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2007年6月15日 (金)

IMF-JC on 外国人労働

IMF-JC(金属労協)が、本ブログでも取り上げた研修・実習制度に関する厚労省及び経産省の案や長勢法相の案に対する見解を明らかにしています。

http://www.imf-jc.or.jp/20070612_gaikokujin.pdf

見解はまず長勢法相の短期外国人就労制度について「創設すべきではない」と批判しています。

>長勢大臣は、外国人研修・技能実習制度において、人権侵害や労働法令違反、失踪などといった事例が発生しているなかで、法秩序の維持を司る法務大臣として、また、かつて自ら制度の立案に関与してきた経過から、こうした状況を看過することができず、外国人技能実習制度の廃止と短期外国人就労制度創設の提案を行ったものと理解している。

と、一応は提案の趣旨を理解した上で、しかしながら、

>、短期外国人就労制度の提案は、諸外国での外国人受け入れにおける失敗、負担、苦悩を踏まえていないと判断せざるをえない。格差社会がこれほど問題となっているなかで、さらに日本人と外国人との二重構造を作るような提案は容認できない。また外国人労働者の人権確保のためには、転職の自由を保証する必要があるが、転職可能な枠組みを作ったとしても、その実効性は期待できない。さらに、わが国産業の高度化を阻害し、低生産性分野を温存することによって、わが国の潜在成長力を弱めることになる。加えて、先進国たるわが国が、発展途上国の将来を担うべき有用な労働力を利用するだけで、これらの国々の発展に寄与しようとする発想が欠如したものであり、来日した外国人の帰国後の生活にも思いを致していないという点で、「美しい国」のすべきこととは言い難い。

と述べています。このうち人権と転職の自由については、

>失踪を防ごうとすれば、外国人労働者の人権を損なう危険性が常に存在する。「タコ部屋」化を防止し、人権を確保するためには、転職の自由が不可欠であるが、短期外国人就労制度において、制度上、転職可能な枠組みを作ったとしても、受け入れ団体が転職を支援するとは想定しがたく、その実効性は期待できない。

>賃金水準が低く、転職が事実上できないとすれば、外国人労働者は失踪して別の職に就こうとする可能性が強い。また帰国後、母国において何の仕事の保証もないため、帰国直前に失踪して不法就労者となる危険性も大きい。

と述べていてそうだろうなと思います。これをクリアしようとすると、短期就労制度ではなく、長期労働移民になってしまいます。前の河野太郎法務副大臣のプロジェクトチームの案は、そこまで踏み込もうとしたものでしたが、日本を多民族混交の移民社会にしてしまうまでの決断ができるのかどうかというところが最大の問題であるわけです。今の日本にそこまでのコンセンサスがあるとは到底思えません。

研修・実習制度については、経産省の案を「外国人研修・技能実習制度を積極的に利用している業界団体の代表と一部の学識経験者」による「内容に片寄った傾向がある」「もっぱら受け入れ拡大の意図が強く打ち出されたもの」と批判する一方で、厚労省の案に対しては「問題事例に直接メスを入れようとするもの」と評価しています。

>金属労協は、外国人研修・技能実習制度については、当面、団体監理型を拡大させるような方向での見直しではなく、人権侵害、労働法令違反、過酷な仕事内容、劣悪な職場環境、失踪、中間搾取などの状況の発生を防止し、「技術・技能を発展途上国に移転し、人づくりに寄与する」という制度本来の趣旨が機能するよう、厚労省研究会提案を踏まえつつ、これまで主張してきた見直しの具体策の実現を図っていく。

いずれにしても、今後2年間はこの問題が大きな政策課題として議論されていくことは間違いありません。

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