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2007年6月15日 (金)

UIゼンセン on コムスン

UIゼンセン同盟が、コムスンで働く介護労働者の加盟する組合として、談話を発表しています。

http://www.uizensen.or.jp/doc/saishin/0611.pdf

まずは、

>介護保険制度に併せて業界の秩序と制度基盤の安定を図ることを目的に業界との健全なカウンターパートとして、職業別労働組合「日本介護クラフトユニオン」を結成した。 現在、クラフトユニオンの組合員は64,000名であり、この業界で働く130万名の労働者の4.9%にすぎない。このような問題の再発防止と社会正義を貫くために更なる組織化を進める。

と、組織化実績をアピール。

次に、

>企業のコンプライアンスを監視できなかったことに重大な責任を感じている。この事実を真摯に受け止め、クラフトユニオン型CSR体制を早急に構築する。

と、組合としての責任を表明、その上で、

>現場で働く労働者にとっては、雇用不安を払拭し生活基盤を安定化することが“心のこもった介護サービス”の提供に資すると考える。㈱コムスンに対し一日も早く、事業譲渡先を明確にするとともに、事業移行計画の作成を求める。

>今回この問題が長期化かつ不安が増大した原因は、企業経営者のこの問題に対する対応の遅れと、社会と社内の意識にズレが生じた結果であり、遅ればせながら記者会見を実施したものの企業グループトップのこの問題に対する責任はあいまいにしたままである。 引き続き企業体質の改善と進退を含めた責任を求めていく。

と、企業グループトップ(折口氏)の責任を追及し、最後に、

>㈱コムスンで働く組合員は、問題発生以降も現場で懸命に介護サービスを提供している。罪のない労働者の努力が無にならないよう、組織の総力をあげて早期の問題解決に取り組む。

と取り組みを表明しています。

介護労働者の組織化という困難な課題に取り組んでいるUIゼンセンにとって、今回のコムスン事件はもちろん大変な事態でしょうが、これを転じて組織拡大のチャンスに活用できる可能性もあるように思います。

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コメント

 いつも拝見させていただいています。コムスンの件大変残念です。しかしこれから、介護労働者の組織化拡大のチャンスの可能性になればと言う点ですが、それほど単純ではないように思います。レーバーネットに旧コムスン労組の声明が載せられていますが、残念ながらコムスンと同様に「労組」への信頼も大きく損なってしまったのではないでしょうか。
 介護労働者の窮状は想像以上大変厳しく、介護行政を早急・抜本的な立て直しが必要ではないでしょうか。労組の役割は、組織化だけが全てではなく、労働者の立場に立ったコンプライアンスの監視など社会的役割を果たせないのでは労働者の期待に応えることはできないし、組織化も進まないでしょう。

この関係で、最近出た阿部真大さんの「働きすぎる若者たち」も興味深いです。
主婦パートタイマーを前提としたケア労働が、若者の就職先となっていったことからくる労働条件の低さと「感情労働」としての性質が、諸々の問題の根っこにあるようです。
阿部さんはワーカーとボランティアの協働で、というわけですが、それこそ専門性の乏しいケアワーカーの労働条件をボランティア並みに引きずり下ろすことにもなりかねないわけで、労働問題としての解決にはつながらないように思われますし。
この本で引用されていた高橋基彰さんの、NPOの可能性を説くアソシエーションの議論が、雇用問題についてあまりにも無関心だった、という批判は、大変的をついているように思います。
労働組合の存在意義とは、美しげな福祉の理想で自分たちをごまかしてしまわないで、食えるような職場にしろと要求していくことなわけですから。

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