EUブルーカード指令案
一昨日の10月23日、欧州委員会は移民に関する二つの指令案を提案しました。その一つが高資格移民の受入れに関する指令案、通称ブルーカード指令案です。
EUの移民政策というと、周辺国からの低技能者の流入をいかに阻止するかというのが中心的な課題であったわけですが、一方で高い技能を有する移民をいかに惹き付けるかという課題も重要なものになってきました。
対象となるのは最低賃金の3倍の報酬を雇用契約で明記した第三国民です。彼らについてはファストトラックの手続がとられ、特別の居住・労働許可が出されるということです。当初は2年間1カ国における許可ですが、その後同等以上の賃金の就労先を見つけたらそっちに移って良いとされています。
保守系も社会民主系も概ねこの提案を歓迎しているようです。低技能はいらんけど高技能は欲しいというのは、まあ究極の先進国エゴとも言えますがね。
http://www.euractiv.com/en/migration+mobility/blue-card-proposal-unanimously-welcomed/article-167869
こちらは欧州労連の反応ですが、
>the ETUC has doubts about splitting off ‘those we want’ and ‘those we do not want’, which can in practice be difficult to define.
「あの子が欲しい」「あの子じゃ判らん」「この子が欲しい」「この子じゃ判らん」
まあ、だから最低賃金の3倍というところで線を引こうというわけなんでしょう。
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