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2006年12月15日 (金)

パートって言うのか言わねえのか?

12月8日に開かれた労政審雇用均等分科会に提示された「今後のパートタイム労働対策について(報告)(案)」が厚労省HPに載っています。

http://www.mhlw.go.jp/shingi/2006/12/s1208-11a.html

内容的には、素案を維持しているのですが、どうしてもよく分からないのは、フルタイムパートの問題です。

この報告案では、「通常の労働者と職務、職業生活を通じた人材活用の仕組み、運用等及び雇用契約期間等の就業の実態が同じであるパートタイム労働者については、パートタイム労働者であることを理由として、その待遇について差別的取扱いをすることを禁止することが適当である」と書いてあります。それ以外のパートタイム労働者は均衡処遇だと。

それはいいのですが、ここで通常の労働者との差別的取扱いが禁止されるパートタイム労働者というのは、職務や人材活用の仕組みや運用や就業の実態は通常の労働者と同じであるけれども、ただ労働時間だけが短いという労働者のことなんですね。そうすると、こういう項目に加えて労働時間すらも通常の労働者と同じである「パートさん」と呼ばれるところの労働者は、差別的取扱いをしてもいいということになるわけです。

もちろん、筋から言えばパート労働法なんだから、そもそもパートじゃない奴は相手にできないのは当たり前といえば当たり前なんですが、そして、そういう労働者は有期契約労働者ということで、労働契約法制の方でいろいろと検討されていたわけなんではあるんですが、そっちの方がほとんどすかすかになったという事情もこれあり、なんだかバランスのとれない結果になりつつあるなあという感じが否めないところです。

私が上に書かれたようなパートを使っている事業主だったら、一番簡単なのは労働時間を通常の労働者と同じにして、差別的取扱いが禁止されないようにしてしまうことですが、そういうのは多分脱法行為にはならないんじゃないかな。

といって、労働側が審議会で主張していたように、パートタイムじゃないフルタイムの「パートさん」をパート労働法で保護しろというのも、法制局的にはいかにも筋が悪いので、頭を抱えるのは確かなんですけどね。難しいところです、これは。

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コメント

「通常の労働者と職務、職業生活を通じた人材活用の仕組み、運用等及び雇用契約期間等の就業の実態が同じであるパートタイム労働者については、パートタイム労働者であることを理由として、その待遇について差別的取扱いをすることを禁止することが適当である」

運用段階でどういう説明をすれば良いのかと考えると、要するにこれは短時間正社員制度です、育児その他で通常の労働時間勤務できない人であっても、能力のある人は積極的に人材活用してきちんと待遇しましょう、でわかると思うのです。
問題になってるフルタイムパートの場合は、本音は、いつ止めてもらっても代わりはいくらでも見つかる人だと思うのですが、労働時間が1日8時間、週40時間勤務は正社員で雇うべきという意識が染み付いてる人にわかって貰うのは難しいんですよね。

本日某所で某方とお話ししたことが本件に関係しているのでちょいとだけ。
具体的に、就業の実態だけでなく労働時間も通常の労働者と同じパートさん、というか要は非正規労働者ですね、そういう人が、今回設けられる条項を根拠にして裁判を起こすことを考えてみましょう。
原告側主張、パート法は労働時間が短いだけで他が同じ労働者を通常労働者と差別するなと言ってるんだから、労働時間ですら同じ労働者については当然それ以上に差別してはいけないことを含意しているはずである、善人なおもて往生すいわんや悪人おや論法ですね。
被告側主張、パート法は短時間労働という特殊な労働形態に着目して、その労働形態に係る問題のみを対象にしているのであるから、短時間でない労働者の取扱いには一切関係ない。こんな理屈を認めたら、法律に書いてないことをなんでもかんでも認めることになってしまい、許されない。

もひとつ、これはやや機微にわたりますが、労働契約法で対応するという話もあります。ご承知のように、有期労働に関する部分は完全にスカスカになってしまったわけですが、現時点で斜体字というほとんど崖っぷちの状態にありながら、なお報告案に残っている「使用者は、労働契約において雇用の実態に応じ、その労働条件について均衡を考慮したものとなるようにするものとすることとしてはどうか」という規定案が残っています。
もしこれが労働契約法の条文として生き残ることができれば、こっちが実定法上の根拠となる可能性が出てきます。もちろん、これだけではあまりにも茫漠としているので、この条文だけでなにがしかの法的効果を導き出すというのは無理でしょうが、これと先程のパート法の新たな規定とを合わせ技的に組み合わせると、フルタイムの短時間労働者でないパートタイマーの「労働条件の均衡」という結論を導き出すことが全く不可能ではなくなる可能性があるように思えます。

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