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2006年12月25日 (月)

規制改革会議が労組団交権制限を断念

今朝の朝日が報じています。

http://www.asahi.com/life/update/1225/003.html

これは、6日のエントリーで紹介した記事の続報ですが、

http://eulabourlaw.cocolog-nifty.com/blog/2006/12/post_e8e1.html

今日出される予定の「規制改革・民間開放推進会議の最終答申から、労働組合の団体交渉権を制限するとした項目が削除されることがわかった」ということです。「今月上旬に示された原案では、労組の団体交渉権について「従業員の一定割合以上を組織する場合に限るよう早急に検討する」としていたが、憲法に抵触しかねないなどの理由から見送ることになった」ということのようです。

これを主張していたのは同会議専門委員の小嶌典明・大阪大教授(労働法)で、「経営側への負担が大きい。交渉権を一定割合以上の組合に限れば、労組が多数の組合員を組織する動機付けにもなる」と主張。米国では、過半数の労働者の支持を得た組合が交渉権を得る仕組みで、これを念頭に、1割以上の組織率を条件にした構想だったようです。

法律論的に言えば、「厚生労働省は「憲法はすべての国民に団結権や団体交渉権を認めている。少数組合を排除する理屈は成立しない」と反対していた」ということになるのですが、労使関係論的観点から見ると、多数組合と少数組合が法律上全く平等だというのがいいのかどうかは大変疑問です。

それを、小嶌先生のように少数組合の団体交渉権の制限というやり方でやるのが適切かというと、それは大変問題が生ずる面もあるのですが、少なくとも労働契約法制の検討の中で提起されながら遂に消えてしまった労働条件の不利益変更の合理性判断への判断基準として用いるといったやり方ででも、何らかの形で多数の労働者を組織してその声を結集した組合の発言権をより多く認めるという仕組みを導入していくことが、18.2%にまで下落してしまった組織率反転のためにも求められているのではないかと思うのです。

私自身の考え方は、『労働法政策』の中でちらと書きましたが、団体交渉権自体は複数組合に平等に認めるが、労働協約の規範的部分の効力は過半数原理に従わせるというやり方が適当なのではないかと思っています。就業規則や様々な労使協定との関係で問題になるのもこの部分ですし。現行の17条の一般的拘束力の考え方とも整合すると思います。

まあ、日頃労働組合を敵視している規制改革会議が、今頃になって「労組が多数の組合員を組織する動機付けにもなる」などと言いだしても信用できるか!とお考えの方も多かろうとは思いますが、議論自体としては一見するほど筋の悪いものでもないと、私自身は考えています。これまでの少数組合運動は、どちらかというとイデオロギー的主張で多数組合と対決するサヨク運動家の砦みたいな感じでやっていたので、そもそも労働者の多数の支持を得るなどという発想にはなりにくかったのではないかと思いますが、そういう社会背景はだんだん変わって来つつあるようにも思います。そもそも、「団結は力なり」というのは、本来、隅っこの方で数人だけで寂しく気勢を上げているというようなものではなかったはずですし。

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