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このまま「アメリカ型」社会を目指して本当に幸福になれるのか?

川崎二郎前厚生労働大臣の著書『このまま「アメリカ型」社会を目指して本当に幸せになれるのか?』(ダイヤモンド社)が出版されました。

027689670000 副題は「年金を破壊する「競争政策」の罠」です。川崎さんは「競争政策」という言葉を、アメリカ型社会を目指す政策というような意味合いで使っていて、言葉の使い方に若干違和感がないではないですが、内容的には、まさに規制緩和路線でめちゃくちゃになった日本社会を立て直そうという使命感に満ちた本です。ご承知の通り、現在自民党の雇用・生活調査会の会長として、労働ビッグバンに対抗する一方の旗頭ともいうべき立場にある方の著書でもあり、随所に興味深い指摘があります。

http://www.bk1.co.jp/product/2768967

目次は以下の通り。

第1章 「競争政策」でさらに人口が減少する
第2章 「アメリカ化」で本当に経済は成長したのか
第3章 団塊の世代としての私の覚悟
第4章 「一人当たりGDP」を大きくする政策へ
第5章 出生率1・4、人口1億人の日本社会を目指して
第6章 消費税があなたの老後を守る

肝心の論敵のはずの八代尚宏先生は、近頃「カナダ型社会を目指す」んだとか言い出しておられて、なんだか肩すかしみたいですが、まあ、核武装もしていない日本がアメリカ型社会を目指したところで世界が円を有り難がってくれるはずもないのですから、始めからそんなことはあり得ないわけで、アメリカのおまけみたいな国を目指すんだと言ってくれた方がわかりやすいともいえます。

川崎さんは明確にヨーロッパ型の社会を目指すべきだと言い、そのために消費税を上げよと主張しています。いっとき王よりも王党派よろしく、自民党よりも改革改革と叫んでいた民主党が、急に宗旨替えして格差是正とか言いだしていますが、どこまで本気なのか、まあ川崎さんのような自民党の良識派とそれこそ政策競争をして欲しいものです。

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コメント

こんばんは。
ふらっと立ち寄った暇人です。

素朴な疑問ですみません。
福祉国家を目指すのには異論がありませんが、逆進性の強いうえに付加価値を低下させる消費税増税では、経済を活性化できずに、一人当たりGDPが伸びないのではないでしょうか。
ご専門とはちょっと違うかもしれませんが、気が向くようでしたら、その辺りをどうお考えかお聞かせ願えないでしょうか。

投稿: ただの暇人 | 2007年3月20日 (火) 20時23分

はじめまして。
通りすがりの暇人です。

ちょっと疑問に思ったのですが、福祉国家を目指す方達の間では、消費税増税派が主流派なのでしょうか。
私は、消費税はどうしても逆進性の問題や、消費を冷え込ませて経済を減速させるのではないかと懸念してしまいます。経済が成長しなければ、一人当たりGDPも伸びません。
法人税や累進所得税中心ではいけないのでしょうか。

投稿: ただの暇人 | 2007年3月20日 (火) 20時47分

ユーモアと鋭い指摘の貴ブログしばしば拝見させていただき有り難うございます。

小泉政権は、自由民主党を壊すだけでなく、日本を壊したのではないでしょうか。
私が本等で分かってきたことは、米国流の新自由主義による改革は、必ずしも市民にとって良いことばかりではないことです。市場に任せれば全て上手くいくと言うのは幻想と偽善だと思います。

新自由主義がどのようなものであったかはニュージランドの改革例を見れば明らかです。ニュージランドの改革は世界の国々から改革が成功した事例として紹介されていすが改革は惨憺たる結果になったとのことです。

「河内洋祐:「草の根から見たニュージーランドの行政改革」,1997年
 ・・・改革は決して日本で伝えられているように国民的支持の下にあるわけではない。むしろ橋本首相が1997年4月にニュージーランドを訪問して改革を「成功」させた秘密は何かと尋ねたところ、ボルジャー首相は「国民にとって何が何だかわからないうちに急速に改革を押し進めたことです」と答えたことに象徴されるように、改革が非民主主義的に行われたところに特徴がある。ちなみに、改革を開始した労働党も行政改革についての公約は一切せずに選挙に臨み、多数党になったところで突然改革を開始したのであった。」

全文:http://www.kit.hi-ho.ne.jp/msatou/03-03/030311nz-uchihashi.htm

小泉前首相を初めとする米国べったりの人々が日本にもたらした影響は、関岡氏の著書にわかりやすく書かれています。例えば、竹中、宮内、八代氏等が今の日本にした責任のある人達といえます。「拒否できない日本―アメリカの日本改造が進んでいるー関岡英之:文春新書」、米国が毎年作成している年次改革要望書とその報告をみるとまさに今改革の名でおこなわれた郵政民営化、商法の改正、労働市場の解放、金融の自由化等が記載されています。これらの要求は驚くばかりです。

しかし、私は、日本をこのような国にした最大の責任者は郵政民営化(一例)のさいに勢いにのって小泉自民党に投票した国民といえます。その結果痛みを知りたくない人にまで痛みを与えているといえます。

更に、内橋克人氏等が著した本を読むと現在の日本と同じ事が、既にラテン・アメリカで起きていてその回復に時間が掛かっていることが良く分かります。
http://www.lib.city.yokohama.jp/cgi-bin/Swwwsvis.sh?0+177+1+1+0+205030476+0+1+0+0+1+1+1
「日本「構造改革」論の虚実―ラテン・アメリカを既視感として;ラテン・アメリカの新自由義の経験から何を学ぶか(「失われた10年」 超えて―ラテン・アメリカの教訓)」

このまま「アメリカ型」社会を目指して本当に幸福になれるのか?
回答:幸福になれません。

私たち国民は、政治と経済に関心をもち次の統一地方選挙から行動を起こすべきと考えます。***

投稿: 遠めがね | 2007年3月21日 (水) 13時40分

厳密な議論ではなくざっくりとした話ですが、消費税が消費を冷え込ませる以上に法人税は生産を萎縮させるでしょう。ネオリベ流行以後の現在の福祉国家論は、おおむね旧来のケインジアン路線ではなく、サプライサイドの福祉国家路線ですから(ジェソップのいうシュンペーター的ワークフェア国家ってやつですか)、消費税の方を好むようです。
ちなみに「付加価値を低下させる消費税増税」というのはいささか意味がよく分かりませんが。

川崎さんの本に引きつけて言えば、生産の場においてより平等な資源配分をした上で、消費に応じてみんなにある程度高い負担をして貰う方が望ましいということではないでしょうか。
お金がなくてそもそも食うに事欠いている人が、消費税が高いからといって消費を冷え込ませるわけでもないでしょうし、消費税が低いからといってどしどし消費するわけでもないでしょう。

まあこの辺、日本の莫迦野党の悪弊で、何でもかんでも役人叩いて増税反対とか言ってれば反体制っぽく見えてかっこいいという遺伝子が未だに尾を引いていますからね。てめえらがネオリベへの道を掃き清めたんだよ、ってことがわからねえのかこのあんぽんたんってとこです(先日都内某所で某研究会あり、その時の腹の虫がまだ残っているものですいません)。

投稿: hamachan | 2007年3月22日 (木) 09時50分

 川崎先生の本をプロデュースした者ですが、好意的に書評していただき、感謝しております。今後ともよろしくお願いいたします。また、先生のご活躍も祈念しております。

投稿: くまい事務所 | 2007年3月26日 (月) 12時33分

くまい事務所さま、ようこそ。
川崎二郎先生については、これから自民党雇用生活調査会長としていろいろと活躍されるでしょうから、注目してフォローしていきたいと思っております。

投稿: hamachan | 2007年3月27日 (火) 13時14分

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