フォト
2024年9月
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30          
無料ブログはココログ

« 規制改革は規制強化? | トップページ | フレクシキュリティに関する非公式政労使三者会合 »

2006年10月22日 (日)

社会保険庁を民営化?

毎日によると、「政府・自民党は21日、継続審議となっている社会保険庁改革法案について、臨時国会の会期末に審議未了・廃案とする調整に入った」そうです。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20061022k0000m010127000c.html

「社保庁職員が国家公務員のまま新組織に移る案では、来年の参院選で勝てない」からだそうですが、「公的年金を非公務員に委ねることに対する議論は不十分で、自民党が志向する法案が実現するかどうかは不透明」としています。

私にとって関心があるのは、誰を非公務員型組織に移し、誰を残すのかという話をどういう風に扱うのかということです。同紙曰く、「強制徴収などの中核業務を厚生労働省に移し、社保庁を周辺業務を請け負う非公務員組織とする案も有力視される。だが、泥縄的で難点も多い」。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/seitou/news/20061022ddm002010014000c.html

>「不祥事に加担した職員の多くは労組員」と攻撃し、労組の支持を受ける民主党に打撃を与える--のが自民党の参院選戦略だ。悪質な職員は新組織に移さず免職する考え。だが公務員の大量免職は困難で、行き場のない職員を公務員のまま厚労省で引き取るという、最も同党の意に反する結果にもなりかねない・・・。

国鉄の場合には、残るところは清算事業団という泥船で、JR各社に行けなかった人が貧乏くじを引いたわけですが、今回は残る方が国家公務員ということになると、そうはいかなくなります。

色んな意味で大変興味深い事例です。今後の動向を注意深くフォローしていきたいと思います。

« 規制改革は規制強化? | トップページ | フレクシキュリティに関する非公式政労使三者会合 »

コメント

>国鉄の場合には、残るところは清算事業団という泥船で、JR各社に行けなかった人が貧乏くじを引いたわけですが、

この時に、国鉄職員から旧労働省職員になった人を数人知ってますが、あれは特別枠での受け入れだったんでしょうか?
それなりに有能で年齢も35歳未満だったような気がしますが、今回の国民年金法違反の社保庁職員は、そうじゃない人が多いので、どこの省庁も引き取るのはいやでしょうね(苦笑)

社会保険庁改革に関しては、最初に内閣官房長官主宰の「社会保険庁の在り方に関する有識者会議」で議論されて報告書が出された時には、かなり民営化も意識した内容だったのです。
ところが、その後、議論の場を厚生労働大臣主宰の「社会保険新組織の実現に向けた有識者会議」に移してから、どんどん現状維持の方向に傾いていったという経緯があるのです。
もっとも、「どんどん現状維持の方向に傾いていった」というのは、私の情報の読み方に過ぎないので反論はあるでしょうけれども。

国鉄民営化の時は本当に大量の余剰人員をどうするかというのが大問題で、各役所ともかなりの旧国鉄職員を吸収しました。その人員は定数削減の枠外とするという扱いだったのが大きかったと思います。前に新聞に書いてあったように、安倍首相の政務秘書官もその一人ですね。

最近のいろんな動きを見ていると、安倍政権の国内政治戦略は、自民党の支持基盤自体を(野党の支持組織もろとも)叩くことによって一般大衆の喝采を得る小泉型から、野党の強固な支持基盤をピンポイント的に攻撃する中曽根型に回帰しつつあるように見えます。

社会保険庁の民営化論はあきらかに20年前の国鉄民営化の成功の再現を狙っていますね。自治労国費評議会という連合内最左派に焦点を絞って、その乱脈を叩くことにより、労働組合の主流派は「あいつらは別だよ、あんなのと心中はしたくない」と腰が引ける。官公労の他の組合も、「社保みたいにならないために」と、抵抗勢力から改革支持に切り替える。それを可能にする正当化材料が再チャレンジ政策ということになるんでしょう。

これもその関係の発言ですね。

http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/feature/news/20061023k0000m010115000c.html

「自民党の中川昭一政調会長は毎日新聞のインタビューで、教員免許の更新制度に関連して「日教組の一部活動家は(教育基本法改正反対の)デモで騒音をまき散らしている」としたうえで「下品なやり方では生徒たちに先生と呼ばれる資格はない。免許はく奪だ」と述べ、教員の組合活動を強く批判した」

学校の先生だって給与生活者なのですから組合活動をして悪いわけはなかろうと思いますが、ここではもっぱらサヨク批判の文脈でニッキョーソを持ち出しています。これも連合主流派との分断作戦を念頭に置いた発言でしょう。

>自治労国費評議会という連合内最左派に焦点を絞って、その乱脈を叩くことにより、労働組合の主流派は「あいつらは別だよ、あんなのと心中はしたくない」と腰が引ける。

はっきり言いますが、昔から社保の労組は自治労の中で最も嫌われていました。
昔、労働大学に行ってた時に(受講者は労組の人が多かった)、散々悪口を聞かされましたから(笑)
彼らが言うには、組合活動もできるが仕事もできる(ごくわずか)仕事はできないが組合活動はできる(普通)仕事もできないし組合活動もできない(最悪)社保は最悪の人達ばっかりだと言ってました。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 社会保険庁を民営化?:

« 規制改革は規制強化? | トップページ | フレクシキュリティに関する非公式政労使三者会合 »