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2007年3月 7日 (水)

あれも「偽装請負」、これも「偽装請負」

これも朝日の記事ですが、できれば言葉を使い分けていただきたいな、と。

http://www.asahi.com/life/update/0307/004.html

「郵便小包配達で「偽装請負」 兵庫県労働委が救済命令 」

普通、え?なんで?と思うでしょうね。いつから労働委員会が労働者派遣法の施行に携わるようになったんじゃわいな。

これはそういう話ではなくってですね。「郵便小包の配達を神戸市の運送会社から「業務請負契約」名目で引き受けていた男性らについて、兵庫県労働委員会は、「会社との関係では労働者の地位にある」として、「請負契約解約」を不当労働行為と認め、解約以降の報酬相当額の支払いを会社に命ずる救済命令を出した」という話なんですね。

つまり、本来労働契約であるものを、個人請負契約に偽装していたという話であって、本来労働者派遣契約であるものを業務請負契約に偽装していたという話ではないのです。

確かに、どっちも「請負」に「偽装」していることには違いがないのですが、同じ言葉を使われると大変紛らわしいですねえ。何とかしてくれ。

こっちの方は、労働法の世界では「労働者性」の問題とか、最近のILO勧告では「雇用関係」とかいいますが、直観的に分かりにくいことも確かです。

本当を言うとですねえ。「偽装請負」という言葉がふさわしいのはむしろこっちなんですね。なぜなら、指揮命令しているからホントは労働契約なのに請負契約だと偽装しているわけですから。

あっちの派遣がらみの方は、働いている人が労働者であることには何の疑問も問題もないわけです。その人が請負契約で働いているわけではない。だから、その働き方自体を「偽装請負」というのはミスリーディング。問題は、その労働者を雇っている人が、その働いている職場の企業との間で、派遣契約で送り込んでいるのか、請負契約で送り込んでいるのか、という商取引レベルの話なんですね。だから、ホントはこちらの呼び名を変えた方がいいように思うのですが、難しいでしょうね。

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