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2007年6月27日 (水)

継続的契約の更新拒否

これは労働法の判例ではありません。しかし、へたな労働法の判例よりもはるかにものごとを考えさせてくれます。

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070627111154.pdf

平成19年06月19日 福岡高等裁判所判決 地位確認等請求控訴事件(平成18(ネ)868)です。

本件は,Y会社の発行する「Y新聞」(「わが国有数の発行部数を誇る新聞」だそうです)の新聞販売店を経営するX1が,Y会社がした新聞販売店契約の更新拒絶には正当な理由がないと主張して,Y会社に対し,新聞販売店契約上の地位を有することの確認を求めるとともに,Y会社が継続的取引関係における供給者側の優越的地位を濫用し,同Xの営業権を違法に侵害したとして,不法行為に基づく損害賠償請求をした事案です。

原審は,X1の地位確認請求を認容したが,Xらの損害賠償請求をいずれも棄却したので、Y会社及びXらがともに控訴したのですが、

本判決のコアは次の通り。

>新聞販売店契約は,新聞の宅配という重要な役割を特定の個人に独占的に委託することから,Y会社でもそれなりに信頼できる者を人選して締結しているはずである。そして,X1は,平成2年11月に,約1200万円の代償金を支払って,Y会社と新聞販売店契約を締結し,その後更新を続けて,平成8年8月1日には,本件新聞販売店契約を締結したことから,Y会社は,同Xを新聞販売店を経営する者として適任であるものと判断していたといってよい。
他方,X1としても,その後も店舗確保のために新たに建物賃貸借契約を締結し,当該建物の増改築に資金を投下したりしていること(上記1( )イ),また,Yh店の経営のために従業員を雇用し,セールス業者に4報酬を支払い,販売拡大のために景品等を提供するなど,相当多額の投資をしてきたことが認められ(甲17,原審でのX1本人),もとよりYh店での営業を生活の基盤としていることは明らかである。そうであれば,Y会社が継続的契約であるX1との本件新聞販売店契約の更新をしないというためには,正当な事由,すなわち,X1が本件新聞販売店契約を締結した趣旨に著しく反し,信頼関係を破壊したことにより,同契約を継続していくことが困難と認められるような事情が存在することが必要であるものというべきである

そして、Y社側が挙げる更新拒絶の理由を悉く否定していきます。

>X1の虚偽報告の程度は決して軽視することのできないものであり,その責任も軽くはない。まして,同Xが上記(イ)のような誓約書を提出したこともあることを考えれば,なおさらである。しかしながら,上記(イ)のようなY会社の新聞販売店に対する態度などに照らせば,Y会社が,X1の虚偽報告をもって本件新聞販売店契約の更新拒絶の理由とすることを容認することはできない。むしろ,上記1( )ないし( )及び2( )ウの諸事実に照らせば,Y会社の本件新聞販売4 6 1店契約の更新拒絶は,ある意味ではX1がYh店の区域分割の申入れを断ったことに対する意趣返しの面があり(同Xが分割に応じていれば,契約更新をしていたと思われる。),また,同分割申入れの背景にSらとIとが意思を通じた策動の如きものが窺われることを考慮すると,Y会社の更新拒絶に正当な事由があるとはいい難い。

>しかしながら,同Xの拒否の動機が虚偽報告の発覚をおそれたことにあるとすれば,虚偽報告に至る背景やそれについてのY会社の姿勢等も合わせて考慮すべきであり,その虚偽報告には酌量すべき諸事情があること,本件の場合,帳票類の提示拒否によってY会社が受ける不利益は虚偽報告を発見できなかった点にあるところ,虚偽報告自体が更新拒絶の理由とはなり得ない以上,帳票類の提示拒否だけを取り出して,更新拒絶の正当事由とすることはできない道理である。・・・

そして、結論として原判決を変更し、地位確認請求に加えて損害賠償請求も認容しました。

いやあ、しかし、「継続的契約である」新聞販売店契約の更新拒絶に正当事由、つまり、「新聞販売店契約を締結した趣旨に著しく反し,信頼関係を破壊したことにより,同契約を継続していくことが困難と認められるような事情が存在することが必要」であるというのなら、同じように継続的契約である有期労働契約の更新拒絶に同様の正当事由は要らないのですか?と聴いてみたくなる気もしないでもありません。

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