集団カルト経済学
はてぶでこのブログの評判を見ていたら、右欄にAdd by google。 そこに「格差社会で日本は勝つ」とかいう本が出てくるのでクリックしてみたら、こんなサイトに飛ばされました。
http://www.irhpress.co.jp/detail/html/P0165.html
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鈴木真実哉
2007-03-30発行
ISBN9784-87688-571-8
定価 1,575円(税込)
「格差社会」は悪ではない。むしろ、今後、日本が繁栄していくためには「努力が報われる社会」としての格差社会を肯定すべきだ―。
「金持ち=ズル」「大企業=悪」「地価上昇=バブル」という社会主義の呪縛から、日本人を解き放ち、真の経済大国へと導く注目の書。
まえがき 1
第一章 格差社会は本当に悪なのか 13
───今こそ「社会主義の呪縛」を解け!
・ 戦後、日本は社会主義だった
・ マルクスの思想は経済学じゃなかった!?
・ 「不労所得は悪」という人は「分け前を俺にもよこせ」と言っているだけ
・ 「大企業は悪」と言ってもあなたの会社は大きくならない
・ ビル・ゲイツを否定する者はビル・ゲイツになれない
・ 今こそ学ぶべき精神1~本多静六
・ 今こそ学ぶべき精神2~二宮尊徳
・ 今こそ学ぶべき精神3~上杉鷹山
・ 「勝ち組」が自分の成功を堂々と語れない理由
・ 働かざる者の富が文化を創る
・ 社会主義は「俺の買えないものをおまえが買うのは許さん」という思想
・ 「他人のせい」にする考え方にイノベーションを
第二章 貧困の克服は国家の役割なのか 53
───企業家こそが世界を救う
・ 元々哲学の一部だった経済学
・ 「利益を求める」のではなく「幸福を求める」のが経済学の前提
・ 「労働価値説」は、本来「金銀価値説」への打ち返しとして生まれた
・ 「結果主義の経済学」から「動機とプロセスの経済学」へ
・ マルクス最大のミスは企業者能力を見落としたこと
・ 欲求は無限なのに資源は有限。だから経済学は生まれた
・ 世の中に正義を実現することも経済学の目的
・ 貧困の克服は国家でなくてもできる
・ お金持ちの騎士道精神が弱者を救う
・ 騎士道精神は格差社会から生まれる
・ 格差社会を乗り切るための「少欲知足」と「自助努力の精神」
第三章 いつまでデフレ問題で騒ぐのか 93
───間違いだらけの経済学
・ 「預金量日本一」を誇った銀行は「借金日本一」と言っていただけ
・ 日本の銀行の資金運用能力は江戸時代レベルだった?
・ 銀行の担保主義は江戸時代の高利貸しもビックリの裏技
・ 冷戦終結で人類史上初めて地球は一つの市場になった
・ デフレは津波。高台に登るしかない
・ 日本の金利は低すぎて、もはやナノテクノロジー
・ 黒船襲来で日本の銀行は甦る
・ デフレではヒット商品の賞味期限が短くなる
・ プリウスは発売の三〇年前から開発に着手していた
・ デフレは不況どころか、むしろ経済の大発展をもたらす
・ グレート・デプレッションがもたらした今日の「組織社会」
・ 今起きている変化が次の一〇〇年の人類の生活様式となる
第四章 経済学は本当に役に立っているのか 135
───教科書では教えない経済史
・ 人類はどうやって世界を知ったのか
・ 経済発展をもたらした世界三大事件
・ 産業革命の真の意義は「技術革新」ではなく「知識革命」だった
・ 教育の差が格差を生んでいる原因
・ 五〇年間先進国のメンバーは不変。一度ついた教育の差は取り戻せない
・ 経済学は人々を豊かにしてきたか
・ アダム・スミス~自由と分業の理論は神の御心にかなっていた
・ リカード~保護貿易では豊かになれないことを証明した
・ 限界革命~「価値は日々変化する」と言って経済学に革命を起こした
・ マーシャル理論~今や空気のように当たり前になった
・ ケインズ~深刻な失業問題を解決して二〇世紀経済学の主流となった
・ ハイエク~自由と自助努力の精神こそ不況克服のカギ
・ シュンペーター~企業家の輩出こそ豊かさをもたらす
・ 貧乏人の考えた経済学は使えないが、金持ちの考えた経済学はやっぱり効く?
第五章 日本は世界一の経済大国になれるのか 187
───すべては「教育」から始まる
・ 企業家を生み出すことこそ教育の目的
・ 自由放任でも教育がしっかりしていれば秩序と発展がもたらされる
・ 保護は自由の敵~檻の中で餌をもらう猿は幸福か
・ 政府の規制は官僚の自己満足以外の何ものでもない
・ リスクがあるからこそ人生は幸福になる
・ 「世間の常識」という見えない束縛からも自由になる
・ 社会主義は「プールで浮き輪」の楽しさ、自由主義は「自力で力強く泳ぐ」喜び
・ 自助努力の精神と騎士道精神で貧困は克服できる
・ 「捨てる」「残す」「創る」~未来志向で現状打破するための三つの方法
・ 日本が世界一の経済大国になる三つの条件~使命感と責任感と愛国心
あとがき
イナゴさんが涙を流して喜びそうなこの本、出版元は、
だそうです。
(追記)
この鈴木真実哉さんという経済学者は、この宗教団体と大変お付き合いが深いようですね。
http://www.irhpress.co.jp/article/cgi-bin/list.cgi
まあ、経済学者にも思想信条の自由はありますから、それ自体がどうこうということはありませんが、この団体とネオリベさんとは肌合いが合うという面はあるのでしょうね。なにしろ、福井秀夫先生も登場しています。
http://www.irhpress.co.jp/detail/html/N0143.html
本の中味を説明している鈴木さんのインタビューがここにあります。なかなか飛ばしていて凄いです。
http://www.irhpress.co.jp/interview/index.shtml
(再追記)
はてブで、kechackさんが、
>カルトとネオリベの近似性。そういえばオウムが作った真理党の政策もバリバリのネオリベラリズムだったことを覚えている人はいるか?
http://b.hatena.ne.jp/entry/http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/10/post_8643.html
というコメントをつけています。
いや、実は私も覚えていませんでした。
ガネーシャでしたっけ、ぞうさんのぬいぐるみをきて踊っている姿とか、麻原尊師のむくつけき顔写真のお面をつけて踊っている姿とか、ショコ、ショコ、ショコショコショコというあの歌声の印象が強すぎて、残念ながら真理党の政策は全然記憶に残っていません。
« 労災保険審査会もいじめ自殺を労災認定 | トップページ | EU労働法グリーンペーパー協議結果 »
>この団体とネオリベさんとは肌合いが合うという面はあるのでしょうね
滅茶苦茶ないいがかりですね。なぜこのようなことを発言できるのか理解に苦しみます。
投稿: hamanako | 2007年10月27日 (土) 01時58分
こんにちは
いなごはもったいないと思います。
いなごではなく「うんか・浮塵子・白蝋虫」だと思います。
投稿: 地方に住む人 | 2007年10月27日 (土) 06時37分
死ねばいいのに
投稿: | 2008年10月22日 (水) 19時52分
そう言えば、福井秀夫も「ザ・リバティ」に「『保護』はかえって格差を拡大させる」ってのを寄稿してますね。
http://www.the-liberty.com/backnumber/2009/contents0904.html">http://www.the-liberty.com/backnumber/2009/contents0904.html
で、同じ号には「『30兆円』の銀行紙幣を発行せよ」という大川総裁の主張が。その中ではケインズ経済学の誤り云々って言ってる様で、どうやら教義としてネオリベ礼賛の様です。にしても、そもそも宗教ってネオリベの様な何でもありの弱肉強食を批判する筈なのでは・・・・・
投稿: 杉山真大 | 2009年5月 5日 (火) 03時18分
まあ、福井氏がどういう宗教団体とつきあおうと、それは自己責任ですから、それでいいのですが、「ああ、あの幸福の科学の機関誌に出てた人ね」といわれるリスクはちゃんと計算された上のことだとは思うのですがね。
それより、30兆円の銀行紙幣を発行せよというのは、私にはどうみてもケインジアン的思想に見えるのですが、それと「ケインズ経済学の誤り云々」とが、脳みその中でどうつながっているのかがよく理解しがたいところではあります。まあ、理解してどうなるものではないし、それを理解するためにわざわざ「ザ・リバティ」を購読しようとも思いませんけど。
まあ、あえて勘ぐると、こないだ風呂屋で「埋蔵金」をくすねようとして捕まった脱藩官僚氏が、一方で金融ケインジアン的リフレ政策をとなえ、他方でネオリベ全開のコーゾーカイカク主義を唱えているのを見て、リフレ政策こそコーゾーカイカクの精髄と思ったんじゃないかと推察されますが。
まあ、それが「一般大衆」の感覚なんでしょうね。
投稿: hamachan | 2009年5月 5日 (火) 16時54分