フォト
2020年4月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ

« 連合調査 on 偽装請負 | トップページ | 雇用保険部会報告素案 »

2006年12月19日 (火)

革命的労働ビッグバン主義者万歳!

昨日内閣府が開いたシンポジウムの席で、経済財政諮問会議の八代尚宏氏が「正社員と非正規社員の格差是正のため正社員の待遇を非正規社員の水準に合わせる方向での検討も必要との認識を示した」と報じられています。

http://www.mainichi-msn.co.jp/keizai/seisaku/news/20061219k0000m020089000c.html

>低成長のうえ、国際競争にさらされた企業が総人件費を抑制している中、非正規社員の待遇を正社員に合わせるだけでは、「同一労働・同一賃金」の達成は困難と指摘。正規、非正規の待遇を双方からすり寄せることが必要との考えを示した。

>現在の格差問題が規制緩和の結果生じた、との見方を否定し「既得権を持っている大企業の労働者が、(下請け企業の労働者や非正規社員など)弱者をだしにしている面がかなりある」と述べた。

つまりですね、「同一労働同一賃金」という「正義」を実現するために、大企業労働者の既得権を剥ぎ取り、(労働者は)みんな平等に貧しいユートピアを作ろうというわけです。なんと革命的なんでしょう。

全ての革命的な労働者学生諸君は一致団結して八代先生とともに労働ビッグバンを実現すべく闘おうではありませんか!

(追記)

これは冗談で言っているわけではありません。ある意味では大まじめな話です。少なくとも、もっとも正統なマルクス主義者である松尾匡さんのお考えと、八代先生のお考えは見事に符合しています。重工業化の結果としての複雑労働力商品生産による疎外を乗り越えて、一切の伝統的属性のアイデンテイティをはぎとられて全人類に共通する自然科学的存在となったスッカンピンのまる裸の労働者階級を作り出すことこそが、階級のない社会への道なのですから。

http://www.std.mii.kurume-u.ac.jp/~tadasu/shucho4.html

« 連合調査 on 偽装請負 | トップページ | 雇用保険部会報告素案 »

コメント

ブルーカラーの賃金カーブの是正という意味で良いのでしょうか?
で、あるならば労務屋さんの意見も聞いてみたいところです。

いやいや、ホワイトカラーも含めたすべての労働者でしょう。ご自分のような極めて高度の知的生産に携わる人を除いて。

>ご自分のような極めて高度の知的生産に携わる人を除いて。

私も「日本経済の進路と戦略」のエントリーを書きながら、労働ビックバンで何なんだろうと思っていたのですが、【成長の鍵を握る人材】以外の賃金は平べったくしちゃえという意味なんですかね。

基本路線としては賛成なのですがあまりに性急なのはいかがなものかと

> ご自分のような極めて高度の知的生産に携わる人
多分、そこには松尾先生は含まれないんでしょうね

私は松尾さんの議論を聞いていると、ピエール・ロザンヴァロンの『ユートピア的資本主義』に出てくる言葉を思い出します。

>純粋な市場社会としての共産主義、つまり、人間同士の純然たる交流の社会としての共産主義は、それゆえ、自由主義的ユートピアを完成する・・・。

で、八代さんの発想も実のところかなり近いところにあるように思えます。彼も本気なんですよ。だから怖いのです。

(ちなみに、ロザンヴァロンの本は、いい思想史ってのはこういうものだという実例です。変な毒が回らないうちに読んだ方がいいですよ)

回ってからじゃ遅い、って?
http://d.hatena.ne.jp/odanakanaoki/20060617#p1

ま、それはともかく、足元のことを考えると
キャリア形成は無視できない訳ですが、そう
いったこととは別のお話だから、ユートピア
なんではなかろうか

大昔、ゼミで松尾さんとした議論を思い出しました。私が青木昌彦のモデルの報告をして、組織の中のレントは競争によって、消滅するかどうかということが議論になったのです。松尾さんは消滅するという立場だったと思います。

この点については今でも100パーセント私が正しいと思っていて、企業内のレントとして、人的資本の蓄積なり、OJTの成果が企業内に残るから、企業も人を育てようとするわけですし。長期的にはレントが消滅するとしても、短期的にレントが作り出せれば、企業はなんらかの企業内教育を行い、熟練労働者を育成するメリットがあるわけです。

松尾さんの主張の正否は単にイデオロギーの話ではなくて、現実にスッピンプロレタリアートが生まれるかどうかに依存しているんで、松尾さんのイデオロギー以上に松尾さんの市場観なり経済観が影響していると思うのです。そのあたり、労働市場での取引費用とか、人的資本の蓄積とかからめて、もう10年前の議論の続きができればおもしろいんですけど。

多分、今、松尾さんが私に反論するとすれば、市場のグローバル化とか、個別労働者を普遍化する傾向が企業内のレントの発生よりも優勢だと主張するように思います。

ついでですが、賃金格差がなんらかの非効率性を生み出していることは、既存労働者と企業が交渉して新規労働者の賃金と雇用量も含めた雇用計画を決めるモデルをつくれば、比較的簡単に分析できると思います。労働者は一人当たりの付加価値が大きくなるように交渉力を行使しますから、一般的に社会全体の付加価値は既存労働者が交渉力を行使できない場合のほうが大きくなるはずです。ただ、こうした交渉力の源泉は企業内にレントがあるからであり、こうしたレントが労働者がえられないように規制緩和することは結果的には企業が労働者を教育するインセンティブをなくし、スッピンプロレタリアートを作り出す効果をもちます。あ、いいのか八代さんの立場なら。

> 市場のグローバル化とか、個別労働者を普遍化
> する傾向が企業内のレントの発生よりも優勢だ
> と主張する
そうすると、神聖同盟云々と揶揄される…

> レントが労働者がえられないように規制緩和す
> ることは結果的には企業が労働者を教育するイ
> ンセンティブをなくし、
どうなんでしょう。極端な事例ではありますが、
グローバル化とレントの双方を睨んで、サッカー
なら契約金システムみたいなのもある。一般論と
して常に「規制緩和=レント消滅」、「規制強化
=レント発生」ではないような気もす。

規制緩和しても、企業が独自の判断で例えば年功
的システムを維持したり、しなかったりすれば、
それでいいんではないの…

>労働法に関心のある方に是非とも読んでいただきたいと思います。

http://ohtake.cocolog-nifty.com/ohtake/2006/12/post_b558.html

単純にいえば、レントが発生しやすくなる状況っていうのは、男女関係が夫婦になるのと同じなわけです。他の女(男)に手を出せないかわりに、その女に投資したり、共同で子供つくたっりできるようになる。だから、違うカーストの男女が結婚できるようにする規制緩和はレントの発生を促進するけど、簡単に離婚がしやすくなる規制緩和はレントの発生を阻害する。

年末で酔っ払ってんで、年明けてまじめにもう一回書き込みます。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 革命的労働ビッグバン主義者万歳!:

» 宇野弘蔵再読 [痴呆(地方)でいいもん]
前のエントリを書いたあと、久し振りに宇野弘蔵を読んでみた。例によって、ええかげんに読んだんだが、本当の宇野シューレの方々の顰蹙買う覚悟で、以下のように宇野弘蔵を要約する。 全然、マルクスしらん人のための基礎知識 マルクスという人は資本論書いた人だったんです... [続きを読む]

« 連合調査 on 偽装請負 | トップページ | 雇用保険部会報告素案 »