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2006年10月 6日 (金)

事業としての出向

最近の請負やら派遣やらの報道は、労働市場法制についてのいい教材になりますが、またもや絶好の教材が出てきてくれました。

http://www.asahi.com/special/060801/TKY200610050395.html

日野自動車が「偽装出向」で1100人受け入れていたのを、労働局の指導で派遣に切り替えたという記事ですが、実は「偽装出向」という言い方には若干語弊があります。出向を偽装しているんじゃなくって、出向を業として行うことが職安法で禁止している労働者供給事業に当たるということなんですね。

そもそも「出向」って何でしょう。普通、この言葉は労働市場法制では出てきません。むしろ労働契約法制であれこれ論じられていますね。定義すれば、出向元と出向先と両方と雇用関係を有した形で、出向先で出向先の指揮命令を受けて就労することです。労働者派遣と何が違うかといえば、派遣の場合は派遣元とのみ雇用関係があり、派遣先とは雇用関係がない、という点が違います。

ところが、労働市場法制では、労働者派遣を含む上位概念として労働者供給というのがあるんですね。そして、現在では、もともとの労働者供給のうち労働者派遣を除いた部分を労働者供給と定義しています。そこに含まれるのは、供給元と供給先のいずれとも雇用関係がないケース、供給元とは雇用関係がないが供給先とは雇用関係があるケース、供給元と供給先のいずれとも雇用関係があるケースの3通りになります。この最後の奴をもう一度読み返してください。両方と雇用関係がある、あれっ、これって「出向」じゃないの?ピンポン。

まさにそうなんです、出向ってどの会社でもごく普通にやってますけれど、実は「労働者供給」だったんですね。え?じゃあ、何でお咎めがないの?と不思議に思うでしょう。「事業」じゃないからなんですね。まあ、普通は、子会社を支配するためとか、ポストのなくなった中高年を送り込むためとか、優秀な若手を送り込んで子会社に活を入れるためとか、まあいろいろな理由はありますが、よその会社に自分とこの労働者を出向させてその代金を頂いて稼ごうということは普通はやってない。だから、労働市場法制としては文句をつけていないわけです。

まあ、いろいろと知恵の回る奴がいるんだなあ、という感じです。

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