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2007年5月21日 (月)

規制改革会議さん全開その2

今日は毎日が規制改革会議さんのリーク記事です。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20070520k0000m040113000c.html

例によって、リバタリアン全開です。以下名言録をいくつか。

>ワーキングプアなど格差解消に向け取り組む最低賃金の引き上げについては「賃金に見合う生産性を発揮できない労働者の失業をもたらす」

>「労働者保護の色彩が強い労働法制は、企業の正規雇用を敬遠させる。労働者の権利を強めれば、労働者保護が図られるという考え方は誤っている

>女性労働者については「過度に権利を強化すると、雇用を手控えるなど副作用を生じる可能性がある。あらゆる層の労働者のすべてに対して開かれた平等な労働市場の確立こそ真の労働改革だ

これでも氷山の一角なんですが、なかなか凄まじいものではあります。これが「再チャレンジワーキンググループ」というのですから、なかなかのブラックユーモアの感覚がありますね。イナゴさん並みですな。

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コメント

大雑把に見ると、

最賃を引き上げると、それでも働ける人達は、公的に面倒を見る負担は省力化できる一方、働けない人達が増えて、その面倒を見る負担は大きくなる
逆に、最賃を下げると、働けない人は減る代わりに、働ける人の中にも賃金だけではやっていけない人達が増えるので、公的に面倒をみなければいけない

どっちがいいか、良く分かりませんね

すみません、二つの記事のアドレスを忘れていたこともあり、最初のコメントを再度投稿させて頂きます。上記二つのコメントは削除して頂ければと思います。

濱口先生

私も今の、規制改革会議の論調には極めて強い懸念を持っています。どうもアメリカの企業の競争力を妄信しているように思えてならないのです。

濱口先生のような労働法制のオピニオンリーダーの先生に何かを申し上げるなど釈迦に説法で大変恐縮ですが、もしお時間があったら、

「MBA型リーダーは企業を破綻させる米国をまねる日本企業の落とし穴」by ミンツバーグ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070509/124421/?P=1

「日本企業に蔓延する「分析まひ症候群」傍観者はリーダーではない」 by 野中郁次郎
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070518/125130/

「部分最適型“イノベーション”に潜む罠」 by 常盤文克
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070517/125094/

をご覧いただきたいのです。お三方ともほとんど同じ事を指摘しておられると思います。

伊丹敬之『日米企業の利益率格差』(2006年)は、市場原理を限りなく貫徹するアメリカの企業が今どのような事態に陥っているのかを克明に描き出しています。

決して万全とは言えない、アメリカの企業のやり方を日本企業が真似することは、ミンツバーグ先生曰く、

「日本でも、生産性を上げるべく株主価値や成果主義といった米国型経営の考え方を導入する企業が増えたと聞きます。そうならば米国の経営者たちは大歓迎でしょう。同じ土俵で戦えば、自分たちの企業がそれほど劣って見えることはありませんからね。」(↑の記事による)とすら言われてしまっています。

経営の実務経験の無い人が理論をただ適用しただけの極めて素朴な政策提言がなされ、それが実現されてしまうかもしれないことに、忸怩たる思いを覚えてなりません。

「MBA型リーダーは企業を破綻させる米国をまねる日本企業の落とし穴」by ミンツバーグ
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070509/124421/

「部分最適型“イノベーション”に潜む罠」 by 常盤文克
http://business.nikkeibp.co.jp/article/manage/20070517/125094/

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