成長力底上げ基本構想
朝日の記事ですが、本日の経済財政諮問会議に提出される「成長力底上げ戦略構想チームの基本構想がまとめられたとのことです。
http://www.asahi.com/politics/update/0216/002.html
>フリーターらに企業での職業訓練機会を与え、履修実績などを証明する「ジョブ・カード」交付など職業能力形成の支援強化に力点を置き、母子家庭の就職率向上や障害者の工賃倍増などの目標も掲げた。ただ、発足当初に「正面から取り組む」としていたワーキングプア(働く貧困層)への言及が消え、具体性には課題が残った。
>構想では、閣僚や経済団体、労働団体などで構成する「成長力底上げ戦略推進円卓会議」(仮称)を3月にも設置。政労使の合意形成を図り、08年度から施策を本格実施する方針だ。目玉としてフリーターや母子家庭の母親らが企業での職業訓練に参加できるようにする「職業能力形成プログラム」を盛り込んだ。
>同プログラムは、希望すれば半年程度から2年の間、企業での実地訓練と教育訓練機関での研修を合わせた訓練を受けられ、履修実績は「ジョブ・カード」で証明。訓練を受けた企業以外への求職でも実績を活用できるようにする仕組みだ。参加者や協力企業には政府が経済的に支援する。英国で86年に始まった職業訓練評価制度などを参考にしたという。
>また、就労支援では、5カ年計画を策定して母子家庭、生活保護世帯の就職率を現在の48%から60%への引き上げを目指すとし、授産施設などで働く障害者については平均工賃の倍増を目指す数値目標も盛り込んだ。
>中小企業対策では「円卓会議」で最低賃金の中長期的な引き上げに向けた合意形成を図る。IT化や下請け取引の適正化にも取り組む。
>ただ、1日のチーム初会合で塩崎長官らが示したたたき台で打ち出したワーキングプアの明記は「定義が明確でないので、政策の対象にすることは望ましくない」(大田経済財政相)として見送った。職業能力向上策は昨年末に政府がまとめた「再チャレンジ支援総合プラン」にも含まれており、経済界の協力をどこまで得られるかも含め不透明な点も多い。
政策の方向性は実に妥当なものだと思います。ただ、一方で八代先生主唱の「労働ビッグバン」を振り回しながら、もう一方でこういう政策というのも、なかなか頭の中が複雑になるのではないかという気もしますが・・・。
大田大臣が「ワーキング・プア」という言葉に難色を示した、というのも、この辺の政策の基軸をどっちに向けるのか、という問題が後ろにあるんでしょうね。どこかからあんまり行き過ぎるなよ、とねじを巻かれたのかも知れません。もともと自民党という政党は、野党が格差格差と言えば、それをそのまま自分たちの政策にして野党を置いてけぼりにしてしまうというのが得意技だったわけですが、やっぱり小泉・竹中路線の遺産を大事に押し戴きながらだと、難しい面もあるようです。
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