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2007年9月29日 (土)

バイク便ライダーは労働者!

阿部真大さんの本で有名になったバイク便ライダーですが、厚生労働省が原則として労働者に該当するという通達を出したそうです。

http://www.asahi.com/life/update/0928/TKY200709280320.html

>バイク便会社と個人で請負契約を結んで働くバイク便ドライバーについて、厚生労働省は28日、一定の条件のもとに労働者と認める通達を全国の労働局に出した。バイク便ドライバーは労働者ではないとして労災保険が適用されない事例が相次いでいたが、労働者なら労働法令が適用され、労災保険や雇用保険の対象にもなる。厚労省はバイク便会社にも、条件を満たすドライバーに労災保険などを適用するよう指導していく。

>常に交通事故の危険にさらされるバイク便ドライバーが、仕事でけがをしても労災が出ないのは問題だとして、連合東京が厚労省に労働者かどうかの判断を求めていた。

>厚労省は、バイク便ドライバーの実態を調査。(1)時間・場所を拘束され、仕事の依頼を拒否できない(2)仕事のやり方の指揮命令を受ける(3)勤務場所や時間を出勤簿で管理されている(4)仕事を他の人に委託できない――などの条件に当てはまれば労働者とみなすべきだと判断した。

>個人請負の問題に詳しい鎌田耕一・東洋大教授によると、90年代から、企業が社会保険料の負担などをきらい、労働契約を請負や委託に切り替える例が目立ち始めたという。「実態は労働者と同様で『偽装雇用』と言わざるを得ないケースも多く、きちんと労働法を適用する必要がある」と鎌田教授は話している。

バイク便ライダーと同様の就労形態にある自転車便のいわゆるメッセンジャーも同様の扱いでしょう。

メッセンジャーについては、JILPT研究員の内藤忍さんが大学院生時代の自分の経験を踏まえてこういうエッセイを書かれています。これは以前このブログで取り上げました。

http://www.jil.go.jp/column/bn/colum079.htm

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/07/post_6ae7.html

>メッセンジャーは、まず、本社のセンターから携帯電話で配送の仕事を指示される。事実上、彼らに諾否の自由はない。勤務時間は指定されており、営業所における朝礼が日課となっている。業務で使用する携帯電話は指定会社のものを使用しなければならず、最初に業務に就くときは、数日間の研修を受けなければならない。そして、本人に代わり他人が労務を提供することは契約で禁止されている。欠勤や遅刻をすればその日数に応じて歩合率が下がる。また、本人たちが手にする平均的な歩合報酬は、必要経費を引けば、時間単価で一般のアルバイトの時給と大して変わらないうえ、他社の業務に従事することは事実上困難である。さらに、服装や髪型などに関する細かい服務規程が存在する

のに「個人事業主」ですというのはいかにも無理がありましょう。

.

これに対して、ここには出てきませんが、新聞紙上では、蛇の目工業の委託契約販売員を雇用保険に加入させる決定をしたという話も出ていて、こちらは「毎日の朝礼にも参加し」とは書いてありますが、就労の実情は必ずしもよく分かりません。こちらは「労働者」と認めるのが適当なのか、自営業者だが一定の保護が必要と考えるべきなのか、難しいケースなのではないかという気がします。

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