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2007年1月19日 (金)

差別が禁止されるパートってだあれ?

16日に、パート法案の要綱が諮問答申されました。これがそれですが、

http://www.mhlw.go.jp/houdou/2007/01/dl/h0116-1a.pdf

気になる点があります。例の差別が禁止されるパート労働者の範囲です。

法案要綱の表現では、「業務の内容及び当該業務に伴う責任の程度からみてその職務の内容が当該事業所における通常の労働者と同一の短時間労働者であって、当該事業主と期間の定めのない労働契約を締結しているもののうち、当該事業所における慣行その他の事情からみて、当該事業主との雇用関係が終了するまでの間において当該通常の労働者と同様の態様及び頻度での職務の変更が見込まれる者」です。こういう「通常の労働者と同視すべき短時間労働者」については、「短時間労働者であることを理由として、その待遇について差別的取扱いをしてはならない」ということになります。

これだけだと、実に対象が少ないであろうなあ、という感じですが、その次にこういう表現があります。

「イの期間の定めのない労働契約には、反復して更新されることによって期間の定めのない労働契約と同視することが社会通念上相当と認められる期間の定めのある労働契約を含むものとする」

つまり、労働契約法の議論で問題になった有期契約の反復更新の問題が、こちらにもこういう形で顔を出しているわけです。労働契約法ではほとんど前進することはできなかったわけですが、こういう形でパートの均等待遇とリンクすることで、面白い効果を持つ可能性があります。それは、もともと判例という(雇い止めされてしまった後という意味で)事後的解釈の基準として形成されてきた有期契約の反復更新法理が、事前の判断基準として用いられることになるという点です。これは実は育児・介護休業法における有期労働者の扱いにおいても問題となった点です。

今、現に反復更新して継続雇用されている有期のパート労働者が、私は上の通常の労働者と同視すべき短時間労働者であると主張して均等待遇を要求したとき、その段階で「期間の定めのない契約と同視することが社会通念上相当と認められる」ものであるかどうかが判断されることになるわけです。もちろん、それも最終的には裁判所の判断ということになりますが、労働審判を申し立てれば早期にその判断が出されますし、この影響はなかなか大きいかも知れません。

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