« 欧州社会党の「新たなソーシャルヨーロッパ」 | トップページ | 労政審の動向 »

フリーターになった竹中氏またはソーシャルな本たち

竹中前総務大臣曰く、

「改革して左遷されることはあっても、命を落とすことはない。私はフリーターになるが、民間の人間として社会をよくしたい」

http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT3S2700F%2027092006&g=P3&d=20060927

ふううーーん、どこのハンバーガーショップでお会いできるか楽しみですね、それとも人里離れた部品工場かな。なにしろ、かつてご自分のブログで、「フリーターこそ終身雇用!!雇用概念の消滅!!」「フリーターは、『夢』以外に失うものを持たない。彼らが獲得するものは『成功』である。全国のフリーターよ、自由民主党のもとに結集しよう!」とまで若者をけしかけたんですからね。是非革命運動に挺身していただきたいもので。ワタリさん、お仲間が増えましたよ。

http://takenakaheizo.cocolog-nifty.com/mania/2005/10/post_c9e1.html

竹中氏もその隊列の末端に加わったらしいこの格差社会については、小泉政権の終了に合わせてか続々と本が出ていますね。大御所の橘木先生も岩波からまた『格差社会』というのを出しているし、、中堅どころの山田昌弘氏も『新平等社会-希望格差を超えて』だそうな。時代はソーシャルということか。

世の中の潮目が変わったなというのを、出版界が敏感に感じているんでしょうね。そうすると、そういう需要に合わせて機を見るに敏な受験評論家の和田秀樹氏までが『新中流の誕生-ポスト階層分化社会を探る』なんてのを出す。公立学校に任せていたのでは子どもがアホになると受験を煽っていたのが、今度はアメリカはダメだ、トヨタを見習え、フィンランドやスイスを見習えときた。しかも、最後の第6章の章題が「リベラルからソシアルへ」だもんね、いやいや。ようやく、言葉遣いがヨーロッパ化してきたぞ。

90年代以来の日本社会の動きを見てくると、結局時代時代の空気がそれに嵌る政治家を連れてきてその方向への舵を取らせているに過ぎないということがよく分かります。このブログで「安倍政権はソーシャルか」を考えたのは、安倍さん個人の政治信条とか何かよりも、彼に何ごとかを求める社会の空気がどういう方向を向いているか、そして彼や彼の側近たちが、その空気をどこまで敏感に感じて政権運営をしていくか、という問題関心からでした。

和田氏の本が面白いのは、あとがきでとってつけたように「私は愛国者だ」と言い出し、自虐史観を脱却しても、韓国がヨーロッパ型社民政権になったら格差社会の日本より強くなるぞ、日本が負けるぞ、これは国力を強くするためだぞ、と、安倍氏や彼を取り巻く人々が受け入れやすいようなイデオロギー的デコレーションをさりげなく振り付けているところです。おそらくそのセンスはいいところを衝いている。

|
|

« 欧州社会党の「新たなソーシャルヨーロッパ」 | トップページ | 労政審の動向 »

コメント

ちょっと微妙…

「90年代以来の日本社会の動きを見てくると、結局時代時代の空気がそれに嵌る政治家を連れてきてその方向への舵を取らせている」ように『見せている』に過ぎない…

その結果として、変な方に逝ってしまうと
言いましょうか…

投稿: 堂本 | 2006年9月29日 (金) 04時39分

今回もまた、ソーシャルを「見せかけて」
変な方に逝くような悪寒…

投稿: 堂本 | 2006年9月29日 (金) 04時41分

韓国は若年失業が多い割りに社会問題視
されてないみたい。家族・友人間扶助が
当たり前だからか?それはともかく徴兵
制が若年者の独立を遅らせてると書いて
ありますが、強制ボランティアのほうは
どんなもんでしょう。和田さんの場合は
アジだから現実がどうかとか関係ないか

http://takahara.cocolog-nifty.com/blog/2006/09/post_02f2.html

投稿: にせ高原 | 2006年9月30日 (土) 08時15分

竹中平蔵元先生が南部靖之氏(誰?)と
「これから「働き方」はどうなるのか」
なる著書をご出版されたそうですね。

日野原重明先生やダライラマとの対談本みたいなものでしょうか?

投稿: 匿名 | 2010年3月16日 (火) 00時13分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/3288/3614625

この記事へのトラックバック一覧です: フリーターになった竹中氏またはソーシャルな本たち:

» フリーターは惨めとホームページ上に書いた近畿大学が文書を削除 みかんの国の社労士@気になる記事 [みかんの国の社労士開業への道]
近畿大学(本部・大阪府東大阪市)の理工学部が運営するホームページに「新卒で就職出来ていない人は欠陥品」「30歳後半のフリーターは惨め」といったフリーターを侮辱したともとれる文章が掲載され、外部からの指摘を受けて削除していたことが29日、分かった。...... [続きを読む]

受信: 2006年11月29日 (水) 17時39分

« 欧州社会党の「新たなソーシャルヨーロッパ」 | トップページ | 労政審の動向 »