フォト
2024年10月
    1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31    
無料ブログはココログ

« 労働者派遣の構造転換 | トップページ | 労働契約法続き »

2006年11月22日 (水)

労働契約法制の素案

昨日開かれた労政審労働条件分科会に提示された労働契約法制の素案がJILPTのHPに掲載されています。

http://www.jil.go.jp/kokunai/mm/siryo/pdf/20061122.pdf

これはかなり後退した内容になっていますね。特に、就業規則変更のところは、合理性の判断要素として、「労働組合との合意その他の労働者との調整の状況(労使協議の状況)」が「労働条件変更の必要性」「就業規則変更の内容」とならんで書かれているだけで、判例法理を超えて手続的法的安定性を確立しようとした契約法研究会報告の精神はほとんど失われてしまったといえましょう。まあ、多数組合による少数組合の弾圧だと主張していた少数派運動の立場からすると、もっとも許し難いところがなくなってほっと一息と言うところかも知れません。

ここは、立場によって様々な考え方のあるところだろうとは思いますが、こうやって過半数組合が同意しているかどうかが決定的要件とはならず、詰まるところ裁判官の胸先三寸でどっちに転ぶかが決まるという状況を長引かせることが、本当に労働者にとって望ましいことなのかどうかについては、もう一度考え直してみる値打ちはあると思うのですがねえ。

解雇については予想通り、事実上の先送り案になっています。労働審判や個別紛争制度の状況を踏まえつつ、とか今頃言っているということは、12月までに何らかの具体的な制度を設けるところまで持っていくつもりはないということでしょう。まあ、これは決着は難しいかなという感じはしていましたが。

« 労働者派遣の構造転換 | トップページ | 労働契約法続き »

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 労働契約法制の素案:

» 安全配慮義務 [日本版エグゼンプションは死を招く]
 11月21日、労働政策審議会労働条件分科会が開催されました。  この日は、日本版エグゼンプションとセットで議論が行われている労働契約法制の素案が提出されました。日本版エグゼンプションの議論はありませんでしたが、今の使用者委員のスタンスを示す興味深い発言がありましたので、ご紹介します。  この日に提出された素案でもっとも使用者委員が抵抗を示したのは「安全配慮義務」について。素案では「使用者は労働者の生命、身体等を危険か�... [続きを読む]

« 労働者派遣の構造転換 | トップページ | 労働契約法続き »