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2007年10月13日 (土)

連合定期大会における高木会長挨拶

ということで、昨日と今日の連合定期大会の速報が連合のHPに載っています。

http://www.jtuc-rengo.or.jp/news/rengonews/2007/20071013_1192202462.html

高木会長の挨拶から、非正規雇用の所を引用しておきましょう。

>第2点目は、非正規雇用労働者の問題についてです。
非正規雇用労働者の正規雇用化や働き方のルールの適正化、非組合員とりわけ非正規雇用労働者の利益も踏まえて公正に交渉するという公正代表義務に配意した処遇改善にも力を尽くさなければなりません。非正規雇用労働者の現状の改善に対する感度が鈍いと批判されている連合運動のかなえの軽重が問われていると思います。
 連合は、第10期の運動方針を策定するにあたり、真正面から非正規雇用労働者の問題に取り組むため、非正規雇用問題を一元的に取り扱う「非正規労働センター」を設置するとの方針を提案させて頂くことになりました。ここでは、「非正規労働センター」の設立の考え方と、非正規雇用労働者の問題に取り組む基本的なスタンスについて訴えたいと思います。
  1,700万人を超える人達が、パートタイマーや派遣、請負等の雇用形態で働き、その多くが総じて低所得という状況は、格差社会への懸念を強める最大の要因であり、安全、安心、信頼の日本へ回帰させていくという点でも放置できないレベルに達しています。
 この非正規雇用労働者の問題を、これからの連合運動の柱の一つにすえ、状況の改善のため国民的な視野の拡がりを求めながら全力を尽くしたいと考えています。具体的に取り組まなければならないテーマは、まさに多様多岐にわたると思いますが、構成組織、地方連合会、地協の皆さんのタテ・ヨコの連携を強化し、組織外のNPO等の皆さんとも連帯のネットワークを形成していけば、相応の成果あげていけると思います。試行錯誤もあると思いますが、強い意思があれば道は必ず開けるという気概のもと本大会後に本部に「非正規労働センター」を設け、その活動の第一歩を踏み出していきたいと思います。構成組織、地方連合会、地協の皆さん、どうぞご理解、ご協力の程よろしくお願い申し上げます。

例の規制改革会議の福井先生の作文に対する批判はなかなか激越です。

>「労働ビッグバン」と称して働き方のルール等について一層の規制緩和を求める動きがあります。本年3月、規制改革会議の再チャレンジワーキンググループ労働タスクフォースが中間報告で、解雇に関する判例を否定したり、非正規雇用に関するルールの一層の緩和を求めたりしています。
 この中間報告の内容は、私たちの感覚からすれば、とても容認できるのもではなく、ひどいの一言に尽きると思います。労働は生身の人間の営みであり、人間としての尊厳、労働の尊厳を求めて先人が積み重ねてきた労働ルール形成の歴史、そして現在グローバル化が進展する中で、世界中で働き方が劣化し、ディーセントワークが求められている状況などを想起し、この市場原理主義的な「労働ビッグバン」の流れを粉砕しなければなりません。

「労働ビッグバン」は八代尚宏先生の登録商標で、福井秀夫先生は「脱格差と活力」(二つ合わせて「脱力」ですが)が看板ですので、お買い求めの際お間違えの無いようお願い申し上げます。

国会に係っている労働3法案については、

>第5点目として、労働三法案への対応について触れておきたいと思います。
 最低賃金法改正法案、労働契約法案、労働基準法改正法案、いわゆる労働三法案は、先の通常国会に提案されましたが、いずれも衆議院における継続審議の状態にあり、今臨時国会における審議を待っています。
 私共連合としては、この三法案に関する今国会における論議について、次のように考えています。最賃法改正案については、政府案と民主党案の調整のうえ一部修正して早期に成立を期す、労働契約法案についても民主党案と政府案の調整協議を経て、政府案に加筆・修正を加え、出来れば成立をはかる、時間外・休日割増率に関する労働基準法改正案は、その内容に時間外労働が月間80時間以上に達したらそれから上の割増率は50%以上とするなどグロテスクな面もありますが、最賃法等の修正の動向も見守りながら対処していきたいと思っています。この様な考え方を民主党にも伝え、政府・与党との協議を行ってもらうようお願いしているところです。

ふむふむ、労働契約法は「民主党案と政府案の調整協議を経て、政府案に加筆・修正を加え、出来れば成立をはかる」ですか。結構いいところにボールを投げていますね。

社会保障のところで、

>年金制度についても、年金記録の問題の着実かつ的確な処理が求められていますし、基礎年金の全額税方式への移行による国民年金制度の立て直しやパート労働者など非正規雇用労働者への厚生年金の完全適用なども早期に実現していく必要があります。

おっと、連合はいつから基礎年金部分に使用者負担はいらないという立場になったんでしたっけ。

最後のところで末法思想が飛び出してきています。

>結びとして、抽象論になりますが、日本の社会の在り方に関する私の危機感とその打開のための方向性といった趣についてお話しさせて頂き、第10回定期大会の冒頭の挨拶を終わらせて頂きたいと思います。
 仏教には末法思想があり、今私たちは末法の時代に生きていると言われています。特に昨今の日本は、想像を絶する凶悪犯罪や自殺件数の高止まり、家族やコミュニティーの崩壊、学級崩壊、企業の不祥事、政治家や公務員の関与する談合など劣化する日本社会という危機的な状況が蔓延し、公正、公平、社会正義、連帯、絆、友愛といった良き社会倫理を形成してきた価値観の後退を嘆く声が日本中に満ち満ちている、といっても過言ではない末法期的な状況にあると思います。
 「性善説」の後退と「性悪説」的ビヘイビアーの増加、市場原理主義、利益至上主義、過度な規制緩和と事前規制から事後チェック社会への転換、非正規雇用の急増とワーキングプアの輩出、儲かる企業と残業でヘトヘトの労働者、等々こんな状況や風潮がこれ以上拡がって良いのかという思いが募ってなりません。
 徒らに悲観的な心情に陥って良いとは思っていませんが、性善なる人間同志が、社会的な絆に思いを致し、公正、公平、社会正義の貫徹を求め合う、そんな日本を作るため、私たち労働組合が何か出来ないか、皆さんと共に考えていきたいと思います。
 私たちは企業や組織のステークホルダーの立場にあります。企業の社会性が問われている今日、企業のガバナンスにも影響力を行使し、国民から批判の目で見られている企業や組織の社会的存在としての責任や道義の高揚を通じて、劣化する日本への流れをくい止めるために何かできないか、こんな事を考えることの多い昨今です。

ちょっと、梅原猛してませんか、という感じですが、気持ちは良く伝わってきます。

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