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2007年6月27日 (水)

家庭生活と学生生活の両立

欧州議会男女平等委員会が去る6月19日、標記のような報告を採択しました。

http://www.europarl.europa.eu/sides/getDoc.do?pubRef=-//EP//NONSGML+REPORT+A6-2007-0209+0+DOC+PDF+V0//EN

正式には「EUの若い女性が家庭生活と学習期間とを結合することができるような措置のための規制的な枠組みに関する報告」であって、いろんな要求を挙げています。

幼い子供を持つ学生に学生保険を作れとか減税せよとか、学校に保育施設を作れとか、教育課程を柔軟化せよとか、つまり学生生活を普通のワークライフバランスでいう職業生活と見なして家庭生活との両立を可能にしなければいけないという発想です。

実際、女性が高学歴化していく中で、学生生活が家庭生活と両立しがたいものであれば、それもまた少子化の原因になるわけですから、当然の指摘ではありますが、問題は学校の先生方が、企業の人事担当者並みに社会的責任を感じてくれるかどうかではないかと思います。そういう感覚はまるでない人々が多いという印象を受けていますもので。

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コメント

> 先生方が、企業の人事担当者並みに社会的責任を感じてくれるかどうか

世間もあまりそういう見方はしてないと思う

現在の日本では,学生の育児は全くイレギュラーなこととしか考えられていません…。

学校内部の制度(ハード・ソフト両面)もしかり,ですが,自治体の認識においても,学生は認可保育園の待機の優先度が著しく低くつけられます。そのため,認可でない,高い保育園に入れざるを得ません。

そうすると,学費と高額の保育料という,二重の意味での出費を強いられることになります。この点で,給料を得られるワーキングマザーに比べて明らかな経済的ハンディがあります(学費の高額さも,ヨーロッパとは比較になりません)。そのハンディを埋める措置もありません。育児・家事責任を負いながら研究しているのだから,パートやバイトなんてできるはずもありません。

これでは,高学歴の女性の子どもが少ないのはあたりまえです。
大学院などに行くだけで,あっというまに20代が終わってしまうんですから…。

根底には,「学生は学業に専念すべき(なのに子どもを産むなんて,好きでやってるんだから自己責任で何とかしなさい)」という考え方があるのではないか,と感じています。こういう考え方は,日本の競争力にとって極めてマイナスではないかと思うのですが。

もっとも,育児をこなしながら研究も第一線,という,素晴らしい女性が少なからずおられるのも事実です。しかし,「そんなスーパーウーマンじゃないと両立できないんだわ」という諦めとか,はたまた「ほら,できてる人がいるじゃないか」というエクスキューズにつながりかねない。

普通の女性が,普通に育児と研究を両立できる環境を整備しなければ,少子化の傾向は変わらないと思います。

…長くなってすみません。。

まったくそうですね。でも、そういうことを主張する人も団体も日本にはないようです。最近、妻として母として研究者としてこうやって生きてきました的な自伝がいくつか出ていますが、そういうヒーロー的な生き方じゃなくっても、「普通の女性が,普通に育児と研究を両立できる」社会を作らないと。Kさんのような立場の方が声を上げて、それをしかるべき形ですくい取っていく仕組みが必要ですね。
いろいろと思うことがあるでしょうから、また書き込んでください。

>>「学生は学業に専念すべき(なのに子どもを産むなんて,好きでやってるんだから自己責任で何とかしなさい)」

なんか、大学というところが具体的、世俗的な技術、生活のことよりも【人間力】みたいなのが求められている、ということに近い気がするんです。

そう言えば、全然ヒーロー的でない女性研究者がいたな。

学生にはあれこれデマンドするわりに、ご本人に「人間力」があるとは感じられない方々が大学というところにはやたらに多く棲息している感じがしますが(人によります。もちろん)

そういう不当な要求に耐えたり、上手くかわしたり
そこで学生の人間力が問われます

>>学生は学業に専念すべき(なのに子どもを産むなんて,好きでやってるんだから自己責任で何とかしなさい)

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