リフレ出版のメイ著
夏休みの課題図書が分厚くて難しい本ばっかりという苦情もあるようなので、疲れた頭を癒すのに絶好の本を紹介します。
http://bookweb.kinokuniya.co.jp/htm/486223058X.html
発行所は東京図書出版会というところですが、発売元がリフレ出版というところで思わず失笑ですが・・・。
たまたま手に取ったのですが、はしがきを読んでひっくり返りました。こうです。
>この本は主に日本語と英語、ドイツ語、ロシア語の中に見られる、同一語源と思われる言葉を、比較して並べてみたものです。
>日本語は孤立語だとする学者もかなりいるようです。しかし、この本を読んでいただければ日本語は決して孤立語ではないことをおわかり頂けるものと思います。私が調べたのは英語、ドイツ語、ロシア語の3語族だけであり、しかもいまだに不十分です。
>・・・しかしそれはあまりにも偏った考え方なのです。私は自由にヨーロッパの言葉を勉強するうちに、日本語族がいかにヨーロッパに広く言葉の源を残してきた人たちであるかに気がついたのです。その事情はこの本をお読みいただければご理解いただけると思っております。
どういうレベルの言語学かというとですな、たとえば、
日本語 メシ 飯
英語 mess 食事、おかゆなど
ドイツ語 Meβ 会食
ロシア語 месиво ごっちゃまぜの食べ物、あまりうまくない食べ物
とか、
日本語 タベル 食べる
ドイツ語 tafeln 食べる
ロシア語 табльлот 定食
スペイン語 taberna 食堂
とか、
日本語 イヒ 飯
英語 eat 食べる
ドイツ語 essen 食べる
ロシア語 есть 食べる
てなぐあいです。
ここまでくると、清水義範氏の『蕎麦ときしめん』に収録されたあの稀代の名作「序文」を想起される方も多いのではないでしょうか。
http://www.eng.ritsumei.ac.jp/asao/penpen/bookreview/soba.html
あとがきに、三浦氏がなぜこんな研究に志したのかについて、少年時代の思い出が書かれています。
>小学1年生の3学期には和英辞典でローマ字を覚えました。そして歩くという言葉を調べてみたらwalkであり、私はこれをウアルクと読み、火のことはフィアー(fire)と読みました。中国語の火のホァという言葉とも似ているので、これらの言葉から、昔の人たちは皆どこかでつながっていたのではないかと考えました。
疲れた頭がますます発酵してしまったって?それはごめんなさい。
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