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2006年11月11日 (土)

雇用保険の国庫負担

産経に、財政審が22日にする予定の建議がリークされています。

http://www.sankei.co.jp/news/061111/kei001.htm

案の定、「失業給付に関する雇用保険の国庫負担の全廃や、生活保護の母子加算について、廃止の必要性を明記」しているようです。まあ、それは想定内のことですが、同じ産経の別の記事に

http://www.sankei.co.jp/news/061110/sei012.htm

厚生労働省が雇用保険の財政状況を試算したという記事もあって、これが「雇用情勢が最悪で国庫(税)負担が廃止されても、23年度には積立金がなお1兆9000億円残る」というんですね。

なんだか、財務省に塩を送るみたいな試算ですが、2000年以降急激に保険料率を上げたことが効いているんでしょうね。

とはいえ、余分に金を取られている形の労使の方は、保険料をそのままで国庫負担だけなくされたんでは、「労使に多大な負担を強いた結果の保険財政にすぎない」(日本経団連)、「国庫負担の削減は認められず、まずは保険料率を引き下げるべき」(連合)などと反発している」というのも無理からぬところです。

で、厚生労働省としては、お得意の足しで二で割って、国庫負担を半分にするというところで手を打とうということのようなんですが、さてどうなりますことやら。

http://www.asahi.com/politics/update/1111/005.html

「厚生労働省は10日、失業給付にあてる雇用保険の国庫負担を来年度から半減させる方向で検討に入った。」

「財務相の諮問機関の財政制度等審議会は国庫負担廃止を求めているが、厚労省は雇用政策に対する国の責任を果たす観点から全廃には応じない考え。」

「国庫負担の大幅削減には労使から「いっそうの保険料引き下げで還元すべきだ」との異論が出るとみられ、削減額の確定は年末までもつれこみそうだ」

だそうです。

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コメント

労働法勉強中の者です。
↓の記述について
これでよいのでしょうか?
私は3年雇用したら申込みをしなければならないと
思っていたのですが。

日本人材派遣協会のHP
派遣先企業の皆様→派遣先企業向け相談事例

http://www.jassa.jp/corporation/example/index.htm


事務用機器操作の業務に3年以上継続して同一の派遣スタッフを受け入れることとなるときは、当社はそのスタッフに直接雇用の申込みをしなければならないでしょうか。


結論から申しまして、御社は、当該派遣スタッフに対して雇用契約申込み義務は生じません。従って、派遣契約を更新して、引き続き当該業務について、派遣スタッフを受け入れることができます。事務用機器操作の業務(いわゆる26業務)に継続して3年以上派遣されていたスタッフに対して、派遣先会社に雇用契約申込み義務が生ずる場合は、(1)派遣先事業所その他派遣就業の場所ごとの同一の業務について、3年を超える期間継続して同一の派遣スタッフが派遣されていたこと、(2)派遣先会社が、その同一業務に派遣を受け入れてから3年を経過した日以後、直接労働者を雇い入れようとするときです。従って、御社の当該部署に、直接労働者を雇い入れる計画がない場合には、当該派遣スタッフに対して雇用契約申込みの義務は生じません。雇用契約の申込み義務が生じない以上、派遣契約を更新して引き続き当該スタッフを受け入れることについては労働者派遣法上、問題はありません (労働者派遣法第40条の5)。

全くの素人ですけど、ちょうど3年間受け入れた人をもう一回だけ新たに雇い入れる(但し26業務であるため期間の制限なし)という場合がギリギリ申し込み義務が発生しない状況か、と思われます

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/kaisei/koyou.html
http://www2.mhlw.go.jp/kisya/syokuan/20001222_01_sy/20001222_01_sy_sankou.html

3年越えの直接雇用申込み義務には2種類あるということはご存じですよね。第40条の4は26業務以外の派遣期間制限のある業務の場合、第40条の5は派遣期間制限のない26業務の場合です。

前者の場合、派遣先は3年を超えて派遣を受け入れてはいけないのですし、派遣元は派遣してはいけない上に、違反する場合は派遣しないよと派遣先に通知しなければなりません。この通知を受けてもなお派遣労働者を使おうというのなら直接雇用の申し入れをしろ、と、こういう風になっているわけです。

ところが、26業務の場合は派遣期間制限がないのですから、派遣労働者のままずーぅと使っていたいと思ったら、それは可能なんですね。後述のように立法論的にはおかしい面はあるのですが、今までの経緯がこれあり、そういう仕組みになっているのです。
では第40条の5は何を規定しているかというと、その26業務について、派遣労働者はずーぅと使っていながら、一方で直接雇用で同じ業務に人を雇い入れるのであれば、ずーぅと使っている派遣労働者を優先しろよ、ということなわけです。それがこの申込み義務であって、いや我が社はこの仕事はずーぅっと派遣さんにやって貰います、という場合には及ばないということになります。

この辺詳しい解説は、やはり業務取扱要領をご覧下さい。

http://www.mhlw.go.jp/general/seido/anteikyoku/jukyu/haken/youryou/dl/9.pdf

ただですね、法制の説明は以上なんですが、よく考えていくと変なところが出てきます。そもそも、派遣法ができるとき、いわゆる日本型雇用システム(新卒定期採用から定年まで)とは別の雇用管理がされる業務だからという理屈を付けて、特定の業務だけ派遣を認めたのですが、じつはこれはかなりの程度インチキな議論で、例えば上で言ってる「事務用機器操作」なんて、普通の一般職の事務員がやってる仕事なわけですよ。それをいやあ、専門技術的でございますとか特別の雇用管理をやっておりますとか屁理屈付けて何とか立法したという経緯があるのですね。

ところが、1999年改正で、そういう制限はなくして、別に普通の雇用管理をやっている仕事でも派遣していいよという仕組みに変えた(いわゆるネガティブリストシステムって奴です)んですが、その際、今までの26業務については派遣期間制限はなし、それ以外の業務については派遣期間制限ありというふうに、それまでのいきさつを引きずる形で制度設計してしまった。ホントは、26業務が特別の雇用管理なんて限りなく虚構の世界なんですが(派遣法を作るためにでっち上げた有用な虚構ではありますが)、それがネガティブリスト方式になって、別に必要でなくなっても残ってしまったわけです。まあ、26業務について、それまでなかった派遣期間制限という制約が新たに設けられるのが嫌だという既得権保護だったんでしょうが、なんだか木造平屋建ての屋根の上にそのまま鉄筋コンクリートで建て増ししたみたいなもので、いかにもヘンチキリンな仕組みです。

このヘンチキリンのツケがこういう形で現れてきているというのが実情でしょう。更地で制度設計するのであれば、26業務などという中途半端なものはなくして、どんな業務であろうが3年たったらおしまいね、というのがすっきりしますが、そうなっていないわけです。

だから、例えば上の事務用機器操作だとか悪名高いファイリング業務とか、そんなの普通の新卒社員にも当然のようにやらせるわけですよ。じゃあ、事務用機器操作やファイリング「も」やる新卒社員を採用する際には、その仕事をしていた派遣労働者に直接雇用を申し込まなければならないのか、という大変面白い問題が持ち上がるわけです。

これは、メンバーシップ型雇用管理とジョブ型雇用管理のいい応用問題になりますね。

なるほど「受け入れ」と「雇い入れ」は全く別の意味だったんですね。いや、どうもすみません。

しかし、何だか凄い話ですね。「も」ならOKなのか…

>例えば、機械設計の業務(P6(2)の業務(いわゆる「26業務」))に、3年を超えて同一の派遣労働者を受け入れている場合には、当該派遣先の事業所等において、機械設計に『主として』従事する業務に新たに労働者を雇い入れる場合に、雇用契約の申込み義務が発生します。

26業務でも現行では3年の受け入れ期間制限があるようなので、改正で26業務を腑分けして現行のまま最長3年の業務と制限無しの業務に分ければよかったのではないか、と思うのですが、本音はむしろファイリング業務なんかも含めて継続派遣できるようにしてくれ、という要望に答えたんでしょうね。実際には、ジョブがどうたらとか言うのは関係なくてメンバーかそうでないのかの違いのような気がする。

いやいや、26業務の場合は現行では3年の期間制限はないのです。このあたりは大変複雑に錯綜していて、訳が分からないのですが、1999年改正までは、(26業務が全てだったわけですが)法律上は期間制限というのはないにもかかわらず、通達上で3年までにしてよね!という「お願い」をやっていたんですね。で、これを3年期間制限と呼ぶ人もいるからはなしがややこしいのですが、この法律の根拠のない期間制限もどきは今はなくなっています。

とにかく、理屈の上での整理と実態とが乖離していることをみんな分かった上で「かのように」の世界よろしく振る舞っている世界なので、素人がうかつに踏み込むとわけわからんちんになっちゃいます。

>そもそも、派遣法ができるとき、いわゆる日本型雇用システム(新卒定期採用から定年まで)とは別の雇用管理がされる業務だからという理屈を付けて、特定の業務だけ派遣を認めたのですが、じつはこれはかなりの程度インチキな議論で、例えば上で言ってる「事務用機器操作」なんて、普通の一般職の事務員がやってる仕事なわけですよ。
>それをいやあ、専門技術的でございますとか特別の雇用管理をやっておりますとか屁理屈付けて何とか立法したという経緯があるのですね。

85年の派遣法が出来た当時は、「事務用機器操作」をする人は、キーパンチャーとかオペレーターとか呼ばれていて、一般事務とは別採用の専門職として存在していたと思います。20年間に技術革新で機器操作が飛躍的に簡単になり、専門スキルを要する仕事ではなくなったというのが実状ではないでしょうか。
ファイリング業務は、最初から胡散臭い(OLのコピー取りに毛が生えたような仕事)と思っていましたけれど。

じつはその前後に私が就職しておりまして、ちょうど事務用機器操作が一般職員の通常の仕事になるりはじめた頃ですね。ですから、世間的に専門技術的な職業だといっても通用するけれども、現場ではどんどんそうでなくなりつつあった時代だと思います。

ま、なんにしても「ファイリング」が専門職だというごまかしでマンパワーやテンポラリーセンターのやってることを通す法律であったことに違いはないわけですが。

>理屈の上での整理と実態とが乖離していることをみんな分かった上で
>「かのように」の世界よろしく振る舞っている世界なので、素人がう
>かつに踏み込むとわけわからんちんになっちゃいます。

素人は理屈の上での整理は無視して、実態を注視した方がよさそうですね。まあ、その構造も含めてメタな実態ではあるんでしょうが…

ワタクシ、役所に入る前の財政学の勉強で、特別会計は整理して、「一般会計」でやればいいんじゃないの?と思っておりました。
大事なのは、特別会計の透明化による効率性追求であって、一般会計化ではないのですね。
雇用を一般行政で、一般会計でとなると、予算がつかな…ry

いや、財政学者の理想論には理想論としての意味もあるわけで。

実をいうと、雇用保険3事業が大変便利な打ち出の小槌になってしまったことの副作用が、雇用保険被保険者でない人々、具体的には学卒無業者などですが、そういうもっとも政策的関与が必要な人々への対応が遅れ気味になったことではないかとも言えるのです。

これは、私自身役人として痛感していますが、特別会計で要求するのと一般会計で要求するのでは全然MoFの抵抗力が違う。特別会計だと、どうせあんたらが使うしかない金だからなあ、という感じですが、一般会計だと、俺様の大事なカネをどうするつもりだ、という感じですからね。

それに安住したことのマイナス面というのもあるのだろうと、今頃になって感じたりもしています。

議員やマスコミ、一般の方ならなかなか納得いかないと思いますが、役人的な常識で、特別会計だと色付きのカネ、MOFを説得でき、出しやすいというか、その目的合理性でまあまあ支出できますからね。
一般会計は、総額の決まった色のないカネですから、他のあらゆる分野との競争になり、予算が付かん現状があります。今まで付いていたものでも…それは、決してムダ金ばかりではなく、正論でも厳しいモノです。

しかし雇用保険の積立金で何でもやるとなると、「保険」ですから保険の被保険者、すなわち保険加入経験者に限定され、問題の、雇用保険にそもそも排除されている層(ニート、短時間労働者等)には支出できない。3事業も英会話OLへの給付金とか叩かれてましたが、元手は一応被用者の全額負担でしたもんね。

一般会計からの繰入金が減るとなると、その分一般会計で雇用行政への支出、ニート、フリーターへの訓練費用を計上して欲しいものです。保険の空白でできない部分は、ソーシャルな担い手としての国家が、最低限担保すべきですから。しかし再チャレンジといいつつ、小さな政府議論者が相変わらず多い現状では難しいですかね。
確かに、費用対効果がなかなか難しい分野でもありますので。来年の選挙をにらみ、方向性はやや変わったかな、と我が社(厚労省ではないですよ)の実感もありますが。

いやあ、その教育訓練給付は、雇用保険特別会計の矛盾を象徴的に示していると思います。本当に教育訓練が必要な若年無業者は被保険者になってないから貰えない。貰える人は、仕事のあとに英会話教室に通えるOLたちというわけで・・・。

ちょいと広くいうと、社会保険システムはみんなが大体平等で、みんなが同様に負担し、みんながその利益を享受できるという社会構造を前提にしているので、社会が二極分解していくと保険システムが機能不全に陥っていって、可哀想な人の救済という周辺的社会政策が重要になってくるわけですが、それの一つの現れといえるのでしょうか。

>いやあ、その教育訓練給付は、雇用保険特別会計の矛盾を象徴的に示していると思います。本当に教育訓練が必要な若年無業者は被保険者になってないから貰えない

本当にこれは何とかならないのかなと思います。被保険者じゃない人に対して直接給付できないから、助成金という形で給付してるわけでしょう。
助成金だと、審査とかいろいろ手間取って、中小企業にはすごく負担なんです。

>社会保険システムはみんなが大体平等で、みんなが
>同様に負担し、みんながその利益を享受できると
>いう社会構造を前提にしているので、社会が二極
>分解していくと保険システムが機能不全に陥って
>いって、可哀想な人の救済という周辺的社会政策が
>重要になってくる
で、保険止めて、例えば少しラディカルに言うと負の
所得税とかがいいんでないの?と言いたくなるのです

いわゆる「ベーシックインカム」ですね。

現時点での私の考えは否定的。というか、絶対に導入できない。まじめに働いているフリーターすらあれだけあしざまに言われる社会で、働いたら負けだなんて奴らに俺たちの稼いだカネをやるだってえ?ざけんじゃねえ!どうしてもやるってんなら、大金持ちから取り上げた金でやってくれ、俺が汗水たらして稼いだカネに手を付けるんじゃねえ!という障壁を超える論理は現れ得ないでしょう。

ただ、ここでちょこちょこと議論してきている最低賃金と失業給付と生活保護との関係とかを考えると、就労を条件とするベーシック・インカムはありかな、とは思っています。

>就労を条件とするベーシック・インカムは
>ありかな、とは思っています。
公的な仕事を振り分けられるといいんですが。
ケインズ的福祉国家って奴ですかね、私よう
知らんのですが

下記の記事内容(厚生労働省案)に全面的に賛成したいと思います。

「厚生労働省は28日、雇用保険の失業給付の保険料率について、現行の賃金の1・6%(労使折半)から1・2%(同)に引き下げる方向で検討に入った。雇用情勢が改善し、保険財政が安定したため。実現すれば引き下げは1993年度以来で、2001年度の料率水準に戻る。労働者側、使用者側の負担軽減は計約6000億円となる見込み。早ければ来年度にも実施する。
同省は併せて、失業給付費の4分の1を賄っている国庫(税)の負担額について、半減を軸に財務省と調整を進めている。ただ、半減は恒久的な措置とせず「当分の間」とすることで、労使双方の理解を得たい考えだ。国庫負担額は来年度予算の概算要求ベースで約3600億円。半減されれば約1800億円の圧縮となる。
来年度予算で厚労省は、7450億円の社会保障関係費の自然増を2200億円削減することを求められており、厚労省は雇用保険の国庫負担削減のほか、生活保護の見直しで対応する。」
http://www.tokyo-np.co.jp/flash/2006112801000843.html

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