資本主義の多様性
比較制度分析の世界では有名なホールとソスキスの『資本主義の多様性』が遂に翻訳されたようです。
版元のナカニシヤのHPから惹き句を引用すると:
福祉国家のミクロ的基礎
グローバル化とイノベーションの競争圧力の下で、各国の政治と経済は一つの共通のモデルの下に収斂していかざるをえないのか? 「福祉国家」の政治的経済的役割はもはや時代遅れのものとなったのか? 比較制度優位,制度補完性,企業中心的政治経済論を軸に、比較政治経済のための新しい分析視角を提供する「資本主義の多様性」論の基本文献、ついに登場。
「序文」より
新しい組織の経済学にもとづいて本書が展開するアプローチは、マクロ経済およびその諸制度を理解するためのものであり、「強い」国家と「弱い」国家もしくは「ネオ・コーポラティズム」社会と「多元主義」社会といった影響力ある区別の上に構築された従来の概念を超えるものである。本書のアプローチが政治経済の理解の中心に復権させるのは企業である。……本アプローチは、経済学の新制度主義とゲーム理論から引き出された概念を、国民経済を理解するさいの問題に適用するものであり、政治学は言うに及ばず経済学にとっても重要な、企業理論とマクロ経済概念の統合を生み出す。
ということで・・・。
目次は以下の通り。
日本語版への序文:資本主義の多様性と日本・・・・・・・・・ホール/ソスキス
第1章 資本主義の多様性論・序論・・・・・・・・・・・・・ホール/ソスキス
第2章 先進民主主義国における労働政治の多様性・・・・・・セーレン
第3章 金融政策と賃金・価格交渉における制度的部門的相互作用・・・・・・・・・・・・・・フランツェーゼ
第4章 社会保護と技能形成:福祉国家の再解釈・・・・エステベス‐アベ/アイヴァーセン/ソスキス
第5章 企業と福祉国家:経営者にとって社会政策が重要となるのはいつか、なぜか、そしてどのようにしてか・・・・・・・・・・マレス
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