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2007年2月15日 (木)

未払賃金立替払いは何で賄うべきか?

労政審労災保険部会の議事録が公開されていまして、なかなか面白い。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/txt/s1214-2.txt

○松井委員
 1点目、質問をさせていただきたいと思います。使用者側からは、年来未払賃金立替払事業について、ここの労働福祉事業に位置付けることはいかがなものかということを主張してまいりました。質問は今回新たな事業をということで、未払賃金立替払事業を(3)の事業と位置付けることとなっていますが、まずここの部分について、(3)に書かれているような表現ぶりにどのように考えたらフィットするのか、その説明を事務局にお願いいたします。

○労災管理課長(勝田)
 この点に関しては前回の審議会でも議論になったと思いますが、基本的に未払賃金の立替払事業について(3)に位置付けるに際しては、特に倒産した企業において働いていた方々が、倒産後賃金について未払いのままですと、無理をして、例えば、複数の事業所において長時間労働をしなくてはならないとか、あるいは慣れない無理な仕事をしなくてはならないということに伴って、事故を誘発する等の可能性もあることから、今回のご議論においては(3)の中に保険給付事業の健全な運営に資するものとして位置付けることで考えております。

○松井委員
 次に、もう1点確認の質問をさせていただきます。この立替払事業については、2002年の改正において、総合雇用対策の一環として、失業者の生活の安定と就業の促進を目的に、上限額の拡大が行われたと記憶しています。その際の労働条件分科会で諮問された説明の中に、セーフティネットの充実の一環として、未払賃金立替払制度における上限額を引き上げて、失業者の生活の安定に資することとするという説明があったと聞いています。いまのご説明ですと、失業者ということでなくて、働いている方の労災がなくなるという説明があったと思うのですが、その点といまのご説明との繋がりについて、もう少し私どもが理解できるようにご説明をお願いしたいと思います。

○労災管理課長
 2003年当時の状況の中で申し上げるとすれば、非常に高い失業率がまだ当時続いていた時代です。この状況の中ではまだ就職をしていないで仕事を探している方たちの中で、どのような仕事に就くかということで、無理に就くかどうかということを考えていかざるを得ない。その部分での失業者の生活の安定という面があった。それが次の仕事を見つけて無理に働きだすと、その部分での災害防止に繋がるという側面がありますので、その2つはいわば連続して起こっていることとお考えいただければいいのではないかと思っています。

役人というのは三百代言を弄して・・・などと言わないでくださいね。

ぎりぎり論理的に詰めれば松井氏の言ってることに正当性があることぐらい分かっているのです。しかし、それなら・・・、

○長谷川委員
 ・・・それと倒産だとか未払いがある限りは、何らかの制度が必要なわけで、未払賃金立替払制度そのものを否定するわけではないでしょうから、もしご指摘があるのだったら、そういう制度をどういうふうに構築していくのかというのを併せて言ってもらわないと、あたかもこの制度がいらないように聞こえるのですが、そうではないのですか。

未払賃金立替払い事業なんかなくてもいいとは言えないわけです。では、労災保険勘定以外にその金を出してくれる奇特なところがあるかというとないわけです。

今回の特別会計改革は、「役にも立たない福祉施設や宿泊施設ばっかり作りやがってこの野郎!」というところから始まったこともあり、筋の通りにくい福祉事業はやめるというのは当然なのですが、しかし実は、政策的に絶対必要なんだけれども、ほかに適当な財源がないものだから使いやすかった労働保険特会で面倒を見ざるを得なかった、という類がいくつかあるのですね。この未払賃金立替払い事業などはその典型。どこが労災なんだ、と言われると、上のような三百代言式の苦しい説明にならざるを得ないのですが、それなら、特会は本来の目的の給付だけにしろと言う財務省の財政制度審議会は、「おうおう、みなしごになっちゃう未払賃金の立替払いは一般会計で面倒を見てあげよう」と言ってくれるかというと、全然そんなことは言ってくれないわけですよ、これが。

この際、官邸主導で、再チャレンジということでやってくれるのであれば、それは大変結構な話ではありますが、そういう噂も全然聞こえてきませんし、結局、会社が倒産したり社長が夜逃げしたりして給料を貰い損ねた労働者の面倒はどこかが見なければならないわけですから、こういうことにならざるを得ないわけです。これはある意味、政労使みんな分かった上でやってることなわけですね。

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