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2006年10月 6日 (金)

ドーア先生

昨日も都内某所で某・・・・・

いや、はっきり言いましょう。連合の中で、ドーア先生を囲む意見交換会に出席。

ドーア先生から、近著『誰のための会社にするか』を踏まえて、「静かなる株主革命か、経営者革命か」と題して問題提起、その後フリーディスカッション。

ドーア先生が言われる準共同体企業から株主所有物企業への「静かな株主革命」はどこまで本当か、というか、企業労使の共同体意識は崩壊してきたのか、というと、そうではないのではないか、むしろ、同じ釜の飯意識が強く残り、崩れていないために、かえって労使協同でコスト削減に走り、それが株主利益の重視につながった、という道筋ではないか、というのが稲上先生の見立て。

それを煽った元凶が二つのニッケイ、つまりニッケイ連とニッケイ新聞だというツッコミもあったが、この辺労務屋さんのご意見も聞きたいところ。

私は、むしろ90年代前半期のリベラルな考え方、つまり生産者重視から生活者重視へ、とか企業のインサイダーより株主オンブズマンをもてはやすような雰囲気がかなり効いているのではないかと思う。このリベサヨ感覚が、いつのまにかネオリベ思想に推移し、気がつけば株主絶対になっていた。それをバックしているのは、企業労使連合から排除された「下流」の正社員へのルサンチマンであって、そういうのが城繁幸の本などに飛びつく。

城氏は東大法学部を出て富士通に入り人事担当になったエリートさんだからね。日本的雇用慣行を潰せといって潰しても生きていける。そういうのにうかつに憧れるノンエリートが一番ひどい目に遭うんだが、かっこよく見えるんだろうなあ、これが。

ま、しかし、ニッケイ新聞さんも最近反省してきたようだし、日本経団連が今年出した新たな政策方向は注目すべき。そもそも、ニッケイ連は株主価値至上主義を唱えてはこなかったはずで、喚いているのはむしろ学者や官僚が多かったというところが面白いところではなかろうか。実際、構造改革や規制緩和のアドボケイトは官僚上がりがやたらに多いんだよな。

(追記)

正確に言うと、通産省やら何やらの新しがり屋の薄っぺら官僚やアングロサクソン出羽の守学者と一緒になって、株主重視のコーポレートガバナンスだの市場の規律だのと喚いていたのは、ニッケイ連ではなくって、ケイダン連の方。ニッケイ連が最後頃に出したコーポレートガバナンスの報告書は、株主と労働者のバランスを取ろうとした苦心の作でしたが、あんまりまともに顧みられなかったようです。

その後、労働省が厚生省に合併されたように、ニッケイ連もケイダン連に併合されて、なんだかじわじわとその色を失って来つつあるようではありますね。どうなることやら。

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コメント

>城氏は東大法学部を出て富士通に入り
>人事担当になったエリートさんだから
>ね。日本的雇用慣行を潰せといって、
>潰しても生きていける
あれ???

漏れの誤読かもしれんけど、日本的雇用
慣行を潰せなんて言ってた?

むしろ日本的雇用慣行から安易な改革で
離脱したら、悲惨だぞ、みたいなことを
言ってたような希ガス。

別に個別企業の改革なんぞ、まあ、それ
ぞれの企業で適当に頑張って下さいなと
いうのが漏れの感想なんだけどある種の
雇用慣行を政府が優遇したり、逆に課税
したりすることは気になる罠。

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