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日本労働弁護団のホワエグ批判

日本労働弁護団が11月24日付で、10日に提示された労働時間法制の素案に対する批判を公表しています。

http://homepage1.nifty.com/rouben/teigen06/gen061127a.htm

かなり正しいことを主張しているのは確かなんですね。「前文で「長時間労働を抑制しながら働き方の多様化に対応するため」と言いつつ、相も変わらず、「時間外労働削減」の対象となる通常労働者と新・適用除外の対象者や管理監督者を分け、前者には、ほとんど実効が期待できない「法制度の整備」を提起し、後者にはほぼ全面的な適用除外を提起する」「現在、企業実務において管理監督者あるいは裁量労働者と処遇されている労働者は過大な業務量と重い責任、そして成果主義賃金制度の下、無限定な労働を強いられ、多くが心身共に疲弊しており、企業側の見通しですら、今後、脳・心臓疾患や精神障害の危険が高まるとする割合が7割を超えている。「素案」の二分論は、この重い事実を全く無視するものであって、到底許されない」というのは、まさに仰るとおりです。

そして、「結局、現行法による「不合理」は残業代支払義務しか残らない。いうまでもなく、この「不合理」は専ら使用者にとっての「不合理」である。分科会において労側委員が残業代削減目的と批判する由縁である」というところになるのですが、なぜ使用者にとっての不合理を正そうとすることがいけないことなのかは、この文章のどこにも出てきません。それで損する労働者がいるからというのは、生命や健康の危険と同列に論ずるべき問題ではないでしょう。

さらに言えば、労働時間に正確に比例した形での残業代支払い義務が「不合理」であるのは、単に使用者にとってだけではなく、労働者側内部においてすら不合理でありうるかも知れないという問題意識は、残念ながらここには全く出てこないのですね。

しかし、この文章でも指摘されているように、現在運用で管理監督者扱いされている管理職ポストのスタッフ職などは、まさに労働者内部の公平感からして、残業手当を払うのはふさわしくないと感じられているから、現行労働基準法の明文の文言に反するにもかかわらずそのように扱われてきたわけでしょう。ここでは、管理監督していない高給労働者に残業手当を払うことがむしろ不合理と考えられてきているわけで、そういう労働者の範囲はどこまでなんだろうかというのが、この問題のそもそもの出発点であったのではないでしょうか。

まあ、規制改革会議のおかしな問題設定の枠組みの中で、厚生労働省事務局もなんとか本来の問題意識に沿った形で制度設計をしようと努力してきたわけで、そろそろ実質的な労働時間規制(拘束時間規制)をどのような形で入れ込むことができるのか、という観点からの議論をして欲しいところではあります。

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