労働の賃貸借という側面が強く出て、そのため情報の非対称を悪用して搾取するという現象が多発します。現代はその意味で明治期に似ている面があり、その時代の状況を知ることはいろいろと参考になるということではないでしょうか。

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