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2006年10月 3日 (火)

期間超え派遣の是正指導

日経新聞によると、厚労省は「派遣社員を労働者派遣法で定められた上限期間(原則1年)を超えて正社員並みに働かせ続けている悪質なケースに対し、2007年度から是正指導を強化する方針を固めた。法律違反であることを企業側に周知徹底し法令順守を求める。派遣社員の告発などを基に全国の労働局を通じて対象企業を個別調査、違法性が高ければ是正を指導する」とのことです。

http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20061003AT3S2202A02102006.html

正確に言うと、上限は2003年改正で3年までになっていますが(製造業についても既に今年3月契約分からは3年上限となっています)、いずれにしても派遣というのは臨時的なニーズに対応する雇用形態だからという理屈付けから、上限が規制されているわけです。では実際はどうなっているかというと、結構上限を超えて派遣労働者として就労させているケースが多いようで、まあ、だから今回是正指導に踏み切るということなんでしょう。

実は、この点は事前面接の禁止と並んで、規制緩和サイドが緩和を強く要求している点でもあるんですね。守っていないけど、守れといわれるのも嫌だということですかね。ただ、これはそもそも派遣労働という労働形態をどういうものとして位置づけるかがこの20年間揺れ動いてきたことの現れという面もあります。もともと1985年に労働者派遣奉加できたときには、専門的技術的で特別な雇用管理をする職種だけだから派遣でいいんだという理屈付けをして、いわゆるポジティブリスト方式、すなわち政令で定める仕事しか派遣でやれないという仕組みにして派遣を認めた経緯があります。この時は法律上上限規制というのはなかった。

ところが、1999年改正で普通の仕事でも派遣でやっていいというふうにして(といってもそれまでもファイリングと称して一般事務を派遣してたんですが)、その代わり臨時的なニーズに応えるものだから認めるんだという理屈付けにして、上限を1年にしたわけです。それを2003年改正で3年にした。

実際は、派遣という形で長期就労するケースも多く、それをコンプライアンスということで断ち切ってしまう方向への是正指導が好ましいのかどうかは議論の余地があるでしょう。法律上は、期間が終わりかけたら、派遣先が派遣労働者に直接雇用を申し込む義務というのを課していますが、これが使われているという話はほとんど聞いたことがありません。上記規制緩和サイドは、この規定もなくしてしまえと主張しています。どうも、この規定を正社員として雇い入れろという規定だと思いこんでいる向きもあるようですが、そういうことはありません。直接雇用であれば有期契約で申し込むことも十分可能なので、そんなに変な話でもないと思うのですがね。

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