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2007年6月 5日 (火)

現代の貧困またはマテリアリズムの欠乏

412kmi2mnnl_ss500_ 岩田正美さんの『現代の貧困』(ちくま新書)の中から、心に残った言葉を引いておきます。本の内容は、今まであちこちで読んできたり研究会で直接伺ったりしてきたことでもあり、ここで要約するまでもないのですが、6章の最初の所の記述が、この問題に対する日本の知識人のスタンスの問題点を良くあぶり出しているように思われたので。

>・・・

・・・貧困問題が厄介なのは、それは貧困だけで終わらないことだ。つまりそれは、多様な社会問題の背景の一つとなることが少なくないのである。・・・

たとえば貧困が病気と深い関係にあることは昔からよく知られている。・・・

また、ある時期までは多くの人々が、貧困を背景として非行や犯罪が生まれてくると考えていた。・・・

だが、こうした貧困と社会問題の関係が、今日の日本社会で言及されることはほとんどない。むしろ、多くの社会問題は、貧困ではなく豊かさの結果として生じていることが強調されている。たとえば、非行は中流家庭の子供たちに多いとか、病気は貧困に起因するのではなく、むしろ飽食によるメタボリック症候群に基づいている、等々。

多くの社会問題が貧困とは関係なく生じるということが強調され出したのは、もしかすると、これまであまりに多くの社会問題が、貧困との関係で語られてきたことへの反動かも知れない。だが、今度はその反動で、すべての問題が「ゆたかな社会」の病理や「心の闇」として語られるようになってしまった感がある。

このため、実は貧困が以前として多くの社会問題と結びつき、その解決を遅らせていると言うことに気付かない。むしろ、貧困と結びつけるような見方に対して、中流層の児童虐待や引きこもりなどの事例を列挙して反論するのが通例である。

むろん、「ゆたかな時代」の社会問題の多くは、多様な要因を背景に出現する。貧困だけが原因なのではない。中流層にも多くの問題がある。「心の闇」もあるだろう。メタボリック症候群は多数にとって大きな問題である。だが、「ゆたかな時代」になったからといって、貧困と社会問題の関連がなくなったわけではない。・・・

・・・

これはまさにその通り。現代ネオサヨ知識人における観念論の過剰とマテリアリズムの欠乏症候群とでも言うべきでしょうか。何かというと「心の闇」といいたがる教育関係者諸氏にも共通するものが・・・。

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コメント

貧困ではない人達にとっては貧困を原因とする問題は他人事で「自分自身の問題」として引き受けることが出来るのは豊かさの問題なのでして
その人にとっての「社会の範囲」が

>「メタボリック症候群は多数にとって大きな問題である」

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