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2006年11月 5日 (日)

パートの正社員化促進

産経が一面トップで書いています。

http://www.sankei.co.jp/news/061105/kei002.htm

>厚生労働省は4日、正社員と非正社員の格差是正のため、企業に正社員とパート社員のバランスのとれた処遇(均衡処遇)をとることや、正社員への転換を促進するようパート労働法に明記する方針を固めた。現在は同法に基づく指針で法的拘束力のない努力義務だが、法律に書き込むことで一定の強制力をもたせる。パート社員の均衡処遇や正社員転換は、安倍晋三首相が掲げる再チャレンジ支援の中核策でもあり、厚労省は次期通常国会に改正法案を提出する。

具体的な規定ぶりまで出ていまして、「パート社員について、(1)責任(職務)や転勤・昇進などの有無(人材活用の仕組みや運用)が正社員と変わらないなら、同じ賃金表や査定基準を使う(2)正社員転換を容易にするための諸制度を整備する-などが柱。均衡処遇に関して、現行法は「均衡等を考慮して必要な措置を講ずる」にとどめているが、これでは不十分として「均衡を図るように努める」と明確に規定するということです。

この問題は前から繰り返し言ってることなんですが、問題を「パートタイム労働者」(法律上の表現では「短時間労働者」)という形でいつまでも扱っていると、現在の喫緊の課題である「本来正規労働者という形でフルに働いているべきであるのに非正規労働者としてフルに働いている人々」に向けられるべき関心が散漫化してしてしまう危険性があるのですね。

確かに、「平成17年に労働時間が週35時間未満の雇用者は、男性だけで384万人と5年で85万人増えており、「正社員なみに働くパート社員も少なくない」。だからこそ、前から言っているのですよ、「パートって言うな!」ってね。

まあ、これは実のところ、行政内部の権限配分の関係もあり、女性労働問題の一環としてのパートタイマー問題と、労働契約法制の一環としての有期雇用問題と、労働市場政策としての派遣・請負問題が三すくみの状態のまま今に至ってしまったことの帰結でもあるんですが、本当はそろそろがらがらぽんすべき時期ではないかと思うのですがね。

また、そうしないと、「処遇は、各企業がパート社員に求める内容によって変わってくる」という、それ自体としては正しい日本経団連の主張をうまくかわしきれないのではないでしょうか。

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コメント

やっぱりパートって、まだそういうイメージなんです
かね。正社員よりは労働の量が確かに少ないけれど、
かなり働いているって層が本当に大事なような気がし
ます。

>三すくみの状態のまま今に至ってしまったことの
>帰結でもあるんですが、本当はそろそろがらがら
>ぽんすべき時期ではないかと思うのですがね
そういうことが必要な気がするんですが、こういう
のってすごく難しそうだなって。

いや、だからこそ、家庭の主婦の小遣い稼ぎというコノテーションのある「パート」じゃない政治シンボルを使う必要があるんです。このまま行くと、どこかで「なんで奥さんの小遣い稼ぎが再チャレンジなんや」という話が出てきてしまう。そうじゃないアジェンダセッティングが必要なんだが。

う~ん、聡明な麗しの未亡人でさえパートと言えば
主婦みたいな感じだったですもんね

これは女性には失礼だけど、○の差かなあ…

>だからこそ、前から言っているのですよ、「パートって言うな!」ってね。

ウチのサイトのサーチワードでは、パートじゃなくて、非正規雇用ばっかりなんですよ。
だから、社会問題になってるのは、俗に言う主婦パートじゃなくて非正規雇用者(必ずしも法律で言うところの短時間労働者ではない)だと思うんですが、どこぞの局が自分のところの問題だとがんばってるから…

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