警備業の派遣は違法!?
朝日の記事ですが、
http://www.asahi.com/life/update/0327/004.html
「違法派遣で、フルキャストに事業改善命令 東京労働局」というので、さてどんな悪いことをしたのかと思うと、
>東京労働局は27日、人材派遣大手のフルキャスト(本社・東京都渋谷区)が全国308事業所のうち53事業所で、労働者派遣法で禁じられている建設業務や警備業務に労働者を派遣していたなどとして、事業改善命令を出した。宮城県警が1月、同法違反の疑いで仙台支店などを捜索したことを受け、同労働局が同社に報告を求めたところ、全国で同様の違反が相次いでいることがわかったという。
うーーむ、派遣対象業務の問題ですか。確かに、現行派遣法でもなお建設、警備、一部の医療など派遣禁止業務が残っています。これはそもそも論をするとなぜ悪いのか自体よく分からない話なんですね。だんだん派遣対象業務が広がってきて、この業種だけは派遣してはいけないという理屈がますます立たなくなってきているのです。
しかも、「宮城県警が1月、同法違反の疑いで仙台支店などを捜索した」って、なんで警察がここに出てくるかというと、自分ところの所管業界に手を出しやがってこの野郎ということなんでしょう。これは実は因縁話があって、もともと派遣法を22年前に作るときに、当時の労働省は警備業務を入れるつもりだったのを、警察庁が猛烈に反対して、入れないことになったという経緯があるんですね。
この業界にはいかがわしい派遣が結構あるのは確かではあるんですが、今回の摘発はいかにも警備業界のためのものという印象が強いですねえ。
ねえ八代先生、こういうものこそちゃあんと批判しなくちゃいけませんよ。警察庁の天下り先の確保のために、何の弊害もない警備業の派遣を摘発するのはおかしいじゃないか、って、経済財政諮問会議でぶちあげてみたら如何ですか。
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» 違法派遣で、フルキャストに事業改善命令 東京労働局 [フルキャスト ブログ支店]
2007/3/27 朝日新聞より
東京労働局は27日、人材派遣大手のフルキャスト(本社・東京都渋谷区)が全国308事業所のうち53事業所で、労働者派遣法で禁じられている建設業務や警備業務に労働者を派遣していたなどとして、事業改善命令を出した。宮城県警が1月、同法違反の疑いで仙台支店などを捜索したことを受け、同労働局が同社に報告を求めたところ、全国で同様の違反が相次いでいることがわかったという。... [続きを読む]
» 派遣が駐車場の誘導をやってはいけない理由。 [どう過ごすか、これからの10年。]
仙台のフルキャストが警備業者に労働者を派遣して摘発を受けた。いろいろな論点があるだろうけれど、自分が興味をそそられたのは、この仙台の件というのが駐車場の誘導だったという点にある。うん。まさに俺がやってるバイト。 一般に車両の誘導が「警備業」にあたるという... [続きを読む]
あなたは、警備員が内部手引きをして危険物を航空機内に持ち込んだとか、現金輸送車にも同様に内部手引きがされて盗難事件が発生したとか、また管理責任者がいて内部教育がしっかりしている警備会社の犯罪件数が少ない、などの事実をご存じないんですか。花火を見に行った幼児が警備員の不手際で倒れて圧死したこともあります。ちゃんと許可制にして警備員の質の向上を図ることが必要です。
投稿: YAMADA SHINJI | 2009年5月29日 (金) 11時12分
もしかして、派遣労働者であれば常用派遣であっても犯罪を行う可能性が高いが、直用であれば臨時雇いでも犯罪を行う可能性がなくなるというご趣旨でしょうか。
もしそうであるならば、ことは一警備業の問題ではなく、あらゆる業務について犯罪防止という目的実現のため(常用登録含めて)派遣を禁止しなければならず、臨時日雇い含めて直用に移行しなければなりません。
その因果関係を素人にもわかりやすく説明いただけると幸いです。
(派遣直用にかかわらず、長期雇用で年功型の後払い賃金制度にすると、預けた分がもらえなくなるのを恐れて裏切り行為を抑止する効果があるというのは労働経済学でよく言われることですが)
投稿: hamachan | 2009年5月29日 (金) 14時48分
道路交通整理などの警備に携わる者が、30時間以上という必要最低限の教育(警備業法~道交法)を受けてからでないと服務(業務)できないことが規定されております。
当然免許(認可)をもって事業を営みながらも、今日採用した人を現場へ直行させるような不適業者が居ない訳ではない。ばれれば許認可権をもつ公安委員会(警察の警備課が代行する)が営業停止等を厳格に行う。
こうした「がんじがらめ」にも思える規制には疑問もたくさんありますが、安かろう・悪かろうで事故に直結しかねない業種にハードルが高くなることは、高品質という観点では認めざるを得ない。
にもかかわらず、警備業種が最低ラインの賃金体系となっているのは規制が厳しいので、発注する側が「高くても派遣を選ぶ」方が融通が利く・・・契約書・設計・法令順守・斡旋業者の中間介入など・・・慣例に基づく人脈などが以外に生きている。
「請負契約」は『なんでも頼める便利屋』とは厳格に区分されていないのが発注する側に有るように考えています。
さてどこから解きほぐしましょうか?
投稿: daikagura | 2009年7月16日 (木) 09時46分