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2007年1月29日 (月)

女性機械説

その昔、

>畏れ多くも畏くも、天皇陛下を「機関」とは何ごとであるかぁ!

と喚き散らして憲法学者美濃部達吉氏を攻撃したマスコミや政治家がおりましたが、歴史はネタを変えて繰り返すものなのでしょうか。

http://www.asahi.com/politics/update/0128/009.html

機関とか機械とかいう言葉は、対象をその「機能」に着目して表現する言葉に過ぎないのですから、労働者が労働機械であり、兵隊が戦争機械であるのと同様、出産可能な女性が子どもを産む機械であることはある意味で当然。その機能だけで評価されるべき者ではないというのも、また当然のこと。

しかし、とにかく今の時代、何であれ攻撃するネタはフルに使うということなのでしょう。しかし、目先の攻撃のために何でも使うというやり方は、最終的にはまともな政治的議論の場を破壊します。できれば、統帥権干犯の類にまで手を出さないでいただきたいものではありますな。

(追記)

やっぱり、べージ別アクセス数でぶっちぎりになりましたな。稲葉先生のところからやってこられた方が多いようです。

補足することもないのですが、そもそも合計特殊出生率を問題にするということ自体が、女性をその出産機能において判断しているということなのであって、それを「機械」と表現することは、唯物論的インプリケーション(『人間機械論』)を持つ点においていささか問題はあるかも知れませんが、左翼系人士がぎゃあぎゃあ喚くべきことではありますまい。

一方、EUの雇用戦略のように、女性の就業率に数値目標を設定して、その引上げを政策課題とするということは、女性をその労働機能において判断しているわけであり、柳澤大臣風にいえば、「働く機械の数は限られているから・・・」云々ということになるわけですが、それもけしからんと批判するのであれば首尾一貫するわけですが。

結局、女性の労働機能と出産機能が順機能的ではなく、逆機能的に作用するような社会の仕組みになってしまっていることが問題であるというのが、そもそもの少子化対策の論点であったはずなのですが、こういうふうに機能的思考を情緒的に非難するポピュリスト的風潮が広がると、話はどんどんあさっての方向に飛んでいってしまうしかないでしょう。こういう点において、マスコミと野党の責任は重大なはずです。戦前の歴史の教訓を学んで欲しいものです。

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コメント

豚は「人間にタンパク源を提供する機械」だ。

人間社会では正しい。豚社会では…

>「働く機械の数は限られているから・・・」云々と>いうことになるわけですが、それもけしからんと
>批判する
多分、そういうことでしょう。誰の口から出たかにもよりますが…。ワーキングプアの口から出た言葉なのか、奥谷さんか、御手洗、柳沢、労働経済学者…

えー、マスコミさんに公共的利益を考えての政治的に正しい報道を期待すること自体がなんと言いますか…

何事かを分析せんがための「有用なフィクション」という位置付けなら、良い訳ですが…

果たして、そういう位置付けなのか…。批判する側も批判される側もそういう発想をする人達のようには…

誤:女性は産む機械
正:産む機械は女性

いま本棚の片隅から、ドーキンスの『利己的な遺伝子』をつまみ上げてパラパラめくっているところですが、「機械」というメタファーは物事の本質をうまく浮かび上がらせるいい表現だと思うのは、やっぱり私がその手の本になじみすぎているからでしょうかねえ。

メタファー使うならセンスよくなくっちゃなw

>結局、女性の労働機能と出産機能が順機能的ではなく、逆機能的に作用するような社会の仕組みになってしまっていることが問題であるというのが、そもそもの少子化対策の論点

社会保障審議会の人口特別部会が少子化対策の方向性を転換する政策提言(私から見ると保守色の濃い施策)をしたのですが、その方向性に反対する政治家のグループというのが存在して、背後で動いているのでしょうか?
猪口前大臣の30代の女性の労働力率を上げれば、自動的に出生率が上がるなどという説明なんて、柳沢厚労相より、もっとムチャクチャだと思ってましたが(←報道2001でこの説明を聞いて、キーッとなったジェフリ嫌いのソクウヨの私ですw)

「女性は産むだけの機械にあらず」vs「女性は産む機械である」と捉えられた。

女性は産む機械→女性は産むことを優先させられて、女性が他の活動を行うことは阻害される

女性とは「女性自身の人生をより良く生きる機械」である発言だったら何もないでしょう。

限定された目的に統合されることへの反発。

なんもかも「経済成長」やら「デフレ脱却」の観点で
見られたらたまらんですよ。

http://d.hatena.ne.jp/osakaeco/20070202/p2

>女性は産む機械→女性は産むことを優先させられて、女性が他の活動を行うことは阻害される

労働基準法では、妊産婦の就労制限がありますから、族(厚労族)ブロガーの私としては、これは全く正しい認識だと思います。妊娠・出産>労働であり、妊娠・出産は労働より優先されるのです。

母性保護規定が存在しないアメリカという極めて特殊な国を別にして、日本にしろ、ヨーロッパ諸国にしろ、女性労働者には妊娠・出産に対する保護規定があります。
労働機械としての要請が産む機能を阻害しないように配慮されているのがまともな先進国でしょう。
もちろん、産む機能を優先したことによって労働者として不利益を被ることのないようにしなければなりません。このあたりが、昨年(2006年)の男女雇用機会均等法改正の一つのトピックであったわけです。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2005/05/dl/s0527-15i.pdf

ちなみに、厚労省の母性保護研究会で出された先進各国の産休の状況です。普通、この手の奴だとアメリカがあるはずですが、そもそもアメリカの枠がないんですね。そういう特殊な国なんですよ、あそこは。

>妊娠・出産は労働より優先されるのです
それには「妊娠・出産の場合には」という前提が付くはずで、その前提を選べ、ということへの反発という感じでないでしょうか。「母体の保護」以上の意図を感じてしまったための、騒ぎかと

この騒ぎは、言葉の印象に関するもので、「Aを少し優先的に扱います」というのでなくて「A以外を切り捨てる」という印象を与えるものとして捉えられたということだと思います。それに対して、言葉の印象でなくて内容を見ましょう、というのも当然の主張ではありまして、こんな騒ぎがあったからといって、内容まで変更しなければならないのか、という反発は当然なのですけれど、一方で、そういう印象を与えがちな言葉は避けた方がいいんではないかなと。多分、確信犯でないだろうと思うので。

タレントの「産む機械」発言はどうでもいいですか、そうですか

>マネージャーから結婚の報告を受けたとして、件の発言をしたのである。「35歳までには子どもをつくってほしい」との思いだったという。
>沖幸子「最近、アラフォーティ(アラウンド40)の出産が増えています。5年で数倍にもなっている。そういう人たちの神経を逆なでする発言は控えたほうがいい」
>中原英臣医学博士は番組で、「医学的にはなんの根拠もなく、ありえない話。全く不安ない」といっていた。
http://www.j-cast.com/tv/2008/02/04016283.html

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