JAMが規制改革会議を猛爆
JAMといえば、労働関係者には分かるでしょうが、そうでない人のために一応解説しておくと、機械金属関係の労働組合です。昔の全金同盟と総評全国金属という中小企業労働運動の伝統を受け継ぐところで、歴史を遡れば戦前の総同盟時代に連なる由緒正しい産別組織です。某アイドルグループのことではありませんし、日本模型鉄道の会の略称でもありません。
そのJAMが、ホームページで大々的に規制改革会議を猛爆しています。
>JAMは、内閣府に対し6月27日午後、規制改革会議再チャレンジワーキンググループ労働タスクフォースが発表した「意見書」について、以下のことを申し入れ、糾した。
1.内閣府として規制改革会議の意見書に対する対応を明らかにすること。
2.最低賃金、解雇権濫用法理の見直し、労働者派遣法の見直し、労働政策の立案など四つの事項についての見解を明らかにすること。
3.規制改革会議の意見書に責任のある委員を解任すること。
>内閣府側は、
1.意見書は、タスクフォースが議論の出発点として考えをまとめたものだ。政府の方針ではない。
2.最低賃金など四つの項目については、今後論議を深めていくものだ。
3.委員の解任については、3年の任期がある
― などと答弁した。
ということです。
申し入れ内容は:
http://www.jam-union.or.jp/20070703ikensyo/ikensyo_mosiire.html
http://www.jam-union.or.jp/20070703ikensyo/4tuno_kumoku.html
さらに、
>JAMは、憲法と労働法を否定し、国の方針とも違う意見書が政府の公的機関から国民に対して出てくることが重大な問題だとして、規制改革会議の委員に公開質問書を送り更に追及している。
ということで、ここに質問書も掲載されています。
http://www.jam-union.or.jp/20070703ikensyo/situmonsyo.html
中味については、このブログでも再三再四取り上げてきましたので改めてコメントしませんが、「規制改革会議の意見書に責任のある委員を解任すること」という要請に「3年の任期がある」というのは(役人として胸中はお察しするとはいうものの)いかにもピンぼけではありますな。税調の本間会長にも当然任期はあったわけですから、要は任期途中で解任するに足るだけの不祥事であると考えるか否かということであるわけで。もちろん、そんなこと、企画官如き身分でお答えできるものではありますまいが。
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私たちの取り組みを取り上げて戴いて光栄です。何か辛らつなご意見があるのかと心配しましたが、由緒正しい産別組織と紹介があるのみで安心いたしました。
それで、若干の後日談ですが、公開質問状の方は、まだ配達証明の葉書が帰ってきている段階で、具体的な回答はありません。
昨日は内閣府と同様の申し入れを厚生労働省に行いました(ただし委員の解任要求は所管が違うので外しましたが)。厚生労働省は柳澤大臣が対応されました。余談ですが、批判(誤解?)を招くような失言がなければ、自民党の中では人柄も考え方も悪くないんじゃないかとの印象でした。わが方は書記長と先日参議院で大臣の問責決議案の趣旨説明をしたばかりの津田やたろう議員を先頭にまいりました。
厚生労働省は本当に「意見書」を不快に思っているようで、「常識では考えられない」「とんでもないはた迷惑」「3ヵ年計画に入れなかったのは草刈議長の見識」などとおっしゃっていました。わたしたちの4項目の見解についても大臣自ら回答がありました(個々にはJAMのHPに載る予定)が、労働者派遣法の見直しについて「いまだに非正規労働者が増えている流れは変わってほしい。なんでも自由化というのは厚生労働省の考えとは異なる」とのことでした。日本経団連の規制改革要望に対しても、はっきりそう言ってほしいものです。
最後に大臣は、「規制改革、規制改革って延々といつまでやるのかねえ。確かに必要な規制緩和はあるけど、いいかげん他の省庁もまいっているよ」とぼやいておられました。これってお役所の本音でしょうね。
投稿: JAM早川 | 2007年7月 6日 (金) 10時18分
おお、厚労省は大臣自ら対応されましたか。そのこと自体が、この問題に対する姿勢を物語っていますね。内閣府の企画官との落差が印象的です。
実は日本経団連も内心大変不快に感じているはずです。そうはっきりとは言いませんけど。
投稿: hamachan | 2007年7月 6日 (金) 13時51分