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2007年5月23日 (水)

週刊誌記事と団結権侵害

最高裁のHPに載っている新しい裁判例ですが、

http://www.courts.go.jp/hanrei/pdf/20070518163139.pdf

原告はJR東労組の幹部、被告は週刊現代と記事を書いたルポライターです。メインの争点は、「テロリストに乗っ取られたJR東日本の真実」という連載記事が名誉毀損になるかどうかですが、併せてそれが団結権の侵害になると原告側が主張していて、この点についても判旨が若干触れています。

>本件連載は,JR総連やJR東労組の対立関係にある日本鉄道労働組合連合会(以下「JR連合」という)や「JR東労組を良くする会」の一方的。な主張や,虚偽の事実を並べ挙げ,JR総連やJR東労組がテロリスト集団であり,犯罪集団・反社会的集団であるかのように描き出している。これは批判という域を越えた労働組合組織への破壊攻撃といえる。労働組合においては,組合員の団結が生命であり,団結を維持することは個々の組合員にとって権利であり義務であるのだから,本件連載によるJR東労組への組織破壊攻撃があれば,原告の団結権は侵害されている。

という原告側の主張に対して、さいたま地裁は、

>労働組合は組合員の団結により構成されることから,個々の組合員の団結する権利や利益を侵害することで,損害賠償請求が認められることがあることはそのとおりであるが,労働組合の団結権ではなく,個々の組合員の団結権が侵害されたというためには,団結権侵害行為が個々の組合員に対し向けられていなければならないというべきである。しかし,前記のとおり,本件連載は原告に向けられたとは認められないことから,原告に対する団結権侵害行為があるとは認められない。よって,本件連載による原告の団結権侵害も成立しない。

と、正面から答えずにいなしています。

これは記事が向けられているのはJR総連やJR東労組であって、原告個人ではないから名誉毀損にならないという前段の結論からこう言っているんですが、そうすると、JR総連やJR東労組が原告となって訴えていたら、団結権侵害になり得たのでしょうか。

団結権侵害の主体になりうると考えられるのは、まずは使用者ですが、国も考えられます。しかし、週刊誌の記事(出版社やルポライター)が団結権の侵害主体になりうるというのは、よく理解できません。ていうか、この裁判官、あんまりそこまで考えてないのかも。

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