18歳義務教育訓練制の提唱(イギリス)
イギリスの教育技能省が、去る3月22日、「期待を引き上げる-16歳後も教育訓練にとどまる」と題するグリーンペーパーを策定し、議会に提出しました。
http://www.dfes.gov.uk/consultations/conDetails.cfm?consultationId=1474
ここで提唱されているのは、2013年から、すべての若者が18歳の誕生日まで、教育訓練を受けられるようにしよう、いわば18歳に達するまでの義務教育訓練制を導入しようとするものです。
この問題意識の背景は、日本でもやや歪んで流行っている「ニート」という言葉がもともとこの世代の学校にも訓練所にも仕事にも行っていない若者たちを指す言葉であったことを想起すれば理解しやすいでしょう。
妙な精神論ばかりがはびこるどこぞの国の教育論に爪の垢を煎じて飲ませたいような政策文書です。もっとも、日本で報じられたニュースはだいぶ歪んだ形になっています。
http://www.japanjournals.com/dailynews/070323/news070323_4.html
> 「ニート」は違法!?――学校にも行かず、仕事もしないティーンエイジャーに法的罰則案
義務教育が終了した16歳以上のティーンエイジャーのうち、18歳になるまで学校も行かず、仕事にも就かないという生活を送る者には、悪質な場合、罰金もしくは禁固刑という法的罰則を設ける案が提示されたことが伝えられた。
>国会に提出された検討議案によると、義務教育終了後、そのまま学校で勉強を続けるか、職業訓練を受けるか、もしくは少なくとも週に一度はフルタイムで働くような仕事に就くことを義務付けるとし、これに違反した場合は学業もしくは職業に従事するよう促す裁判所命令が出され、さらにこの命令にも従わなかった際には罰金、または禁固刑を科せられることもあるという。
>この法案が国会で認められれば、導入は2013年からとなり、このようなティーンエイジャーを受け入れるため、新たに50万件以上もの職業訓練用ポジションが設けられるとされている。
とまあ、こういう反応です。
ちなみに、TUCの反応は、
http://www.tuc.org.uk/skills/tuc-13113-f0.cfm
概ね歓迎、ちゃんと予算をつけろ、と。
CBIの方も、
歓迎していると言うことなので、予算や人員の都合がつけば実施される方向とみていいのでしょう。
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