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2007年4月11日 (水)

日経病

先週、「頭の空っぽな日経の記者並みの「どんな民でも民は即ち善」という発想では困るわけです」と書いたときには、まさかそれを一字一句証明するようなコラムを書いてくれるとは想像もしておりませんでしたよ、はい。

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2007/04/post_e43f.html

ところが、そのすぐ後の日経のコラムに、署名入りの「3度目の正直なるか、ハローワークが問う改革姿勢」が出てくるのですから、呆れてものもいえません。

http://www.nikkei.co.jp/seiji/column.html

このコラムの凄いところは、「官業の民間開放の切り札とされる「市場化テスト」導入が足踏みしている。権限縮小を嫌う厚生労働省が、ハローワーク(公共職業紹介所)の中核業務である職業紹介へのテスト適用に激しく抵抗」といったそのすぐ後に「すでに民間開放が決まった他の業務では、民間企業が1社も手を挙げないため、官が民と競うことなく引き続き事業運営を担うという事態も発生した」と書いて、ご自分の矛盾に気がついていないことです。

あまつさえ、「ところが、現実は課題が山積している。例えば雇用情勢の厳しい地方で企業から求人を募る「求人開拓事業」。4月からの導入に向けて3月に入札を実施したが、全5地域のうち3地域で落札業者が決まらず不調に終わった。このうち2地域では応札企業が現れず、もう1つの地域は2社が名乗りを上げたものの、応札価格が上限となる予定価格を超えたため落札できなかった。結局、3地域では官が継続して事業を運営することになった」と、問題点が受託する側の民間企業にあることを正直に書いていながら、それが民間企業側の問題であるということを全然認識していなさそうであるところですね。

東京23区内の甘いクリームは舐めたいけれども、しんどいばっかりで実入りの少ない苦いところはやだ、ってな我が儘をなぜ厚生労働省は認めないのか、と居丈高に書き連ね、あげくに「職業紹介の市場化テストが3度目の正直で適用されるかどうかは「民間活力の活用」を掲げた安倍改革の先行きにとっても試金石となりそうだ」では、本当に活力のある民間が泣きませんかね。

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