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2006年12月12日 (火)

残業代ゼロ労働って言うな!

別に朝日新聞を目の仇にしているわけではありません。むしろ、労働時間問題をきちんと取り上げる姿勢には敬服しておりますですよ。だからこそ言いたいのですがね。

ちょっとまだ朝日のサイトには出ていないようですが、イギリスのオプトアウトを取材した記事が今朝の朝刊に載っています。現地のいろんな人に取材して、よく調べてバランスのとれた記事なのですが、ベンチがアホやから・・・・あわわ、デスクのご理解が若干足りないために、見出しが「イギリスの残業代ゼロ労働」になっちゃっています。

改めて確認するまでもないのですが、

アメリカ:労働時間規制は全くなし、40時間を超えると賃金が5割増、この賃金の5割増規定に適用除外(ホワエグ)あり。

イギリス:労働時間規制あり(週48時間)、個人ベースで労働時間規制の適用除外(オプトアウト)あり、ただし1日11時間の休息期間あり。割増賃金については一切規制なし。

日本:労働時間規制あり(週40時間)、職場ベースで労働時間規制の適用除外(36協定)あり、ただし上限なし。40時間を超えると賃金が25%増、この賃金の25%増規定に適用除外なし

イギリスのオプトアウトに見合うのは日本の36協定であり、どっちも残業が組み込まれている。彼我の違いは休息期間の有無なんですね。一方、アメリカには日英のような意味での「時間外労働」という概念はない。割増を払うべき時間があるだけ。

問題は、この最後の緑色のところなんです。なんで高給サラリーマンにまで高い残業手当を払わなければいけないのか、というのが、ホワエグの本質なのであって、その意味ではまさに残業代ゼロ労働なのですが、そういう問題意識はイギリスには全くない。だって、残業代をどうするかなんて、法律は一切介入していないのですから。

そもそも法律が介入するのは労働時間なのであって、(最低賃金以外は)賃金に介入しないイギリスにおいて、「残業代ゼロ労働」という概念自体存在しないでしょう。せっかくのいい記事が、見出しのために若干「と」になっているのが残念です。

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