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2006年10月19日 (木)

御手洗会長、請負法制に苦情

10月13日の新メンバーによる第1回経済財政諮問会議ですが、前にも書いたように労働ビッグバンの話が一体どうなるのかが最大の懸念ではあるのですが、日本経団連の御手洗会長がちょっと思い切ったことを発言されていたようです。

http://www.keizai-shimon.go.jp/minutes/2006/1013/shimon-s.pdf

「今の議論とは関連しないのだが、先ほど、甘利議員が正社員と非正社員のことを言われたので、喫緊の課題でもあり、少し本件について話をしたい。2つ問題がある。 1つは、労働の多様化。多様化の一つの中身として、派遣社員と請負社員がある。

結論から言うと、実は、このおかげで、日本の産業の空洞化がかなりとめられている。ただ、この制度にも問題がある。請負は、請負事業者が全部自分で労働者をトレーニングして、何かの仕事を請け負う。その場合、受け入れ先の人はいろいろ指揮命令ができない。これは当たり前のことだと思う。一方で、派遣は、ただ単純に派遣して、派遣先で監督や訓練をしてもらおうということになっている。これも問題ない。 ところが、請負の方が中小企業に多いため、例えばAという会社に行って請け負う、それからまたBに行って違う職種で全部請け負うような場合がある。その場合、現実には、会社の職種に応じた訓練を請負事業者が全て行うことはかなり難しい。ところが、受け入れた先で指揮命令してはいけないという中に、いろいろ仕事を教えてはいけないということも勧告で入っている。そこに矛盾がある。どんな工場に行っても、例えば何か突発的な事故があったり、難しいことがあったりすると、その現場で雇っている方が教えるというのは当たり前で自然の流れである。ところが今の勧告では、それは指揮命令という言葉の中に含まれるので、そういうことはできない。法律を遵守するのは当然だが、これでは請負法制に無理があり過ぎる。勧告にも無理があり過ぎる。これを是非もう一回見直してほしい。 もう一つは、今、労働市場が逼迫して、どんどん派遣社員が正社員に代わるようになっているが、この動きについてはそのままもうしばらく市場に任せた方がいいということである。このペーパーにもあるが、日本の労働市場が職務給に変わりつつある。しかしながら、職務給に変わらないうちに、年功序列型の給料で、今の派遣法のように3年経ったら正社員にしろと硬直的にすると、たちまち日本のコストは硬直的になってしまう。それは空洞化に結びつくことになる。したがって、ここはもう少し市場に任せてほしいということと、派遣法を見直してもらいたいということ、この2つを申し上げたい。」

法律の観点からの議論はここではあえてしないことにします。そもそもなぜ「現実には、会社の職種に応じた訓練を請負事業者が全て行うことはかなり難しい」ということになるのか、ということです。一言でいえば、企業横断的な、どこの会社に行ってもそれだけで通用するような職種別労働市場なんてものが日本にはほとんど存在していないからなんですよ。

同じジョブでも、A工場での仕事の仕方と、B工場での仕事の仕方では違う、というときに、派遣なら行った先のやり方に合わせて、というか、こうやるんだよという指揮命令を受けて仕事をすればいいわけですが、請負だとそういうわけにはいかない。そうすると、一つのやり方は、特定の企業の専属の構内請負になって、その工場がこういうやり方で生産しているということはもうちゃんとはじめから分かっていて、そういう風に請負会社で訓練しているから、いまさら指揮命令を受けなくてもいい、というのが一つのやり方。これは今までの日本で多く見られた協力会社の道ですね。

ところが、現在「偽装請負」といわれている請負会社というのは、どの会社にでも、労働者何人というだけで人を送り込む実質的派遣会社に過ぎないわけですから、そういう風に、送り込み先の工場毎に取りそろえるというわけにはいかない。そこで、送り込み先で指揮命令しなくてはいけなくなるわけです。ジョブ型でない労働市場ではそうならざるを得ないのですね。

まあ、そこで、御手洗会長は「日本の労働市場が職務給に変わりつつある」(!?)と仰るわけなんでしょうね。その点には、数日来書いているように、私としては大変疑問を抱かざるを得ないのですが、まあしかし、完全にジョブ型労働市場になってしまえば、そもそもこういう問題自体が消えてしまうと思いますけどね。

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