ホワエグは管理職の平均年収?
今度は朝日です。
http://www.asahi.com/business/update/1220/082.html
「残業代ゼロ労働の適用年収 「管理職の平均」で調整」という記事が出ています。
「年末にまとめる最終報告書では、新たに「対象労働者は管理監督者の一歩手前に位置する者」と言及。年収要件を、「管理監督者一般の平均的な年収水準を勘案しつつ、労働者の保護に欠けないよう、適切な水準を定める」とする方向で調整している」とのことです。
これがどれくらいに当たるのかというと、
>05年の厚労省統計をもとにした民間の産労総合研究所の試算では、従業員が100人以上いる企業の「課長」の年収は837万円。ただ、100人以上500人未満が683万円、500人以上1000人未満が791万円、1000人以上が972万円と、企業規模や産業で開きがある。
と、中小企業では相当低くてもホワエグが可能で、大企業になればかなり高くなければダメということになるわけです。
ちょいと厳密なことをいっておくと、「管理職」の平均と「管理監督者」の平均とは概念的に違うはずです。
私が思うに、問題の本質が労働時間法制ではなく、賃金をどうするかということである限り、労働基準法上の概念である管理監督者よりも、職能資格制における管理職を基準にする方がふさわしいように思われますが、問題を労働時間規制の緩和という形で扱っている以上、管理監督者という風に書かざるを得ないんでしょうねえ。
もう今までこのブログでも耳にたこができるくらい繰り返してきたことなのですが、それくらいの年収のある人であれば、「残業代をゼロ」にすることは別に問題がないのですよ。問題は残業代がなくなることではなくて、労働時間規制から完全に外してもいいのか?ということなんですから。マスコミはなかなかそう思ってくれないんですけれど。
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