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2007年7月 6日 (金)

ニートの実態と支援策

厚労省の社経生への委託による「ニートの状態にある若年者の実態及び支援策に関する調査研究」が公表されています。座長は宮本みち子さんです。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/06/h0628-1a.html

それによれば、ニート状態にある若者の特徴として、

>出身家庭は非常に幅広く、あらゆる経済状況の出身者がいる

>中退者、長期欠席経験者、不登校経験など、学校教育段階で躓きを経験している者が多い

>多くが何らかの職業経験を持っているが、熟練を要しない仕事の経験者が多い

>学校でのいじめ、ひきこもり、精神科・心療内科の受診経験のある者が約半数

>対面コミュニケーションの苦手意識が目立つ。コミュニケーションの苦手意識が不登校、いじめ、ひきこもり、職場の人間関係のトラブルといったネガティブな体験につながり、苦手意識がさらに増幅されて就労が困難な状況に追い込まれたケースが多いと思われる。

>ニート状態にあることが精神的な負担になっている

>新入社員との比較においてニートの状態にある若者の意識面の特性は、「将来に希望がもてない」「対人関係の苦手意識」「仕事に多くを期待しない」ことに要約される。

が挙げられています。また、脱ニート者へのヒアリング結果として、

>脱ニート者に共通する人格的印象として、人や活動に対する「受動性」が挙げられる。具体的には、ものごとに対しての積極性のなさ、人の意見に身を任せるという点である。そうした受動性が、行動面において「特にやることがないから」家にいたり、「何をしたいとかがないから」就職する意欲がないというような行動として表出されている、と思われる。

>ヒアリングを行った事例に共通して、全般的に「生きていく」という意味での基本的欲求が希薄であるという印象を受けた。具体的には、自分の得た収入の使用目的を問われた際に、「特に買いたい物がない、取りあえず貯金する」と回答したり、これからの人生設計を問われた際も「今はさきのことを考えていない」と言うように、この年代の若者に見られるようなモノヘの欲求とか、将来への希望(野望)とかが希薄な点である。

>被調査者らの臨床的印象やニートの状態に至った経緯に対する‘見立て’として、面接者らが共通して挙げていたのが、「希薄な対人関係」である。彼らの示すこうした対人関係の特徴はこれまでも指摘されてきているところであるが、前述の受動性や基本的欲求の低さということにもつながる可能性がある。

>対人関係の希薄さの背景要因として彼ら自身の人との関係作りの弱さ、ネットワークの狭さが共通して見られた。それは、未就労期以前の交友関係のみならず塾生同士の交流の乏しさにも反映されている。仮にあっても、それをお互いに継続しようとする意欲がないため、場が異なってしまうと簡単に断絶してしまっている事例が少なくない。

つまり、意欲がない、野望がない、人とのつながりがない・・・ということですね。

ニート支援機関については、

>高度な心理技術というよりはむしろ、“親や友人ではない新しい他の人間”に認められ、温かみを感じるというごく素朴な地点が重要である。

>「乗り気でなかった」若者も自立塾での経験が肯定的なものに変わる

と肯定的な評価ですが、

>社会的認知を広める活動を実施するも個々の機関のみの努力には限界がある

とも指摘しています。

結論としていくつかの課題を挙げていますが、特に重要なのは「長期的展望に立った「ニート」を生まないための取組」というところでしょう。

>対人関係が苦手で学力の上でも苦手意識をもっている若者に対して、学校教育段階で「やれること」を発見する支援や、より具体性のある実学志向の教育を受ける機会ハンディを補うことを重視した教育・訓練が求められる。

>何らかの精神的問題や発達的問題を抱える若者に対する支援方法を開発するとともに、就労と福祉をセットにした支援の方法を見出していく必要がある。

>コミュニケーションが苦手と感じている若者の多さは、この世代の成長過程が、日本社会の孤立化の進行と重なっていたことと密接に関係している。この問題は、労働市場の景気動向や雇用のあり方とはいったん切り離して論じる必要のある問題である

>支援機関に来所しにくいが、困難な状態にあると思われる若者が存在している。これらの若者に対して、アウトリーチの支援がなければ世間から放置されかねない。日本では、原因を「意欲のないこと」に求め、「がんばればどうにかなるはず」という前提で、若年者対策が進められがちである。その結果、もっともサポートを必要としている若者には、有効性がない結果となりかねない。もっとも恵まれない若者層の貧困と社会的排除の固定化が進むことにならない対策が求められる

この太字で書かれたところは、分かっていない人々には熟読玩味して貰いたいところですね。

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コメント

 職業レディネスや職業観の発達を支援することと、単に就職先を斡旋することは、区別して考えるべきです。
 ハローワークの市場化テストが話題になっていますが、「就職先を斡旋する能力が、官と民どちらが上か」という狭い議論になってしまっているのです。
 民間事業者の本音は、職業レディネス・職業観・スキル等が成熟した求職者の就職斡旋業務だけをやりたいというものです。一方、ハローワークはその公共性の限界から、その求職者固有の状態を詳細に把握して、適したサービスを提供できるという状態にはないのです(例えば、あの開放的な窓口で、後ろに順番待ちの求職者がいる状態で、どうやって求職者個々のプライバシーを保護するのでしょう?)。
 この調査研究では、ニートの若者を支援する人材の量的・質的向上、親のかかわり、社会的認知度の向上等を課題として挙げています。ニートやフリーターの問題を解決するならば、彼ら本人よりまず、それを取り巻く人々の職業レディネスや職業観の発達を課題にすべきでしょう。

浜口先生はこのようなことを書かれておりますが、この若年層失業問題を混乱させ「若者自立塾」「人間力」など誤った対策の乱発を意図的に引き起こしたA級戦犯である玄田有史氏の言説に対して、どのような態度で今後臨むのか、玄田氏のしでかしたことで損失を蒙っている若年層をどう政策的にケアすべきなのかをお聞かせいただければと存じます。

玄田先生は立派な労働経済学者であり、90年代より若年者の労働問題の重要性を説き続けてきた功績者でもあると考えています。NEET問題では、元来のイギリスのコンテクストとは若干違った売れ筋で売り込もうという姿勢がいささかの批判を招いたこともあると承知していますが、彼の労働に関わるさまざまな分野における功績を失わせるようなものではないと理解しています。少なくとも「A級戦犯」などという罵倒語を以て語るべき方ではないと考えます。
少なくとも、初等ケーザイ学教科書嫁厨が跳梁跋扈し、労働問題へのまともなアプローチをきちんと擁護すべき責務のますます大きいこの現在において、かつて玄田先生と本田先生の間に何事があったか知りませんが、コップの中の、あるいは蝸牛角上の争いにうつつを抜かしている暇はないというのが私の判断ですし、多くの方々も同意するのではないかと思いますが。

ニートとフリーターは根本的に違います。世の中の風潮は、ニートとフリーターを一緒に扱います。違います!解りやすく話しましょう。私は、学校を出て共生的に実家を追い出されました。一人暮しを余儀なくされたのです。私は仕事が嫌いです。でも、一人暮らしなので、嫌でも働かなければなりません。いいですか。ニートになるためには、家庭的な条件が必要なんですよ。まず、実家に居られること。働かなくても生活の面倒を親に看てもらえること。この二つの条件が揃わなければニートになりたくてもなれないんですよ。いいですか。ニートになりたくても、実家を追い出されて一人暮しになったらフリーターをしなければ生きていけないんですよ!私達フリーターからしたら、ニートは働かなくても実家で親に生活を保証されている、特権的な身分な人なんですよ!いいですか!フリーターは一人暮しで嫌々働かなければならない。ニートの人達は、実家で親に生活の保証をしてもらっている。ホント羨ましいですよ。いいですか!ニートとフリーターには天国と地獄ほどの差があるんです!その辺をちゃんとわきまえるように。誰だって親の保護の元で楽して人生のんびりしたいですよ。私だって親元で生活を保証してもらってたら、フリーターなんかしんどいこと誰がしますか!私達フリーターから見たらニートは、働かなくても親に生活を保証された特権階級なんです!解りましたか!私の考えが間違っているなら反論して下さい。ニートに一人暮らしが出来ますか!私の言ってることは間違ってますか!これが、ニートに対する私達フリーターの怒りの叫びです!

NEET(Not in Employment, Education or Traning)という原義の中には、「実家に居られること。働かなくても生活の面倒を親に看てもらえること」というような要件は含まれていません。逆に、失業者は定義上NEETです。

そういうもともとこの言葉が作られたイギリスにおける意味内容とは、かなりかけ離れたところに、恐らくは「ひきこもり」だとか「パラサイト・シングル」だとかといった通俗社会学的なインプリケーションを込めて、日本風に作り上げられたのが「にいと」なる奇妙な概念なのでしょう。

原義からすれば、NEETとyoung non-regular workerの違いは、ノンワーキングプアとワーキングプアの違いであって、「天国と地獄」というわけではありません。イギリスのような成人すれば親元を離れるのが当たり前の社会であればどちらも親元を離れていますし、イタリアのように成人しても親と一緒に住むことに抵抗の少ない社会では、どちらも親と同居しているのが普通です。

このあたりの概念の齟齬については、本ブログのかなり前のところで何回か議論しています。

概念はともかく、日本での実態の話でみれば、家にいる人たちって、そんなにうらやむべきかどうかってわからないですね。

毎日新聞の今年(2008年)4月10日の記事でしたが、「全国引きこもりKHJ親の会」の会員調査によると、引きこもり状態にある人の平均年齢が30歳を超えたこと、平均の引きこもり期間が8.95年であること、が判明しています。親の高齢化が進み、「本人と親の不安が家庭の破綻につながり、親殺しや心中、自殺などの最悪な事態が出始めている」とのことです。

これと直接につながるわけではありませんが、昨年末(2007年12月)に公表された厚生労働省の高齢者虐待調査では、これまでも経験的に・調査によって知られていた、高齢者虐待で最も多いケースは同居の息子によるもの、ということが、ここでも確認されています。4割が同居の息子によるものです。児童虐待については介入の必要が認識され、不十分でも児童相談所などが対応していますが、高齢者虐待については、対応予定のない自治体が約半数、ということです。

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/12/h1219-1.html

ニートはいい身分、ということでもないようです。

どっちが天国か地獄か、ではなく、自立した生活を営めない若年層に対する行政(国、自治体)の有効な支援策は何か、を議論するのが、このブログの役割なんだと思いますけれども。

ニートの問題解決はいたって簡単です。法律で20歳になれば実家を出て一人暮しをすること。と決めたらよいのです。理由は簡単です。親元でいるから彼等は生活が出来るのであり、実家を追い出されたら、嫌でも働かなくてはなりません。家賃代、電気代、食べることも出来なくなります。フリーターで充分です。働かないよりましです。でしょ。

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